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2024-06-28

ファクタリングと融資違いとは?メリットとデメリットもご紹介

ファクタリングは、本来売掛金が入ってくる期日まで待たずに買い取ってもらうため、銀行で融資をしてもらうのと同じものだと感じている方も多いのではないでしょうか。
一見似ているように見えますが、ファクタリングと融資は違います。
こちらの記事では、ファクタリングと融資の違いはどの点か、それぞれのメリットやデメリットについてご紹介します。

■融資とは何か

融資とは、金融機関から必要なお金を借りることを指します。
企業を運営していく中で、金融機関が融資を受ける機会は多いでしょう。
大きな注文を受ける際にも、まず作るための仕入れのコストを準備しなければなりません。
自社に潤沢な予算があれば問題ありませんが、起業したばかりやさまざまな費用がかかっていて手元にお金がない場合は、融資を受けなければ厳しくなります。
どの企業でもこれまでに一度は利用した経験があるのではないでしょうか。
中には、受けたいと思っても審査で落とされてしまい、資金繰りにピンチを迎えた企業もあるかもしれません。
その際に役立つのがファクタリングです。

・融資には2種類ある

融資を受ける際には、公的融資と民間融資の2種類があります。
公的融資の場合は、国や自治体からお金の借り入れができ、必要な資金を支援してくれます。
特に起業したばかりは信用を得るのが難しいため、民間融資が受けられなかった企業が利用する場合も多いです。
対して民間融資は、全国に展開している大手から地元に根付いている金融機関をはじめとした民間の銀行や信用金庫などが融資をしてくれます。
さまざまな種類があり、信用があるとみなされると担保なしで融資が受けられる場合もあります。

■ファクタリングとは何か

ファクタリングとは、取引先の売掛金を、期日を待たずにファクタリング会社に買い取ってもらい資金化することです。
本来すぐに売上金としてお金が欲しいところですが、取引先にも事情があり、すぐに支払いができない場合もあります。
すると、数ヶ月先の支払いになってしまうことも多く、本来そのお金があれば資金繰りがうまくいくにもかかわらず、上手に回らなくなってしまうのです。
ファクタリングを上手に活用できれば、資金繰りの改善に役立ちます。

・ファクタリングには買取型と保証型がある

売掛金を資金にしたいと思ったら、ファクタリング会社にお願いすれば買い取ってもらえます。
この場合、2社間と3社間に分かれ、やり方も変わってきます。
2社間の場合は取引先に知られることなく手続きができ、早ければその日のうちに現金にすることも可能です。
審査では取引先が見られていますが、万が一不安を感じるような場合は手数料が割高になるか断られてしまう可能性もあります。
3社間になると取引先も交えての話し合いになるため、手数料も安く抑えられるケースが多いです。
しかし、2社間と同じようにあまり信用がないと思われてしまうと、手数料が高くなります。
ファクタリングを利用しようと思っている企業の中には、万が一取引先が倒産してしまったら不安だと感じている場合もあるのではないでしょうか。
すべての資金が入ってこないとなると、自社の存続も危なくなってしまうでしょう。
この場合、保証型を利用できれば、万が一倒産してしまい売掛金の回収ができなくなっても保証会社に保証金を払ってもらえます。
期日まで待つことに不安な場合は上手に活用しましょう。

■ファクタリングと融資はどんな点が違う?

ファクタリングと融資は足りない資金を調達する点では一緒ですが、しっかりと内容を見ていくと違う点も多いです。
ここからは、ファクタリングと融資にはどんな違いがあるのか、詳しくご紹介します。

・審査の基準

融資を受ける際は、審査で自社の経営状況を細かく見られます。
過去に自己破産や債務整理をしてブラックリストに記載されていないかや返済能力があるかどうか審査されます。
自社のことだけでなく個人資産がどの程度あるのか、担保も設定できるかどうかなどもチェックされているため、審査を突破するためにはハードルが高いです。
あまり自社の資金繰りが良い状況ではなくお金に困っている場合、審査落ちする可能性があります。
一方で、ファクタリングを活用する場合は、売掛先の信用度を重視してくれるので、自社がブラックリストに載っているか、資金繰りが苦しいなどの状況はさほど見ていません。
万が一自社が苦しい状況であっても、取引先がしっかりと安定した企業であればスムーズに審査は通ります。
特に、上場企業や国など信用度が高い企業だと判断されれば、前倒しで資金を調達するのは容易です。
自社の資金繰りに不安を感じている場合でも利用しやすいでしょう。

