2022-08-29
ファクタリング契約の流れを5つのステップでわかりやすく解説!
経済産業省も推進しているファクタリングですが、依然として多くの中小企業は資金調達をする際に金融機関からの融資へ依存している傾向にあります。
2020年4月1日に民法の債権法が改正され、譲渡制限特約などの制限が撤廃。これにより、担保や保証人がなくとも容易に資金を調達することができるようになりました。
しかし、多くの方はファクタリング契約の流れを知らず、どのようなステップを踏めば入金まで完了するのかわからないと悩んでいるのではないでしょうか。
この記事では、ファクタリングを契約する際の流れを5つのステップでわかりやすく解説します。合わせて契約時の注意点も説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ファクタリング契約の流れを5つのステップで紹介
自社が保有する売掛債権を売却して期日よりも前に資金を調達できるファクタリングは、経済産業省も推奨している新しい資金調達の手段です。
ファクタリング契約の締結は下記の流れで進行します。
- 事前調査
- 申し込み
- 書類の提出
- 審査
- 契約・入金
ここからは、初めてファクタリングをする方でも安心して契約ができるように、一つずつのステップをわかりやすく解説していきます。
ステップ1:事前調査
ファクタリング契約のステップ1は『事前調査』です。
事前調査とは、自社が保有する売掛債権をどこのファクタリング会社へ売却するかを検討していく段階。一般的には、インターネット上で評判や特徴を見ながら厳選していきます。
正確な数は不明ですが、現在ファクタリングのサービスを提供している会社は、大手メガバンクを含めて膨大な数になります。
その中から自社に合った適切なファクタリング会社を選ぶためには、手数料、評価、契約形態など、さまざまな観点から判断していかなければいけません。
ちなみに、問題視されたこともありますが、ファクタリング業界には違法業者もいます。
違法業者を見抜くポイントとしては、特定商取引法に基づく表記をチェックする、または口コミ評価を見るなどで判断するようにしてください。
ステップ2:申し込み
ファクタリング契約のステップ2は『申し込み』です。
従来までのファクタリング会社の多くは電話申し込みが主流でしたが、最近ではホームページ上からオンラインで気軽に申し込みができるようになりました。
申し込みが完了したら契約が結ばれるわけではありませんので安心してください。
- 名前
- 性別
- 会社名
- 売掛金
- 希望条件
- 希望金額
- 会社情報
一般的に事前の申し込みで必要になる項目は上記の通りです。
基本的に申し込みは無料であり、複数社に対して送信しても問題ありませんので、手数料の相見積もりをするためにも複数社へ同時に送ることをおすすめします。
審査が終わらなければ手数料などの具体的な数値はわかりませんので、まずは電話、メール、郵送などのさまざまな方法を使い、申し込みを完了させましょう。
ステップ3:書類の提出
ファクタリング契約のステップ3は『書類の提出』です。
申し込みが完了した後はファクタリング会社から必要書類の提出が求められますので、それを規定の方法で送ります。
オンライン完結型であれば写真のアップロード、他には郵送は対面式であれば持参する形で必要書類を持っていきます。
ファクタリング契約時に必要な書類は下記の通りです。
- 身分証明書
- 売掛債権の存在を証明できる書類
- 出入金の情報がわかる通帳
- 登記簿謄本
- 決算書
- 確定申告
- 印鑑証明書
この中で最も重要なのは売掛債権の存在を証明できる書類です。
ファクタリングは、利用者が持つ売掛債権を売却して現金を得る仕組みなので、売掛金が実在していて取引先との関係も良好であることを証明する必要があります。
そのためには、売掛債権の存在を証明できる請求書や契約書、売掛先との円滑な取引を証明できる通帳など、さまざまな書類の提出が求められます。
ファクタリングは必要書類を見ながら審査を進めるため、上記で記載した書類は事前に用意しておくと楽に進められます。
ファクタリング契約時に必要な書類の詳細は下記の記事でも詳しく解説していますので、興味がある方はぜひ参考にしてください。
⇒ファクタリングの必要書類は?7つの書類と手続きの流れを紹介!
