2023-07-31
会社を倒産させない資金繰りとは?重要な基礎知識とすべきこと
会社を運営するために収入や支出を管理する資金繰りですが、正しく実行できているでしょうか?
どれだけ利益を上げている事業があっても、資金繰りに不備があると資金が足りずに倒産してしまうかもしれません。資金繰りの基礎知識を再確認し、資金繰り悪化の原因や、改善方法を理解しておくことが大切です。
何も考えずにお金を出し入れするどんぶり勘定にならないように、会社の未来を見越した計画的な資金繰りを目指しましょう。本コラムでは、資金繰りについて詳しく紹介していきます。
会社における資金繰りとは?
会社の資金繰りの基本は、収入と支出を管理することにあります。現金収支の過不足を調整し、適切な運営ができるようにするのが資金繰りです。また、利益を計上している際に注意をしたいのが、現金の過不足と損益がイコールではないこと。
たとえ黒字であったとしても、資金が足りなくなる資金ショートが起こってしまえば、黒字倒産してしまう可能性があります。当然赤字が続けば、資金が不足して経営もままならなくなるでしょう。資金繰りを改善し安定した運営ができるように計画的な資金繰りをしましょう。
資金繰りとキャッシュフローの違い
キャッシュフローは事業のお金の流れを意味する言葉です。資金つまりは会社の未来に必要になるお金を管理する資金繰りとは範囲が異なります。
なぜ現金の過不足が起きているのか原因を追求するのに役立ちますが、いつ資金不足が起きるかどうかまでは予測できません。資金繰りの場合は、今後資金不足が起きないか確認しつつ管理が行えます。
キャッシュフローで原因を追求し、資金繰りで資金不足が起きないように調整していくようにするのが大切です。
資金繰りと資金調達の違い
資金調達は会社を経営するための資金を作る方法です。現金収支の過不足全体を調整する資金繰りの手法の中に資金調達があるといえるでしょう。
資金調達をするには、基本的に以下3つの方法があります。
- エクイティファイナンス:主に投資家からの出資を受け、株主資本を増加させて資金調達する手法
- アセットファイナンス:ファクタリングやM&Aなどにより、会社の資産を売却して資金調達する手法
- デットファイナンス:主に銀行から融資を受ける方法で、負債を増加させて資金調達する手法
どの手法も取引をしてくれる相手がいなければ成立しないため、経営が悪化する前に地道な活動と適切な会社の運営が必要になります。
資金繰りで会社がすべきこと
資金繰りで会社がすべきことを2つの重要ポイントに分けて紹介します。より自社でやりやすい方法や管理しやすい体制を整えていきましょう。
資金繰り表を作成し管理する
資金繰りを行う上で最も重要なのは、資金繰り表の作成と管理です。資金繰り表は、特定の期間における支出と現金収入を分けて集計した資料を指します。
資金繰り表は企業の財務状況を把握するための貴重なツールであり、日々の業務や戦略の基盤となります。正確かつ具体的な数字を記入することが重要です。資金繰り表は、資金需要や運転資金の調達計画、将来の現金流の予測に基づいて作成されます。
一部の金融機関は、融資を申し込む際に資金繰り表の提出を求める場合もあります。この場合、正確で信頼性のある資金繰り表の提出は、融資の承認を得るために重要な要素となります。金融機関は、資金繰り表を通じて企業の収支状況や返済能力を評価し、リスクを把握することができます。
定期的な見直しを行う
資金繰り表を作成するだけでは不十分です。資金繰り表を作成した後は、定期的に見直しを行う必要があります。
定期的な見直しの目的は、現金の収支状況を把握し、適切な調整を行うことです。もし現金収入が支出を上回っている場合、借入金の一括返済や設備投資など、企業の成長や改善のために資金を活用することができます。一方、現金収入が支出を下回っている場合は、現金不足を防ぐための調整が必要です。
資金繰り表がしっかりと作られていれば、問題のある部分を明確に把握することができます。収入や支出の予測の誤差や予期せぬ出費があった場合、それらを特定し、必要な対策を講じることができます。定期的な見直しは、資金繰りの健全性を保つために重要です。
見直しの頻度は、企業の規模や業種、資金繰りの安定度によって異なります。一般的には、月次、四半期、年次の見直しを行うことが推奨されます。
資金繰りを悪化させてしまう原因
資金繰りの改善をするためには、何が原因で悪化しているのか把握しておくことも重要です。資金繰り表を作成しても、何が悪いのかわかっていないと対策の立てようもありません。
キャッシュアウトが増加
