• HOME
  • コラム
  • ファクタリングの歴史とは?日本や海外の歴史や日本で広まった理由を解説

2023-05-25

ファクタリングの歴史とは?日本や海外の歴史や日本で広まった理由を解説

近年、企業の資金調達手段の1つとして「ファクタリング」という言葉が注目されています。

しかし、その仕組みや成り立ちについて、十分な知識がないために不信感を抱く人も多いかもしれません。

そこで本記事では、ファクタリングの歴史について紹介します。

ファクタリングの歴史を知ることで、その信頼性やメリットについても理解が深まり、より安心して活用することができるでしょう。

世界のファクタリングの歴史

ファクタリング 歴史

実はファクタリングの歴史はとても古く、発祥をたどると何と古代メソポタミア文明にまでさかのぼります。
ここでは、世界のファクタリングの歴史について、原型から20世紀までを7つに区切って解説します。

原型

諸説ありますが、約3800年前に古代メソポタミアの地で、タムカルムと呼ばれたトレーダーが商取引にファクタリングの仕組みを取り入れたのが原型とされています。

14世紀〜16世紀

現代的なファクタリングのルーツは、14世紀にイギリスで始まった「前払いシステム」であると考えられています。

当時、イギリスでは荷販売を仲介する「ファクター」と呼ばれる代理人が、商人に現金の前払いをすることで取引をスムーズに行えるようにしていました。

「ファクタリング (factoring)」という言葉は、この「ファクター (factor)」に由来しています。

また、この頃すでにユダヤ人のビジネスマンが、請求書を使用して輸出業者に資金を貸していたとも言われています。

17世紀

17世紀になると、イギリスからアメリカ大陸に移住した人々が、イギリスに輸出したタバコや綿などの原料に前払いを求めるようになりました。

そこで、イギリスの銀行商業家がアメリカの商人に対して、請求書を用いた売掛金担保融資を提供するようになり、請求書を信用の担保とした「インボイスファクタリング」が確立されました。

ただし、当時は支払いを保証する制度としての役割が強く、現代のファクタリングとは少し異なっていたと考えられています。

18世紀

この頃からファクターは仲介人としてだけでなく、委託された品物の保管や販売、そして代金の前払いを担保するための信用調査も行うようになったとされます

このように信用調査が加わることで取引相手の信用が高まり、企業は設備投資に積極的になるとともに、生産力が向上することで経済成長につながっていくようになりました。

19世紀

産業革命が起こり、イギリスがアメリカに大量の工業製品を輸出するようになった18世紀末から、現代のファクタリングに近い形態が広がっていきました。

この時代には、売掛債権を担保に代金の前払いが行われ、債権の早期現金化サービスが確立しました

また、この頃には、信用力の高い企業がファクタリングを活用するようになり、ファクタリングは金融サービスとして普及していきました。

20世紀

20世紀に入りイギリスからアメリカへの輸出が低迷するに従ってファクターの販売代理機能はなくなっていき、ファクターは信用調査と資金提供に機能を集約するようになります。

その後、ファクタリングの需要の高まりとともに、銀行がファクタリングを提供するようになり、現代のものに近い形で運用されるようになりました

初期のアメリカのファクターはそれぞれ独立したものでしたが、1970年代までには多くのファクターが銀行に吸収され、ファクタリングだけでなく金融サービスを提供する大規模な金融機関へと成長しました。

そしてアメリカからファクタリングが伝わったヨーロッパでもファクターと銀行の提携が進み、現在ヨーロッパで主要な銀行のほとんどはファクタリングを行っています。

日本のファクタリングの歴史

ここまでは、世界のファクタリングの歴史を14世紀からさかのぼりました。

世界のファクタリングの歴史が数百年に及ぶ一方、日本のファクタリングの歴史は浅く、初めて登場したのは1970年代です

ここでは、日本におけるファクタリングの歴史を、3つの年代に分けて解説します。

1970年代

日本国内で初めてファクタリングが登場したのは1970年代です。しかし、ファクタリングが認知・利用されたのは、ごく一部の業界に限られます。大半の業界ではファクタリングが軽視され、普及には至りませんでした。

