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2024-04-12

ファクタリングは他社に乗り換え可能?同時に利用はダメ?

ここしか頼れるファクタリング会社がない、というのならともかく、世の中にはたくさんファクタリングを取り扱っている会社があります。
今使っている会社のファクタリング条件に不満があるのならば、乗り換えたいと思うのはもっともな話でしょう。
ファクタリングの乗り換えは可能なのでしょうか。

■乗り換えは二重譲渡に気を付けよう

まず大原則として、現在ファクタリングを利用している会社と並行して、ほかのファクタリング会社を利用することは問題ではありません。
会社の中には、契約条項の中に利用中はほかの会社を利用しないこと、と記入しているところもあります。
とはいえ、ファクタリングの元手となる売掛金の権利者はファクタリングの利用者です。
それをどう取り扱おうが自由なので、仮に利用会社の契約条項に違反したところで、刑罰に処せられる可能性はありません。
もっとも、場合によっては刑罰の対象となってしまう可能性もあります。
それは、一度譲り渡した債権を別の会社にもう一度譲り渡す行為です。
これは二重譲渡とも呼ばれていますが、これはれっきとした法律違反です。
二重譲渡をやってしまうとファクタリング会社から損害賠償請求をされるばかりか、刑事事件としても扱われてしまいかねません。
そうなると、借金どころか会社が倒産に陥る危険性さえあるのでくれぐれも注意しましょう。
もしも現在利用中のファクタリング会社がある中で、よそのファクタリング会社を利用したいと思うのであれば、譲り渡す債権を変えなければいけません。
たとえば、現在譲渡している売掛金とは別の会社との間で成立している売掛金を譲渡する、といった形で利用するようにしましょう。

■ファクタリングを乗り換えるメリットは?

現在利用しているファクタリング会社に不満を感じていない人にとっては、なぜわざわざ乗り換える必要があるのか、と疑問に思うかもしれません。
そこでここからは、別の会社にファクタリングを依頼するメリットについて見ていきましょう。
まずは、なんといっても手数料を少なくできるところに乗り換えのメリットがあります。
ファクタリングの手数料は会社によってバラバラです。
そのため、まだファクタリングを利用して間もない人にとっては、これから利用する会社の手数料が高いのか低いのかわからないというケースが少なくありません。
そして、しばらくファクタリングを利用する中で、この会社の手数料は高めに設定されているかもしれないと気づくこともあるでしょう。
そんな中で、ファクタリング会社を乗り換えれば、自分にとって適正な手数料でファクタリングを利用することができます。
次にメリットとして挙げられるのが、より高い買取額でファクタリングを利用できる可能性があるということです。
ファクタリングは手数料だけでなく、買取限度額も会社によってバラバラに設定されています。
たとえば、小さな会社であれば即座に動かせる大金はなかなか持っていません。
そのため、買取限度額を少なめに設定することで、小口の取引に限定するケースがほとんどです。
もちろん、会社が小さいうちはそういった会社でもありがたい存在と言えるでしょう。
しかしながら、会社が大きくなるにつれて動かす資金は膨れ上がっていくものです。
となると、ファクタリングの限度額ももっと大きくしてほしいと感じるようになるはずでしょう。
そんな時に、今まで使っていた会社では、売掛金に見合った金額が得られないとなれば、ほかの会社に乗り換えるほかありません。

■ファクタリング乗り換えのデメリットって?

ファクタリングを乗り換えるデメリットは、まず手間がかかってしまうということが挙げられます。
仮に、過去に使ったことがあるファクタリング会社に改めてファクタリングを依頼しに行くといったケースを考えてみましょう。
向こうからすれば過去に取引がある会社ですから、勝手はわかっています。
ある程度信頼できる会社だとわかっているし、おおよそこのくらいの額を用意しておけば十分だろうという予測も立てやすいです。
そんな中で、新たにほかのファクタリング会社を利用するとなったら、こういったことは頼みにできません。
まず自社はどんな会社かを示すために、一から必要な書類を作らなければいけないでしょう。
会社の窓口での交渉も慣れない中でスタートしなければいけません。
もちろん、先ほど取りあげたメリットを踏まえれば、それでもやる価値はあると考えるのはもっともな話です。
しかしながら、お金のやりとりをする業者と新たにコネクションを作ろうとするのは、相当な手間がかかるということは覚悟しなくてはいけません。
何より、新たな会社の元でファクタリングを利用する場合は、審査に相当な時間がかかることも忘れてはいけないでしょう。
これまで利用していた会社にファクタリングを改めて利用する場合は、即日で審査が終わることもあったけれど、新しい会社の審査は2~3日かかるということも予想しなければいけません。
もちろん、そこまで急いでいないケースでファクタリングの乗り換えを利用するのならば、審査が遅くなっても問題ないでしょう。
しかし、すぐにでも債権を譲渡してお金に換えたいという場合は、乗り換えるのは賢明ではありません。
ファクタリング会社を乗り換える場合は、余裕を持って手続きを進めるようにしましょう。

■どんな時にファクタリング会社の乗り換えを考えるべき?

