2023-03-30
買掛金の計上漏れを防ぐ3つの方法を詳しく解説!
掛け取引を行っている企業が悩む課題として挙げられるのが、買掛金の計上漏れです。
掛け取引を行っている企業では数多くの領収書を取り扱うことになり、それだけでなく納品書や請求書など、類似した書類が数多く存在しています。
チェック漏れがあったり、そもそも管理が甘かったりすると計上漏れとなり、場合によっては脱税などの罪に問われることや、追加で税金を納めなくてはならないといったケースもあります。
そのため、買掛金を取り扱う際は細心の注意をはらい、またしっかりとした知識を身につけておかなければなりません。
今回の記事では、掛け取引をしていて買掛金の計上漏れについて気になっているという方向けに、買掛金の計上漏れをしてしまう原因や具体例、3つの対策について詳しく解説します。
買掛金の計上漏れについて詳しく解説
はじめに、買掛金の計上漏れとはどのような状況のことなのかについて詳しく解説します。
計上漏れとは
買掛金の計上漏れとは、掛け取引において、ある取引がなんらかの理由で処理されず、会計処理をされないままの状態になってしまったことを指します。
たとえば、掛け取引にて商品を100万円分仕入れたとして、その取引自体が記録されておらず、会計処理ができずに資産として反映されていない、といった形になります。
確認漏れがあった場合などに起きてしまう計上漏れですが、もし計上漏れがあった場合、通常よりも多い税金を納めなくてはならない可能性が出てきます。
脱税や隠蔽などの故意なものではなく単純なミスに該当するため、重加算税が課される可能性は極めて低いですが、なんらかの付帯税が課されるケースがあるため注意が必要です。
二重計上とは
一方で、計上漏れと相対的な意味を持つ二重計上というものもあります。
二重計上とは、文字通り二重に計上を行ってしまう処理のことを指しており、売上や経費など、同じ科目の同じ項目を2回計上してしまうことです。
確認作業を怠ってしまったり、別の人同士がそれぞれ同じ会計処理をしてしまうと二重計上が起こってしまう可能性があり、クレジットカードの領収書と売上票という、2つの書類が発生する処理でも二重計上は起こりやすくなります。
計上漏れとは反対の意味を持つ二重計上ですが、計上漏れと同様、場合によっては脱税を疑われてしまうケースもあるので注意が必要です。
買掛金が計上漏れしてしまう原因
次に、買掛金が計上漏れしてしまう原因について詳しく解説します。
単純なミス
買掛金が計上漏れしてしまう原因として挙げられるのが、単純なミスです。
この初歩的で単純なミスが、実は計上漏れを招いてしまう最も多い原因なのです。
勘定科目を間違えてしまったり、計算を間違ってしまう場合もありますが、すでに会計処理をしたものだと勘違いをしてしまう場合もあるのです。
また、領収書などを紛失してしまい、それに気づかずにそのままにしてしまうといった場合も計上漏れにつながってしまいます。
管理体制が適正でない
買掛金が計上漏れしてしまう原因として挙げられるのが、管理体制が適正でないという点です。
会計処理を担当している人が複数人いる場合、連携が取れていないと計上漏れや二重計上は頻発してしまいます。
また、チェックを怠っていたり、甘かったりする場合も計上漏れに気づくことは難しいでしょう。
1人で全ての作業を行うことも危険ですが、複数人が関わる処理に関しては、チェックなどの管理体制は徹底しなければいけません。
人間が行う作業になるため、ミスを0回に抑えるということはほとんど不可能でしょう。
そのため、誰かが犯してしまったミスを発見するためにも、管理体制は整えておかなければなりません。
管理体制が適正でない場合、そもそも管理しているとはいえない状況になってしまうため注意が必要です。
専門知識の欠如やマニュアルの不備
買掛金が計上漏れしてしまう原因として挙げられるのが、専門知識の欠如やマニュアルの不備です。
新入社員や経験の浅い社員の方に多いのがこのパターンで、そもそも会計処理を全て理解しておらず、買掛金と売掛金の処理を間違えてしまい、結果として計上漏れや二重計上になってしまいます。
また、作業の手順が明確になっていない場合も、ミスが起こりやすい状況になってしまうため、注意が必要です。
買掛金の計上漏れと二重計上の具体的な例を紹介
次に、買掛金の計上漏れをしてしまう具体的な例について詳しく解説します。
計算ミスをしてしまう場合
買掛金の計上漏れの具体例として挙げられるのが、計上ミスをしてしまう場合です。
企業が保有している在庫の数が多ければ多いほど、計算ミスの可能性は高くなってしいます。
自社製品ではあるが製造途中である仕掛品や貯蔵品に関しては、棚卸し品にカウントされずに放置されてしまいがちですが、これらも計上をする必要があります。
また、単純に在庫を数え間違えてしまう場合もあるため、注意が必要です。
自社以外の在庫を見逃してしまった場合
買掛金の計上漏れの具体例として挙げられるのが、自社以外の在庫を見逃してしまった場合です。