・現金を手に入れるまでの期間

金融機関で審査を受けようと思うと厳しく見られてしまうので、その分期間もかかってしまいます。
自社の経営状況や信用度を細かく審査し、どんなに早く結果を出せたとしても1週間以上はかかると言われています。
もし気になる点があり、もっと調べられることがあれば、数ヶ月かかってしまう可能性もあるのです。
早く資金が欲しいにもかかわらず、待たされているうちに倒産の危機を迎えてしまうかもしれません。
ファクタリングの場合は、審査はあるものの金融機関程厳しくはないため安心です。
どの業者を利用するかにもよってある程度厳しく見られてしまうケースもありますが、たいていはそこまで厳密に見ていません。
すでに取引済みの売掛債権を買い取るだけですので、取引先の信用度が高ければすぐに結果が出ます。
中には、1時間あればすぐに結果が出る場合もあり、資金も早く手にできます。
ただし、3社間で行う場合は取引先への承諾を得なければならず、2社間で行うよりは期間を要することも覚えておきましょう。

・資金の調達ができる上限

どの程度資金が必要かにもよりますが、ファクタリングの場合は売却する売掛金が上限になるため、それ以上に資金の調達をするのは難しくなります。
どうしてもそれ以上のお金が必要な場合は、別の方法を考えなければいけません。
さらに、ファクタリングを利用した場合、売掛金のすべてをそのまま手に入れることは難しく、手数料が引かれてしまいます。
万が一取引先が不安定な場合は、高い手数料がかかる場合もあり、手元にくる現金は少なくなります。
金融機関を利用した場合は支払能力に応じて異なりますが、希望の金額を融資してもらえる可能性が高いです。
軌道に乗っていて信用が得られると判断されれば、希望額以上に借り入れができる場合もあります。
借り入れの幅もファクタリングのように狭い範囲ではなく、上限が数十億円まで借りることも可能です。

・利用後の返済期間

ファクタリングの場合は借り入れをするわけではないため、取引先から自社へ向けて入金されたらすぐ返済すれば問題ありません。
すぐといっても必ず当日でなければならないわけではなく、入金後10~20日の猶予があります。
ただし、猶予を設けているにもかかわらず、その期間が過ぎても入ってきた売掛金を入れないようなことがあれば大問題になります。
入金を確認したら、必ずすぐにお金を入れるようにしましょう。
融資の場合は、ある程度大きな金額を借り入れることとなるケースが多く何年にもわたって支払いをしなければなりません。
数十万円であれば数ヶ月の返済で済むかもしれませんが、何百万円や何千万円など借り入れした時には何十年も返済がかかってしまうでしょう。
支払いが多く大変だから長期にしてほしいと思っても、審査結果によって希望通り通らない場合もあります。

・かかってくる費用の違い

ファクタリングを利用する場合は、必ず手数料がかかってきます。
少しでも安くしたいと考えているならば3社間が有利です。
取引先にはファクタリングを利用すると知らせなければなりませんが、安く済ませることが可能です。
ただ、あまり取引先にファクタリングをしていると知られたくない場合は2社間を利用するしかありません。
この場合は、割高な手数料が取られます。
本来入ってくるはずだった売掛金から引かれてしまうので、手元に残る現金が少なく感じてしまうかもしれません。
融資の場合は、金利によって費用が変わってきます。
信頼できる企業だと金融機関がジャッジすれば、金利は安くなる傾向にあります。
逆にまだ取引をした経験もなく企業としての信用がない場合は、金利が高くなるため注意が必要です。
返済期間と金利を計算してみると、元金よりも結構高い金額を返済しなければならない可能性もあります。

