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2023-05-09

【資金調達の方法】出資と融資の違いは?メリットデメリットを解説

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企業が成長するためには、資金調達が欠かせません。資金調達には、さまざまな方法がありますが、企業の状況や目的によって最適な方法は異なります。

どの方法を選ぶかは、企業の財務状況や目的によって異なります。適切な資金調達の方法を選ぶことで、企業の成長を促進し、経営の安定化につなげることができます。

そこで、この記事では出資と融資の違いと、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。

出資とは?

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出資とは、投資家が企業に資金を提供し、その代わりに企業の株式を取得して、その経営に参加することでリターンを得る方法です。

出資は、企業の資金調達方法の一つであり、株式会社や有限責任事業組合など、法人格を持った組織に対して行われます。出資を行う投資家は、その企業の経営方針に賛同し、その成長に期待することが多いです。

出資によって得られるリターンは、株式の価格の上昇や配当などがあります。株価が上昇した場合、出資した投資家は、株式を売却することで、その差額を利益として得ることができます。

また、企業が利益を上げた場合、その一部を配当として支払うことがあります。出資者は、その配当を受け取ることで、リターンを得ることができます。

出資のメリット

出資のメリットは以下の3つが挙げられます。

  • 返済義務がない
  • 利息がない
  • 投資家から支援を受けられる

出資にはメリットがあります。出資の代表的なメリットについて解説します。

  1. 返済義務がない

出資には、返済義務がある場合とない場合があります。ただし一般的に、出資という言葉は、資本金などの形で会社に対して資金を提供することを指します。

返済義務がない場合は、出資した資金が元本割れすることがありますが、その場合でも出資者は追加の負債を負うことはありません。これは、出資者が会社のオーナーや株主の一員である場合によく見られます。

一方、返済義務がある場合は、会社が倒産した場合や会社を清算した場合です。厳密には返済ではなく残余財産の分配という名目となります。

  1. 利息がない

出資には、利息を含めた返済義務がありません。これは、出資者が資本金などの形で会社に資金を提供し、その代わりに株式などの出資証券を受け取る場合が一般的です。

出資証券には、利益を受け取る権利が含まれていますが、これは配当金として支払われます。配当金は、会社の利益が出た場合に、株主に対して支払われる利益分配の一部として支払われます。しかし、配当金の支払いは、利益が出た場合に限られるため、出資者が利息を得ることはできません。

また、出資証券には、損失を被るリスクも含まれています。出資者が購入した出資証券の価値が下落し、元本割れする可能性があるためです。その場合、出資者は損失を被ることになりますが、その分、配当金を受け取ることもありません。

つまり、出資に利息がないということは、出資者が会社の成功に投資し、その成功によって得られる利益を受け取ることを期待する投資形態であるということです。その一方で、失敗した場合には元本を失う可能性があるため、出資者は事前に十分なリスク評価を行う必要があります。

  1. 投資家から支援が受けられる

出資者から支援を受けることができます。投資家は、出資によって会社の資金調達を支援することで、会社の成長や発展に貢献します。支援を受けた場合、投資家は出資した資金に対してリターンを期待するため、事業の成長や利益増加につながるように、会社の経営者は努力する必要があります。

出資のデメリット

出資のデメリットは以下の3つが挙げられます。

  • 経営の自由度が低下する
  • 経営権を握られてしまう可能性がある
  • 業績が上がると配当金を払わなくてはならない

出資は、企業や事業にとって必要不可欠な資金調達手段の一つであり、出資者にとっても投資によるリターンを期待できる魅力的な投資先として位置づけられています。しかしながら、出資にはいくつかのデメリットも存在します。

  1. 経営の自由度が低下する

出資を受けると経営の自由度が低下する可能性があります。

出資を受け入れた企業や事業は、出資者に対して責任を負うことになります。そのため、企業や事業の経営者は、出資者に対して説明責任を果たさなければなりません。また、出資者には議決権があり、株主総会で企業や事業の方針や戦略について意見を述べることができます。このため、企業や事業の経営者は、出資者の意見を考慮しなければならず、経営の自由度が低下することになります。

さらに、出資者が大口の場合、企業や事業の経営者は、出資者の意見を無視することができず、出資者に合わせた経営方針をとらざるを得ない場合もあります。このように、出資を受けることによって、企業や事業の経営の自由度が低下することがあります。

以上のように、出資を受けることには、企業や事業の経営の自由度が低下する可能性があることを認識しておく必要があります。企業や事業の経営者は、出資者との関係を慎重に考慮し、適切な経営方針をとることが求められます。

  1. 経営権を握られてしまう可能性がある

出資を受けると経営権を握られてしまう可能性があります。

出資者は、株式や投資信託を通じて企業や事業に出資することができます。その際、出資者が保有する株式や投資信託の割合が多くなると、株主総会での議決権を握ることができます。議決権を握ることによって、企業や事業の方針や戦略に関与することができます。

また、大口の出資者であれば、企業や事業の経営方針に影響を与えることができます。このように、出資者が企業や事業の経営権を握ることで、経営者は出資者の意向に合わせた経営方針をとらざるを得ない場合があります。

以上のように、出資を行うことで、出資者が企業や事業の経営権を握る可能性があることを認識しておく必要があります。企業や事業の経営者は、出資者との関係を慎重に考慮し、経営方針を適切に決定することが求められます。

  1. 業績が上がると配当金を払わなければならない

出資を受けた場合、企業や事業の業績が上がれば、その成果に応じて配当金支払う必要があります。

配当金を支払うことで、出資者に報酬を与え、投資家の信頼を得ることができます。しかし、業績が低迷している場合には、配当金を支払うことができない場合があります。

業績が上がれば配当金を支払う必要があるため、企業や事業の成長や拡大に必要な投資資金を確保するためには、配当金を減らすなどの対応が必要になる場合があります。また、配当金を支払うためには、利益を確保する必要があります。そのため、企業や事業は配当金を払うことに集中しすぎると、成長や投資を阻害することがあります。

以上のように、出資のデメリットとして、業績が上がれば配当金を支払う必要があることが挙げられます。企業や事業は、配当金の支払いと投資資金の確保をバランスよく考えることが重要であり、出資者も配当金だけでなく、企業や事業の成長や将来性に注目し、投資判断を行う必要があります。

融資とは?