仕入れ先や外注先にある在庫を計上し忘れ、計上漏れになってしまうケースがあります。
仕入れ先や外注先に在庫があっても、所有権が自社であれば計上しなければならないというルールを知らずに計上していないといったケースがよくあるため、会計処理についてのルールはしっかりと理解しておかなければなりません。
また、仕入れ先が発送をしているのにまだ自社に届いておらず、発送中の商品に関しても在庫として計上しなければならないため、注意が必要です。
複数人で会計処理を行っていた場合
買掛金の計上漏れの具体例として挙げられるのが、複数人で会計処理を行っていた場合です。
複数人で会計処理を行い「この領収書は誰かが処理しただろう」というつもりでスルーしてしまい、結局誰も処理していないという場合、計上漏れになってしまうのです。
逆に、2人以上の方が同じ領収書の処理を行ってしまった場合は、二重計上となってしまいます。
複数人で会計処理を行う際は、必ず計上したかしていないかのチェックを行うように気をつけましょう。
請求書を再発行した場合
買掛金の二重計上の具体例として挙げられるのが、請求書を再発行した場合です。
企業の経理業務では、多くの領収書や請求書を取り扱うため、まれに紛失してしまったり、誤ってシュレッダーにかけてしまったりする場合があります。
そのような時、取引先にもう一度発行してもらうケースがあり、それから会計処理を行います。
会計処理を行った後、紛失した請求書が出てきて、処理済みであるのにも関わらず再度会計処理をしてしまうと、二重に計上したことになってしまうのです。
請求書を再発行して会計処理をした際は、二重計上をしないように注意しなければなりません。
類似書類を計上してしまう場合
買掛金の二重計上の具体例として挙げられるのが、類似した書類を計上してしまうという場合です。
企業間の取引では、請求書の他にも見積書や納品書など、さまざまな書類があります。
名称こそ異なりますが、それぞれの書類には取引が行われた商品や値段が記載されており、パッと見ただけではわからないケースもあります。
請求書と見間違えて納品書などを計上してしまい、さらに本物の請求書を計上した場合、こちらも二重計上となってしまいます。
取引にはさまざまな書類が存在しているため、請求書以外を計上してしまわないように注意しなければなりません。
買掛金の計上漏れを防ぐ3つの方法
次に、買掛金の計上漏れを防ぐ方法を3つ紹介します。
管理体制の見直し
買掛金の計上漏れを防ぐ方法として挙げられるのが、管理体制を見直すという点です。
買掛金の計上漏れをしてしまう理由として最も多いのが単純なミスとなります。
ミスを0にすることが1番の理想ではありますが、完全に0にすることはほぼ不可能といっても良いでしょう。
そのため、ミスにいちはやく気付けるような管理体制を整えておくことが、計上漏れを防ぐ最も有効な方法なのです。
複数人でダブルチェックをするといったルールを作ったり、1人でやるとしても何度か見直しをするなどして、少しでも早くミスに気づけるようにすると良いでしょう。
請求書などに番号をつけて保管する
買掛金の計上漏れを防ぐ方法として挙げられるのが、請求書などに番号をつけて保管するという点です。
多くの請求書を取り扱う経理業務では、さまざまな取引で発生した請求書を一度に処理しなくてはならないケースもあります。
掛け取引では、同じ取引を繰り返し行うといったことも少なくないため、金額が同じ請求書が何枚も発生することにもなります。
その場合、日付が違うだけで他は同じ請求書となるため、計上漏れや二重計上の可能性が高くなってしまいます。
請求書に番号をつけて保管をしておくことでどの請求書かが見やすくなるため、計上漏れや二重計上のリスクは減らせるでしょう。
売掛金と買掛金の照合を定期的に行う
買掛金の計上漏れを防ぐ方法として挙げられるのが、売掛金と買掛金の照合を定期的に行うという点です。
掛け取引には買掛金と売掛金という2つのお金が発生します。
似ている両者ですが、意味は全く異なるお金で、会計処理上も意味は異なります。
買掛金の計上漏れをしてしまう原因として、売掛金と間違えてしまうということもまれにあるため、買掛金と売掛金の照合を定期的に行うと良いでしょう。
売掛金と買掛金の照合を行うことで、未回収のリスクを減らすことにも繋がるため、掛け取引を行っている企業はぜひ試してみてください。
まとめ
買掛金の会計処理では、単純な計算ミスや見間違いなどをしてしまうだけで計上漏れや二重計上を起こしてしまいます。
複数人によるダブルチェックや管理体制の見直しなどの対策を打つことでそれらは防ぐことができるため、掛け取引を行っている企業はぜひ参考にしてみてください。
また、売掛金や買掛金を取り扱う企業では、売掛金の未回収リスクなど他の問題にも気をつけなければなりません。
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