2024-12-20
源泉所得税の納付期限を過ぎてしまったら?手順や猶予制度についても解説

源泉所得税の納付期限を過ぎた場合には、原則として金銭的なペナルティが課せられます。しかし、速やかに対処すればペナルティの一部が減免される可能性もあるため、一日でも早く納付を済ませることが大切です。
本記事では、源泉所得税の納付期限を過ぎた場合の対応方法や注意点について解説します。資金繰りが苦しいときに活用できる「猶予制度」についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも源泉所得税とは?

源泉所得税とは、給与や報酬から天引き(源泉徴収)して納める所得税のことです。従業員を雇用している会社または個人事業者は、給与や報酬を支払う際に所得税を天引きし、従業員に代わって国に納付する必要があります。
また、源泉所得税は特例を除き、月に一度納付しなければなりません。納付期限を一日でも過ぎてしまうと、「不納付加算税」や「延滞税」といったペナルティの対象となるので注意が必要です。
ちなみに、給与や報酬などを支払う際に所得税を徴収し、国に納付する義務がある方のことを「源泉徴収義務者」といいます。従業員を雇用して給与を支払っている会社や個人事業主をはじめ、社団法人・協同組合・学校なども源泉徴収義務者に該当します。
所得税との違い
源泉所得税と所得税の違いとして、納税の義務者・方法・期限などが挙げられます。詳細は以下のとおりです。
| 項目 | 源泉所得税 | 所得税 |
|---|---|---|
| 納税義務者 | 給与や報酬の支払者 | 所得を得た個人本人 |
| 納税方法 | 給与などの支払者が源泉徴収を行い、従業員に代わって国に納付する | 所得を得た個人が確定申告を行い、自ら国に納付する |
| 納付期限 | 原則として給与などを支払った月の翌月10日まで | 原則として所得を得た翌年の3月15日まで(確定申告の提出期限まで) |
いずれも個人の所得に対して課される国税であり、同じ税目(所得税)に分類される税金です。そのうち、事業者が源泉徴収で納める所得税のことを「源泉所得税」といいます。
源泉所得税の納付期限は毎月10日

源泉所得税の納付期限は、給与などを支払った月の翌月10日までです。つまり、源泉徴収によって所得税を納める場合は、毎月10日までに納付する必要があります。納付手順について詳しく知りたい方は『源泉所得税の納付手順』をご覧ください。
「納期の特例」で半年1回のまとめの納付が可能
給与を支払う対象者が常時9人以下の事業者については、源泉所得税を半年ごとにまとめて納付することが可能です。この制度を「納期の特例」といいます。納期の特例を受けた場合の納付期限は以下のとおりです。
<納期の特例を受けた場合の納付期限>
- 前期(1〜6月分)…7月10日まで
- 後期(7〜12月分)…翌年1月20日まで
なお、納期の特例を受けるためには、所轄の税務署に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出する必要があります。
納期の特例のメリット
納期の特例を利用すれば、毎月行う必要がある源泉所得税の納付手続きを年2回に減らすことができます。これにより、税務業務の負担を軽くしたり、滞納によるペナルティのリスクを抑えたりすることが可能です。
納期の特例のデメリット
納期の特例を受けた場合、一度に納める金額が大きくなるため、資金負担が重くなる可能性があります。資金負担が重くなるということは、資金繰りの悪化リスクが高まるということです。このような状況を避けるためには、源泉徴収した所得税を適切に管理する必要があります。
源泉所得税の納付期限を過ぎてしまったら?

源泉所得税の納付期限を過ぎた場合、従業員に迷惑をかけることになります。なぜなら、従業員は源泉所得税が納付されなければ、還付申告書を提出しても還付金を受け取ることができないからです。
また、取引先などに「納税が遅れている(資金繰りが悪化している)」という事実が伝わると、信用問題につながるおそれがあります。もし事務的なミスや資金繰りの悪化などで納付期限を過ぎてしまった場合は、できるだけ早く納付することが大切です。
上記に加えて、源泉所得税の納付期限を過ぎた場合、「不納付加算税」や「延滞税」といったペナルティが課せられる可能性があります。この機会にペナルティの内容についても確認しておきましょう。
不納付加算税が課される
不納付加算税とは、源泉所得税の納付期限が過ぎた場合に課される税金の一つです。このペナルティが課された場合、納付すべき税額の10%を追加納付しなければなりません。
ただし、税務署から指摘される前(自主的)に納付すれば、税率が5%に軽減されます。もし源泉所得税の納付期限を過ぎてしまったら、できるだけ早く納付するようにしましょう。
なお、以下の条件に当てはまる法人・個人については、不納付加算税の対象外となります。
<不納付加算税が課されないケース>
- 自主的に納付している
- 納付期限から1ヶ月以内に納付している
- 過去1年以内に納付漏れがない
- 加算税額が5,000円未満である
延滞税が課される
源泉所得税の納付が遅れると、不納付加算税だけではなく、延滞税も課されるので注意が必要です。このペナルティにおける納付額は、法定納期限の翌日から納付する日までの日数と、その年の年利によって算出されます。
延滞税に関しては、単なる納付忘れや一時的な資金不足では免除されません。さらに未納付の状態が長くなるほど追加で納める金額が増えていくため、速やかに対処することが大切です。
滞納処分を受ける可能性もある
源泉所得税の納付が遅れた場合には、税務署から督促状が送付されます。そこに記載されている期日までに不納付加算税や延滞税も含めて納付できなければ、財産の差し押さえなど滞納処分を受けることもあるので要注意です。
銀行口座や不動産、売掛金などが差し押さえられると、その影響で事業停止に追い込まれる可能性もあります。源泉所得税の滞納はより深刻な事態を招く要因となるため、もし納付が困難な状況にある場合は、早めに税務署に相談するのが賢明です。
源泉所得税の納付手順