融資とは

融資とは、金融機関や投資家が、借り手に対して一定の金額を貸し付けることを指します。融資を受けることで、借り手は自己資本だけでは資金不足に陥る場合でも、事業を継続したり、新規事業を展開するための資金を調達することができます。

融資は、金融機関や投資家によって行われます。金融機関による融資は、銀行や信用組合などが一般的で、貸し付けには一定の金利や手数料が発生します。また、融資には担保が必要となる場合もあります。担保は、借り手が融資を受けるために提供する抵当物や担保物と呼ばれる財産で、借り手が返済義務を履行できなかった場合、金融機関が担保を売却することで融資の返済を行います。

融資は、企業が事業を展開するための資金調達手段としてだけでなく、個人が住宅や自動車などを購入するための資金調達手段としても利用されます。また、融資を受ける際には、返済能力の確保や返済計画の策定が必要となります。

融資のメリット

融資のメリットは以下の3つが挙げられます。

  • 投資家から経営に口出しされない
  • 低金利で借入ができる
  • 経営の自由度が高い

融資を受けることにより、企業は必要な資金を手に入れることができ、事業拡大や新規プロジェクトの実現などのチャンスを得られます。また、適切な返済計画を立て、定期的な返済を行うことで、信用度を向上させることもできます。融資のメリットについて解説します。

  1. 投資家から経営に口出しされない

融資には、借り手の経営に対する干渉がないという利点があります。一方、出資や投資による株主としての権利を持つ場合、経営に参加することが可能です。しかし、融資では貸し借りの契約のみであるため、融資元はその範囲内でしか権利を持ちません。

  1. 低金利で借入ができる

銀行や金融公庫からの融資は、消費者金融などの借り入れと比較して金利が非常に低いという特徴があります。例えば、日本政策金融公庫の場合、金利は2〜3%と低く、一方、消費者金融の場合は約18%と非常に高いです。

  1. 経営の自由度が高い

基本的に融資を行う金融機関は、元本の返済と金利の支払いを求めるだけで、経営に干渉することはありません。また、出資とは異なり、株主が介在しないため、無理に事業を拡大や成長を追求しなくても、経営者の手に負える範囲でビジネスを行うことができます。このため、少ない資金で安定的に成長を目指す企業や、利益よりも自分が好きなことを追求したい経営者にとって、融資による資金調達はおすすめです。

融資のデメリット

融資のデメリットは以下の3つが挙げられます。

  • 返済する必要がある
  • 審査を通す必要がある
  • 担保や保証人が必要となる場合がある

融資には多くのメリットがありますが、その一方でいくつかのデメリットも存在します。デメリットについて解説します。

  1. 返済する必要がある

融資には元本の返済と金利の支払いがあり、借入額よりも多く返済することとなります。調達する資金はあくまでも負債であるため、他の資金調達方法とは違い必ず返済しなければいけません。

経営者は、負債の返済により資金繰りが悪化し、経営自体が追い詰められる可能性があるため、慎重に判断する必要があります。

  1. 審査を通す必要があり時間がかかる

融資を受けるには、銀行や金融機関などからの審査が必要となります。さらに融資の種類によっては3ヶ月程度時間がかかります。

  1. 担保や保証人が必要となる場合がある

銀行は、貸し付けた資金が返済される確率を高めるため、返済能力だけでなく、担保や保証人などの手段を用いて、返済を保証するように努めます。一般的に、中小企業は大企業ほど信用力が高くないため、「担保貸付」や「保証貸付」がよく利用されます。

出資と融資の違い

以下の表で出資と融資の違いについてまとめました。

出資 融資
返済有無 返済義務無し 返済の必要有り
利息 利息の支払い無し 利息の支払い有り
経営自由度 出資者から経営について口出しされる可能性有り 融資先から経営について干渉されない
配当金 業績が良いと出資者に配当金を支払う 業績が良くても融資先に配当金を支払う必要無し
担保保証人有無 必要無し 必要有り

融資に頼らず資金調達!ファクタリングがおすすめの理由

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ファクタリングは、事業者が保有する売掛債権をファクタリング業者に売却することで現金化する手段です。

この方法を利用することで、予定された入金日を待つ必要がなくなり、即時に現金を手に入れることができます。

また、ファクタリングは売掛債権を売却することであるため、融資と異なり返済の必要がありません。事業者がファクタリングを利用することで、資金繰りを改善し、事業の拡大や新たな投資に活用することができます。

まとめ

出資と融資は、企業に資金提供をする手段の違いがあります。

出資は、将来的なリターンを得るために企業に資金を提供し、企業に参加することができます。一方、融資は、将来的に資金と利子を返済することを目的として、資金を貸し付けることを意味します。

どちらの手段を選ぶかは、企業の状況や目的によって異なりますが、それぞれの利点と欠点を考慮し、適切な資金調達方法を選択することが重要です。

出資はリターンが高い反面、リスクも高いので、投資家が自己判断して判断する必要があります。融資は安定的な収益が得られる一方、返済能力に問題が生じた場合には、法的な問題が発生する可能性があります。

企業は、資金調達の際に出資と融資の利点と欠点を理解し、その状況に合わせて最適な資金調達方法を選択する必要があります。