ステップ4:審査
ファクタリング契約のステップ4は『審査』です。
提出した書類や対面でのヒアリングによる審査では、売掛債権を買い取るか、手数料はいくらかなどをファクタリング会社から提案します。
金融機関の融資と違う点としては、ファクタリングの審査で最重要視されるのが売掛債権の信頼性だという点です。
融資の場合は個人の信用度が大きく審査結果を左右しますが、ファクタリングは会社の業績が悪くても、取引先が信用できる状態であれば契約を結ぶことができます。
審査時に手数料や買い取り額が判明しますので、納得ができたら契約へと進みます。
この際に、複数のファクタリング会社へ依頼していると手数料を比較できますので、相見積もりができる状況を作るためにも、一つに絞らずに複数社で申請を行いましょう。
どうしてもファクタリングの審査に通過しないと悩んでいる方は、ぜひ下記の記事もチェックしてみてください。
⇒ファクタリングの審査が通らない!審査落ちする9つの理由と3つの改善方法
ステップ5:契約・入金
ファクタリング契約のステップ5は『契約・入金』です。
審査結果に納得したら契約となりますので、ここで契約を締結しないことも可能です。実際に契約を結ぶまではいつでもキャンセルできるため、相見積もりを含めた複数社への依頼は同時進行で進めることをおすすめします。
契約を締結する際は必ず契約書が発行されるため、必ず隅から隅まで目を通して納得がいくまで読み込むようにしてください。
詳しくは後述しますが、ファクタリング契約ではファクタリング会社に有利になりすぎるような要件が盛り込まれているケースもありますので、必ず納得してから契約するようにしましょう。
注意点としては、専門用語ばかりを並べ立てる業者です。
わかりやすい言葉で契約の内容を話してくれる業者であれば、信頼して任せることができます。契約が完了した後は速やかに入金されますので、早急な資金調達が可能です。
ちなみに、入金スピードは2社間と3社間では違います。2社間ではファクタリング会社と利用者の2社間で契約できますが、3社間ではそこに取引先も加わるため、入金までのスピードは遅くなる傾向にあります。
ファクタリング契約を締結する際の注意点
最後に、ファクタリング契約締結時の注意点を紹介します。
適切な契約方法を選択する
ファクタリングには2種類の契約形態があります。
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
2社間と3社間のどちらをサービスとして提供しているかは事前調査の段階でわかるため、それぞれのメリットとデメリットを加味したうえで検討するようにしてください。
2社間は利用者とファクタリング会社の2社間で契約が締結される形態で、3社間はそこへ取引先が加わります。
2社間は早急な資金調達を実現できて取引先へ通知がいかないメリットがある一方で、手数料が高くなりやすいというデメリットがあります。
3社間は手数料が安く売掛金を入金する手間がないなどのメリットがある一方で、取引先へファクタリングの利用が通知されるデメリットがあります。
双方で違うメリットとデメリットがあるため、ファクタリングの利用を考えている方は、それぞれの特徴を押さえたうえで適切な契約形態を模索するようにしてください。
償還請求権の有無を確認する
ファクタリング契約を締結する際は、必ず償還請求権の有無をチェックしてください。
売掛債権をファクタリング会社へ売却した後に取引先が倒産したとします。償還請求権がある状態で契約を結ぶと、ファクタリング会社は利用者へ売掛金の支払いを請求できます。
しかし、償還請求権がなければ売掛金を請求されませんので、契約締結後は取引先が倒産しても一切のリスクがありません。
貸し倒れリスクがある売掛債権は審査の段階で落ちる可能性はありますが、それでも何がおきるかわかりません。不測の事態が起きた場合でもリスクが回避できるため、必ず償還請求権の有無は契約時にチェックするようにしましょう。
ちなみに、一般的なファクタリング会社ではノンリコース(償還請求権なし)で契約を締結することが可能です。
ノンリコースか否かは優良か悪質かを見極めるうえでも重要なので、必ず契約書を隅から隅まで読み、償還請求権の項目をチェックするようにしましょう。
複数会社で手数料を比較する
ファクタリング契約を締結する際は、必ず複数社で見積もりを取り手数料を比較してください。
前述したようにファクタリング会社の中には悪質業者が紛れ込んでいるため、手数料を比較しなければ高いのか低いのか判断できません。
ちなみに、一般的な手数料の相場は下記の通りです。
- 2社間ファクタリング⇒10~20%
- 3社間ファクタリング⇒1~9%
2社間の方が手数料の相場が高い理由は、取引先から直接売掛金を回収できない2社間の方が未回収リスクが高くなるからです。
一般的な相場はありますが、金融機関からの融資で金利が定められているのとは違い、ファクタリングの手数料は各会社が自由に設定できます。
そのため、法外に高い手数料のファクタリングを利用しないようにするためにも、複数社で見積もりを取りながら比較することが重要です。
まとめ
ファクタリングの契約の流れと注意点を紹介しました。
金融機関からの融資とは契約までの流れが大きく異なるファクタリングですが、売掛債権さえあれば誰でも利用できて即日現金化も可能という手軽さが魅力的な資金調達方法です。
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