・追加で資金を調達できるかどうか

ファクタリングを利用する場合、新たに売掛金があり早く現金にしたいと思ったら追加で申し込みは可能です。
ただし、売掛金がある場合のみで、何もなく借り入れしたいと思ってもできません。
金融機関を利用する際の審査の状況がよくもっと借り入れしてもらっても、良さそうだと感じる企業であれば追加融資が可能です。
しかし、審査状況から見てもギリギリな金額だろうと思われてしまうと、追加での融資は難しくなってしまうでしょう。

・負債となるかどうか

一見、ファクタリングは本来入金されるまで待たずに現金化してしまうため、負債に見えてしまうかもしれません。
実際には、売り上げたものに対して入ってくるお金なのですので、負債として計上されません。
経営の見栄えも良くなるでしょう。
金融機関に融資をお願いして借り入れした場合は、会計上負債となります。
一般的には、資金が足りずに借金をしていると見られてしまいます。
お金が必要だからと継続的に融資を使ってしまうと、次に借り入れしたいと思っても不利に働くので注意が必要です。

・ファクタリングの3社間は相手の承諾が必要

ファクタリングでも2社間であれば、取引先に秘密にしながら申し込みができます。
しかし、3社間となるとどうしても承諾が必要です。
拒否されてしまったら利用できません。
金融機関からの融資の場合は、取引先をはじめどこかの企業が関わってくることはありません。
自社だけが関わるため、どこかに承諾を得ないと利用できないこともなく安心です。

■ファクタリングを活用するメリット

ファクタリングは、融資に比べて素早く資金化できるためおすすめです。
少しでも費用がほしいと思っている時は急いでいる場合が多いのではないでしょうか。
審査が思うようにいかないと、数ヶ月も待たされてしまってその間ずっと資金繰りに困ってしまい、ほかの手段も考えなければなりません。
ファクタリングを利用して2社間で申し込みをすれば、取引先に知られることなく早ければ即日でお金を手にできます。
特にオンラインでの手続きは早くおすすめです。
自社がブラックリストに載っていてピンチな時も、問題なくファクタリングを利用できます。
融資を受ける時とは違い、信用情報を重視していません。
取引先が安心で安定している企業だとわかれば、スムーズに現金を手にできます。

■ファクタリングを活用するデメリット

審査される項目も少なく素早く現金化もできるためおすすめですが、手数料が割高になります。
ファクタリング会社でも儲けを取らなければいけないため、どうしてもかかる費用です。
少しでも手数料を安くしたい場合は3社間を利用すると良いのですが、こちらも取引先に伝え承諾を足らなければならないデメリットがあります。

■融資を受けるメリット

資金繰り

融資の契約をする際、特に取引先へ知らせる必要はありません。
自社と金融機関で決められますので、ファクタリングの3社間のような手間もありません。
借り入れする金額によりますが、高額になってくると金利も低くなります。
ある程度まとまった金額の借り入れの際、返済の負担を少し抑えられるでしょう。
さらに、費用がある程度必要な時、審査に通過できれば高額の借り入れも可能です。
ファクタリングと違い、売掛金の中でしか現金にできないと決まっていないため、本当に必要な金額の申し込みができます。

■融資を受けるデメリット

必要な金額を申し込みしたとしても、審査で落とされるケースは多いです。
特に開業して間もない企業の場合は、融資することへ不安に感じられてしまい、思ったような金額を借りられずに終わってしまいます。
審査にも時間をかけて厳しくチェックする分、資金調達にも数週間から数ヶ月かかります。
早く資金がほしい時には困ってしまうでしょう。

■まとめ

ファクタリングは借金ではないため、企業としての見栄えが良くなります。
さらに、申し込みしてから即日でお金を手にできる場合も多いため、資金繰りもいち早く立て直すことが可能です。
万が一自社の状況が芳しくなくても、取引先に問題がなければ審査に通りやすい点も魅力でしょう。
ただ、ファクタリングでは売掛金が上限となるため、それ以上にお金が必要な場合は融資も検討する必要があります。
ファクタリングと融資の違いを知り、上手に活用してみてください。