出て行くお金が増えることを指す「キャッシュアウト」の増加が資金繰りを悪化させる原因のひとつです。入ってくるお金のキャッシュインよりもキャッシュアウトの方が多くなれば、資金は減っていく一方になります。
さらに、キャッシュ アウトの増加は仕入れのコストや借入による返済額、在庫などの増加、買掛金の支払いサイクルの短期化が原因でおこります。 出て行くお金が多くなれば資金調達もままならなくなり、会社の存続が難しくなるでしょう。
キャッシュインが減少
キャッシュインが減少してしまうことも資金繰り悪化の要因です。自社商品の売り上げが落ちたり、売掛金の回収に時間がかかってしまったりすると入ってくるお金も減り、必要なタイミングでお金が入らなくなります。
売上債務回転期間は業種によって異なりますが、同業他社が設けている機関と比較して遅れていないか確認し、できるだけ回収を早くできるように調整しましょう。
資金繰りの管理体制に問題がある
本来十分な売り上げがあって、資金も潤沢だったとしても、資金繰りの管理体制に問題があれば、会社の適切な運営ができなくなってしまいます。
運営がしっかりと行えるように体制を整え、正しい情報をまとめた資金繰り表の作成と管理を徹底しましょう。正しいデータを元に経営していけば、資金繰りの悪化も防げます。
十分な収入もあり、資金調達もできているのに資金不足が起きている場合は、まず自社の管理体制に問題がないか確認するのが大切です。
会社を倒産させないための資金繰り改善方法
続いて会社を倒産させないためにも必要な、資金繰りの改善方法を紹介します。業種に合わせた工夫も必要ですが、基本的な部分から改善できないか検討していきましょう。
売掛金の回収
売掛金の回収が遅れてしまうと、予定していたお金が入らなくなってしまいます。現在売掛金の回収に遅れが出ているものがあれば、できるだけ早く回収できるように働きかけなければなりません。
しかし、早すぎてしまうと反感を持たれたり、会社が危機的状況にあると思われたりしてしまうため慎重に交渉を行うようにしましょう。また、請求書の送付忘れといった自社内の問題が原因の可能性もあるため、自社に問題がないかどうかも精査した上で対応を決めるのが重要です。
資金調達を図る
資金繰りで資金を生み出すのに手っ取り早い方法は、やはり資金調達です。経営が危うくなってからでは資金調達先を探すのは困難になるため、日頃から余裕を持って資金が調達 できるように活動しておく必要があります。
もちろん資金を提供してもらうためには信頼関係が必要となるため、企業や投資家との関係性構築にも力を入れましょう。安定して資金調達ができれば、会社の信頼度を維持しつつ運営が行えます。
人件費または経費の削減を行う
資金繰りは、人件費や経費の削減などの内部施策で対策することも可能です。必要のない作業を減らしたり、無駄な経費があったりすれば、まずは削減に努めましょう。
無理な給料カットや解雇などを行うと会社の信用問題にも関わってくるため、可能な範囲で行うのが大切です。消耗品や電気代の節約などできることからはじめて、経費に無駄がなくなって行けばその分のお金を資金に回せます。
事業の縮小を検討する
大きな赤字が出るような事業を展開している場合は 、事業を縮小するのも解決策のひとつです。しかし、事業の縮小は場合によって解雇が必要になるため、慎重に対応しなければなりません。
法律上、人員削除の必要性・解雇回避の努力・人選の合理性・解雇手続きの妥当性を遵守する必要があります。給料についても慎重に扱わなければ、法的トラブルに発展してしまうケースもあることを忘れないようにしましょう。
M&Aを導入する
M&Aは、Mergers(合併) and Acquisitions(買収)を略した言葉で、基本的に会社または経営権の取得を意味します。つまり、他の会社に自社または一部の事業を買い取ってもらう手段 がM&Aです。
M&Aを用いれば、まとまったお金が取得でき、従業員の雇用も維持することが可能。しかし、契約内容や事業内容が大きく変わってしまうケースもあるため、従業員や他社からの理解を得られなければ、会社の信用が落ちてしまう恐れがあります。
また、買い取ってくれる相手がいなければ意味がないため、信頼が持てる仲介会社や弁護士、税理士などの専門家からアドバイスをもらうのがおすすめです。
まとめ
会社を倒産させないために必要な資金繰りの基本情報から、管理・改善方法について紹介してきました。収入と支出を管理する資金繰りは、確実に資金を確保できるように問題点を改善し、最適な方法を検討し続けていかなければなりません。
売掛金の回収や資金調達などでお金が安定して入る体制を作れる資金繰りが求められます。
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