ファクタリングが普及しなかった理由は、江戸時代から続いてきた日本ならではの商習慣にあります。江戸時代から近年まで、日本では主に手形取引が行われていました。手形とは、代金の支払いを約束した証券の一種です。手形は、支払い期日前に銀行で手続きを行い、「手形割引」により現金化していました。

手形割引とは、将来受け取る予定の手形を銀行側が買い取る仕組みです。銀行は、一定の手数料を差し引いた金額を利用者に支払います。手形割引の手順を見てみましょう。

  1. 商品やサービスの提供後、顧客から手形を受け取る
  2. 手形を受け取った人が、銀行で手形割引を申し込む
  3. 銀行による審査が行われる
  4. 手形の額面から割引料を差し引いた金額が入金される
  5. 振出人が銀行に手形額面の全額を支払う

この仕組みは、現代のファクタリングとほとんど変わりません。しかし、1970年代は現在と比較してさらに大手銀行の信頼性が高く、手形割引がもっとも安全な資金調達方法と考えられていました

1990年代

1990年代に差し掛かると、バブル崩壊により、それまで一般的だった手形取引が減少します。企業が倒産すると、倒産した企業が発行した手形は不渡りになり、現金化できません。企業側と銀行側の双方が、次のような悪循環を警戒し、手形割引を避けるようになります。

  1. 利用者から売掛債権を買い取る
  2. 売掛先が不渡りを起こし、売掛債権を回収できなくなる
  3. 支払い不能に陥った企業が倒産する悪循環が発生する

そんな中、1998年の法改正により誕生したのが「債権譲渡特例法」です。これは、債権譲渡の対抗要件を簡素化するものであり、譲渡通知の代わりに登記が可能になりました。結果として、売掛先に通知せず債権を譲渡できる「2社間ファクタリング」が可能になり、ファクタリングが注目を浴びることとなります。

2000年代

2000年代に突入すると、日本国内で金融関連法の制定・改正が進み、さらにファクタリングが一般化します。具体例が債権譲渡登記制度の改正や「新会社法」の施行、そして2020年の債権法改正です。

債権譲渡登記制度の改正では、先述した債権譲渡特例法の帰省が緩和され、より簡便な債権譲渡取引が可能になりました。2006年の新会社法では、いわゆる「1円会社」や合同会社の設立が認められ、実質的に資本金ゼロ円で会社を設立できるよう法改正されています

ファクタリングにおいて、特に大きな転換点となったのは債権法改正です。債権法の改正にあたり、債権譲渡特約が撤廃され、さらに将来債権が明文化されます。これにより、注文書や発注書のファクタリングが可能になり、ファクタリングが活用される範囲が拡大されたのです。

日本ではなぜファクタリングが定着しなかったのか

ファクタリング 歴史

海外では古い歴史を持つにもかかわらず、ファクタリングが日本でなかなか浸透しなかったのはなぜなのでしょうか。

以下の点が、日本でファクタリングが定着しなかった理由として挙げられます。

当時は手形取引が主流だった

1970年の日本では、現金取引よりも手形での契約が主な決済方法であり、手形割引も一般的に行われていました。

ファクタリングは手形取引と目的がかぶることから、あまり注目を集めなかったようです。

しかし、1991年のバブル崩壊により経済が後退すると、多くの企業が倒産するようになり、その企業が発行していた手形も不渡りとなります。

そして、手形の不渡りを介して企業の連鎖倒産が相次ぐようになると、手形の発行は一気に下火になりました

ファクタリングを利用すると信用性を欠くというイメージ

日本では売掛債権の譲渡が信用低下を招くというイメージがあったことも、ファクタリングが事業者に浸透しなかった理由の1つのようです。

ただし、これは世界的なトレンドには反しており、実際にはそのような懸念には根拠がありません。

日本でもファクタリングが広まった理由

ファクタリング 歴史

21世紀以降になると、日本国内でもファクタリングが加速度的に広まっていきます。

その理由として、特に以下の3点を解説します。

インターネットの普及

インターネットの急速な普及により、決済手段が多様化しました。

過去のファクタリングは対面や郵送で契約書を交換して行うのが一般的でした。しかし、現在は電子契約書による取引が可能になり、物理的な距離に関係なくファクタリングを行えます