ここまで、ファクタリング会社を乗り換えるメリットとデメリットについて見てきました。
中には、デメリットのほうだけを見て、手続きが面倒になるなら乗り換える必要はないかと考える方もいるかもしれません。
もちろん、今利用しているファクタリング会社の条件や待遇が良いのであれば、それでも問題ないです。
もっとも、本当ならもっと良い条件でファクタリングを利用できるにもかかわらず、乗り換えしないせいで損している方もいるかもしれません。
ここからは、そんな方のために、これに当てはまるなら今利用しているファクタリング会社から乗り換えるべき、という条件について解説していきます。
まずは、現在利用しているファクタリング会社が債権譲渡登記を義務付けているかを確認しましょう。
利用者に債権譲渡登記をしてもらうことで、ファクタリング会社にとってはさまざまなメリットを得られます。
ファクタリングでは、売掛金の債権を元にお金をやりとりしますが、仮に売掛金が支払われなければ、ファクタリング会社が債権者に代わって債務を取り立てなければいけません。
この際に、債権譲渡登記をしておくと、よりスムーズに債務の取り立てがしやすくなるのです。
これだけを見れば、別に利用者にデメリットはないのではないかと感じるかもしれませんが、債務譲渡登記をする際には利用者は登記費用を支払わなければいけません。
一般的に登記費用は数万円かかるため、それだけでも利用者は損をしてしまいます。
もしファクタリングの手数料と勘違いして、登記費用を余計に払っている場合はファクタリング会社を乗り換えるべきでしょう。
また、会社によっては、登記費用だけでなく事務手数料などと称してこまごまとした費用を利用者に請求するところも少なくありません。
ファクタリング会社から届いた利用明細書などをよく見ながら、自分は余計にお金を払っていないだろうか、と確認するようにしましょう。
次に、ファクタリングの手続きをする際の担当者の対応が悪い場合は、すぐに乗り換えたほうが良いです。
もちろん、すべてのファクタリングに携わる人の性格が悪いという話をしているわけではありません。
基本的には愛想良く、丁寧に手続きを進めてくれる人ばかりです。
しかし、中には客の足元を見て横柄に振る舞う担当者も少なからずいます。
お金を出すのはこちらなのだから多少上から目線で振る舞っても大丈夫だろうとの魂胆があるのです。
そんな中で、利用者もお金を出してくれるのだから、多少気分を害しても仕方ないと思うようではいけません。
いかにお金を得る側であろうと、対等に交渉する権利はあります。
嫌な思いを我慢してまでファクタリング会社を利用する必要はありません。
このファクタリング会社は嫌な担当者がいるな、と思ったら遠慮なく乗り換えてください。

 

■1回利用してダメだと思ったファクタリング会社からはすぐに乗り換えるべき?

先ほど見てきたように、よほど担当者の態度が悪いのであればすぐに他のファクタリング会社に乗り換えても問題ないでしょう。
ただ一方で、今使っている会社に特に不満はないけれど、いろいろなファクタリング会社を試してみたいと考えている人も中にはいるかもしれません。
その場合は一度だけの利用で乗り換えるのは得策ではないです。
そもそも、ファクタリング会社は審査をするにあたってさまざまな要素をチェックします。
会社の経営状況や売掛先の経営状況はもちろん調査しますが、それだけでなく、過去にどんな会社でファクタリングを行っていたのかも調べるのです。
これは当然の話で、たとえば過去にファクタリングを行っていた会社との間でトラブルがあったとしましょう。
そんな利用者に易々とお金を貸し出すのは、会社としてもリスクがあります。
そのため、審査は必然的に厳しくならざるを得ません。
このように、一度ファクタリングを利用する以上は、その利用歴がこれからの信用に左右すると心がけなくてはいけません。
たとえば、あちこちのファクタリング会社を一回だけ利用しては乗り換えるのを繰り返している利用者がいたとしましょう。
それぞれの利用歴にトラブルらしいものはないとしても、担当者としては、この人に何か問題があるからこんな利用歴になっているのではないか、と勘繰るのが自然です。
こうしたことを防ぐためにも、よほど問題があるファクタリング会社でない限りはすぐに乗り換えないほうが良いでしょう。
せめて2、3回利用してから乗り換えるべきです。

■ファクタリングを乗り換えるうえでチェックしたいポイント

ここまで見てきた中で、それならば今使っているファクタリング会社から乗り換えたほうが良いかもしれないと感じている方もいるでしょう。
とはいえ、最初に述べたように、世の中には多くのファクタリングを取り扱っている会社が存在します。
最初の一社を選ぶだけでも大変だったのに、また数ある業者の中から乗り換え先を選ぶのは大変と感じる方もいるはずです。
そこでここからは、乗り換え先を選ぶうえでここだけは見ておくべきというポイントについて、いくつか解説していきます。
まず何よりも大事なのは、今使っている会社よりも良い条件を提示してくれる会社を必ず選ぶべきという点です。
何も考えないまま、ただ漫然とあの会社が評判が良いから乗り換えてみるという思考では損してしまう可能性が高いでしょう。
先ほどファクタリング会社を乗り換えるメリットとして、手数料を安くできたり、買取限度額を高められたり、といったポイントをご紹介しました。
それだけでなく、審査がスピーディーか、返済期限の猶予が長めに取ってもらえるか、などといったポイントも確認しながら乗り換え先を選ぶようにしましょう。
次にチェックすべきポイントとして、その会社がオンラインに対応しているかどうか、というところが挙げられます。
お金に関する交渉は基本的に対面でやるべきというのはもっともな話です。
とはいえ、ファクタリングのような債権を譲渡する取引においては情報漏洩をなるべく避けなければいけません。
特に、売掛先の企業の社員にファクタリング会社から出てくるところを見られ、債権を譲渡していると露見してしまったら、場合によっては関係が悪くなってしまう可能性もあります。
そうした事態を避けるという意味でも、これから乗り換える会社はオンラインでのファクタリングの申し込みができるかとチェックすることは欠かせません。
もしも今使っている会社が対面オンリーならば、なおさらオンラインでファクタリングを受け付けている会社を探したほうが良いでしょう。

■まとめ

今回ご紹介したように、2つのファクタリング会社を掛け持ちすることは違法ではありません。
しかしながら、なんらかの手違いによって二重譲渡が起きる可能性は否めません。
もしファクタリング会社を乗り換える際は、そうした事態を避けるために工夫するようにしましょう。