ここからは、源泉所得税の納付手順について解説していきます。基本的な流れは以下のとおりです。
<源泉所得税の納付手順>
それでは、各ステップについて詳しく見ていきましょう。
①源泉所得税額を計算する
まずは納付すべき源泉所得税の金額を計算します。源泉所得税の計算方法は「所得の種類(給与かそれ以外か)」によって異なるため、それぞれに合った方法で計算するようにしてください。
例えば、給与所得に対する源泉徴収税額は、国税庁が毎年発表する「源泉徴収税額表」をもとに算出します。大まかな流れは以下のとおりです。
<源泉所得税額を計算方法(給与所得の場合)>
- 従業員に支払う給与の総額(課税支給額)を算出する
- 課税支給額から社会保険料などを差し引く
- 源泉徴収税額表を用いて税額を算出する
ちなみに、給与所得の源泉徴収税額表は「月額表」と「日額表」の2種類に分けられます。月額表は月払いの場合に使うもの、日額表は日払い・週払いの場合に使うものと覚えておくと良いでしょう。
②納付書を作成する
次に、源泉所得税を納めるために必要な納付書(所得税徴収高計算書)を作成します。納付書は年末調整の時期に税務署から送付されますが、同機関または金融機関の窓口にて受け取ることも可能です。
なお、所得の種類によって納付書と記入項目が異なるので注意しましょう。今回は、給与所得における主な記入項目をご紹介します。
<納付書の主な記入項目(給与所得の場合)>
- 税務署名
- 整理番号
- 支払年月日
- 人員
- 本税(源泉所得税の合計額)
- 納付等の区分
税務署名や整理番号など一部の項目に関しては、すでに印刷されている場合があります。その場合、改めて記入する必要はありません。
また、源泉所得税をe-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用して納付する場合、紙の納付書の作成は不要です。
③納付方法を決めて納付する
最後に、所定の方法で源泉所得税を納付します。最もスタンダードな方法は「税務署での現金納付」です。所轄の税務署の窓口に納付書を持参すれば、源泉所得税を現金にて納めることができます。
また、源泉所得税の納付は次のような場所で行うことも可能です。
<源泉所得税の主な納付場所>
- 税務署
- 銀行・郵便局
- e-tax(インターネット上)
- コンビニエンスストア
以下では、税務署以外での納付方法について簡単にご紹介します。
銀行・郵便局
銀行や郵便局の窓口でも源泉所得税の納付を受け付けています。税務署での現金納付と同様に、窓口に納付書を持参すれば、源泉所得税を現金にて納めることが可能です。
e-Tax
e-Taxとは、国税に関する手続きをインターネット経由で行えるシステムのことです。このシステムを利用すれば、簡単に納付書の作成や源泉所得税の納付を行えます。
また、e-Taxでは「口座振替」「クレジットカード払い」「スマホアプリ納付」などさまざまな納付方法が選択可能です。非常に便利なシステムですが、e-Taxを利用するには開始届出書を提出し、納税者識別番号を取得する必要があります。
コンビニエンスストア
税務署が発行するバーコード付納付書、もしくは国税庁のホームページで作成できるQRコードを持参すれば、コンビニエンスストアでの現金納付も可能です。税務署や金融機関が近くにない場合は、コンビニ納付の利用も検討してみると良いでしょう。
やむを得ない事情がある場合は猶予制度の申請ができる
災害や病気などのやむを得ない事情により、源泉所得税(国税)を納付することが難しい場合は猶予制度の申請ができます。そして税務署長などにおいて「やむを得ない事情がある」と認められた場合には、換価・納税の猶予を受けることが可能です。
なお、猶予を受けることができる期間は、原則として1年以内とされています。加えて、猶予を受けた国税は、原則として猶予期間中の各月に分割して納付しなくてはなりません。
猶予制度はあくまで支払いの先送り(猶予)であり、支払い義務そのものが免除されるわけではないため、その点にはご注意ください。
現金の調達手段としてファクタリングも検討しよう

先述したように、猶予制度の適用を受けても、猶予期間中の分納が必要となります。そのため、猶予期間を乗り切るには分納するための資金を準備しなくてはなりません。手元資金がほとんどなく、すぐに資金を調達したい場合は、ファクタリングを利用するのも一案です。
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却することで、支払期日よりも前に現金化できるサービスを指します。主な利用対象者は売掛債権を保有する法人ですが、近年では個人事業主・フリーランス向けのサービスも増えており、個人で活動している方も気軽に利用できるようになりました。
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|---|---|
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| 買取対象 | 売掛金(売掛債権) |
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上記に加えて、業界最安水準の手数料を実現している点も大きな特徴です。多くの資金を手元に残すことができるため、納税のための資金確保において心強い味方となってくれるでしょう。
まとめ
源泉所得税の納付期限を過ぎた場合、不納付加算税や延滞税が課せられます。さらに未納付の状態が続けば、財産の差し押さえなど滞納処分を受けることもあるので注意が必要です。
源泉所得税の納付が難しい場合には、税務署に換価の猶予や納税の猶予を申請し、分納する方法を採るのが得策といえます。加えて、分納資金を準備するためにファクタリングを活用するのもおすすめです。
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【監修者】鈴木 孝明(すずき たかあき)
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税理士 [登録番号:142076]/すずき会計事務所 代表
20代で税理士試験に合格後、国内の税理士事務所に勤務。その後、独立し「すずき会計事務所」を開業。
中小企業・個人事業主様を中心に、税務・会計支援を行っており、ファクタリングを含む資金繰り支援に関する実務経験も豊富。 - すずき会計事務所のプロフィール