企業間の支払いやファクタリングの申請から契約までネット上で完結できるようになった点が、ファクタリングが広まった要因の一つです。

法律の改正

2000年代に入ると、法改正により手続きが簡略化され、債権の譲渡取引がしやすくなります。

売掛債権が持つ財産的価値が再認識され、ファクタリングはビジネス関係者の間で認知度が高まりました。

また、ファクタリング業者も多様なサービスを提供するようになり、顧客ニーズに合わせた柔軟な取引が可能となりました。

法改正と業者のサービス改善も、ファクタリングが一般化した要因の一つです。

商工ローンの社会問題化

商工ローンとは、現在のノンバンクのビジネスローンに相当するもので、高い金利で融資を行い、結果的に経営が悪化した事業者を倒産に追い込むケースが多発しました。

この際に行われる過度な取り立てや経営者による自己破産の発生が社会問題として取り上げられ、「ノンバンクからの融資は危険」との認識が広がります。そこで、代替手段として普及したのがファクタリングです。

ファクタリングのこれから

ファクタリング 歴史

ファクタリングは長い歴史を持ち、日本でも利用される機会が増えています。

近年では、「流動資産による資金調達を活性化していく必要があり、この課題に早急に取り組まなければならない」として、政府もファクタリングの利用を推進しています。

具体的には、債権譲渡禁止特約の規制解除や、ファクタリングが正当な資金調達の手段であることを周知する施策が行われています

ファクタリングのこれからはどうなるのか見てみましょう。

民間のファクタリング会社の増加

近年は金融機関以外のファクタリング会社が参入し、その数は年々増えています。

インターネットの普及により、全国でファクタリングが可能になり、「オンライン完結型」や「即日現金化」を掲げる会社が続々と登場しました。これにより、業者間の競争も激化しています。

ファクタリング会社の増加によって、ファクタリングサービスはビジネスローンと同等の認知度を得つつあります。今後はますます多くの企業や個人事業主に利用されるようになるでしょう。

2社間ファクタリングの割合増加

ファクタリングは売上や財務状況が悪くても利用できます。

さらに、2社間ファクタリングであれば取引先に対してファクタリングを通知する必要がなく、資金繰りの悪化を勘繰られる心配がありません

今後は、企業にとって利便性が高い2社間ファクタリングが主流になると予想されます。取引先との良好な関係を維持しつつ、必要なタイミングで売掛債権を現金化できるファクタリングの利用件数は、今後ますます増えるでしょう。

まとめ

この記事では、ファクタリングの歴史と現在、そして未来の動向へ焦点を当ててきました。

まだ国内での認知度が高いとは言えないかもしれませんが、ファクタリングはさまざまなビジネスシーンで活用できる有用な資金調達法です。

まだ営業実績がない企業でも利用でき、担保や保証人不要で売掛債権を売却できるので、銀行の融資枠を温存しておきたい場合などにもファクタリングは有効です。

ファクタリングは古い歴史を持つ方法ですが、その特性である迅速性や確実性は時代にマッチした資金調達の手段として、今後もますます重要な役割を果たしていくことでしょう。

オンライン完結型の売掛金前払いサービス『QuQuMo』では、償還請求権のないノンリコース契約を提供しており、売却できる売掛債権の金額には下限も上限もありません。

業界トップクラスの1%からという低い手数料、現金化まで最短2時間と、柔軟な資金調達ができる『QuQuMo』のファクタリングにご興味を持たれた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

新規登録はこちら!

  • 【監修者】鈴木 孝明(すずき たかあき)

  • 税理士 [登録番号:142076]/すずき会計事務所 代表

    20代で税理士試験に合格後、国内の税理士事務所に勤務。その後、独立し「すずき会計事務所」を開業。
    中小企業・個人事業主様を中心に、税務・会計支援を行っており、ファクタリングを含む資金繰り支援に関する実務経験も豊富。

  • すずき会計事務所のプロフィール