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2023-05-25

ファクタリングに利息制限法は適用される?例外となるケースや手数料の決まり方について解説

ファクタリング 利息制限法

ファクタリングは、売掛金をファクタリング会社に売却し、早めに現金化する資金調達方法です。金銭消費貸借契約(借入)と混同されることがありますが、両者は性質が異なり、ファクタリングは原則として利息制限法が適用されません。

しかし、その仕組みを正しく理解していないと、手数料の高い取引や悪質な業者に巻き込まれる可能性があります。

この記事では、ファクタリングと利息制限法の関係をはじめ、手数料の決まり方や例外となるケース、悪質業者の見極め方などを解説します。ファクタリングに興味がある方や、資金調達の方法を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

ファクタリングは原則として利息制限法の対象外

ファクタリング 利息制限法

結論からいうと、ファクタリングに利息制限法は適用されません。正式なファクタリングはあくまで「債権譲渡契約」だからです。利息制限法は「金銭消費貸借契約」を取り締まる法律であり、債権譲渡契約には適用されません

ここでは、ファクタリング取引に利息制限法が適用されない理由について、詳しく解説します。

利息制限法とは

ファクタリング 利息制限法
「利息制限法」とは、貸金における利息の上限を定めた法律です。金融機関が無制限に利息を設定できた場合、借り手は返済困難な状況に陥るリスクがあります

たとえば、100万円の貸付で50%の利息が設定された場合、返済額は150万円です。法律による保護がなければ、金融機関にとって有利な契約しか締結できないでしょう。

弱い立場に立たされる借り手を守るため、利息制限法が定められました。

上限金利

上限金利は、以下2つの法律で規制されています。

<上限金利を定める法律>

  • 利息制限法(上限金利は貸付額に応じて15%~20%)
  • 出資法(上限金利は20%)

貸金業者は利息制限法に基づき、貸付額に応じて15%〜20%以下の金利で貸付を行わなければなりません。利息制限法の上限金利を超える金利は、超過部分が無効・行政処分の対象となります。さらに、出資法の上限金利(20%)を超える金利は、刑事罰の対象です。

上限金利は借入金額に応じて変わり、この上限金利を超えた利息分は無効とされ、返済する必要がないと定められています。

【借入額と上限金利】
借入額 上限金利
10万円未満 年利20%
10万円以上100万円未満 年利18%
100万円以上 年利15%

みなし利息

利息制限法においては、元本以外の金銭について一部の例外を除き、利息とみなされるものがあります。これらは「みなし利息」と呼ばれ、利息制限法に定める上限金利の規制対象となります。

みなし利息の例は、以下のとおりです。

<みなし利息の例>

  • 手数料
  • 礼金
  • 調査料
  • 割引金

利息制限法に関連する法律


利息制限法に関連する法律には「出資法」「貸金業法」の2種類があります。事業運営のリスクヘッジとして、基本的な法律知識を頭に入れておきましょう。

出資法

「出資法」とは、消費者の財産保護を目的として、出資の受け入れや金銭の預かり業務、金利を規制する法律です。正式には「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」といいます。

利息制限法とともに、上限金利を定めています。原則として、年利109.5%を超える利息の貸付を禁止しており、違反した場合は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金です。

規制の主な対象は貸金業者ですが、条項によっては個人も対象となり、懲役や罰金などの刑事罰が定められているところが利息制限法と異なる点です。

貸金業法

貸金業法は、消費者金融などの貸金業者の業務や、貸付・借入に関するルールを定めた法律です。深刻な社会問題となっている多重債務者の増加を解決するため、2006年に従来の法律(貸金規制法)を抜本的に改正して制定されました。

主な内容は、以下のとおりです。

<貸金業法の主な内容>

  • 借入可能額を年収の3分の1に制限する「総量規制」
  • 借入金額に応じた「上限金利の引き下げ」
  • 貸金業務取扱主任者を営業所に置くことを定めた「規制の強化」

例外的にファクタリングで利息制限法が適用されるケース

ファクタリング 利息制限法

ファクタリングは原則として利息制限法が適用されませんが、実質的な貸付行為と判断された場合、利息制限法や出資法、貸金業法などが適用されます。

しかし、なかには「売掛金などの権利を担保としてお金を貸す」など、ファクタリングを装って貸金業を営むケースも確認されているため、注意が必要です。

以下のような契約内容の場合は貸金業とみなされ、法律の規制を受けることになります。

<貸金業とみなされる契約内容>

契約形式が債権譲渡ではない契約

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することによる資金調達サービスのため、利用者とファクタリング会社で結ぶ契約は「債権譲渡契約」です。

契約形式が債権譲渡ではなく、金銭消費貸借契約の場合、実質的には売掛金を担保とした資金の貸付に該当します。悪質なファクタリングには「契約書に売買契約と定められていない」「契約書の内容が貸付とされている」などのケースもあるため、注意しましょう。

資金の貸付は貸金業登録が必要なため、許認可を受けていない業者は、悪質な金融業者であるおそれがあります。

償還請求権ありの契約

「償還請求権」とは、債権の買い戻しを求める権利です。通常のファクタリング契約では、売掛債権の回収が滞った場合でも、利用者に返済する義務はありません。しかし、償還請求権ありの契約を結んだ場合、売掛先に代わって利用者が弁済する必要があります

償還請求権ありの契約は、融資契約と同等に扱われるため、貸金業登録しているファクタリング会社以外は扱えません。

利用者の資産が引当となっている契約

売掛先が不払いを起こした際、取り立ての対象となる「引当財産」が利用者の全体財産になっている場合、その契約は金銭消費貸借契約とされる可能性があります。債権譲渡契約であれば、ファクタリング会社はあくまで債権を譲り受けただけの立場であり、売掛先から支払いを受けるべきです。

しかし、契約内容によっては、売掛先が不払いを起こした際に「利用者が弁済する」と契約書に記されるケースがあります。引当財産が「利用者の財産」となるため、債権譲渡契約の範疇から外れると考えられます。

担保・保証付きの契約

ファクタリングは売掛債権の売買契約です。融資と違って利用者に返済義務がなく、担保や保証人を準備する必要もありません

しかし、担保や保証人を求められた場合は、その契約自体がファクタリング契約とはみなされず、金銭の貸付と判断されます。担保や保証人を求められた場合、悪質な金融業者であるおそれがあるので、契約前は十分に確認しましょう。

給与ファクタリング

給与ファクタリングとは、給与を受け取る権利をファクタリング業者に買い取ってもらい、給与振込日より前にお金が受け取れるサービスです。給与ファクタリングは、裁判所によって実質的な貸金業と認定されており、貸金業法上の許認可を受けたうえで行わなければ違法です。

また、労働基準法により、給料は労働者本人に支払われるため、債権譲渡を前提とした給与ファクタリングは適法ではありません。さらに、給与は勤務先が倒産などをしないかぎりは確実に支払われるもので、回収が不確実な事業者の売掛債権とは大きく異なります。

これらの理由から、給与ファクタリングは、実質的に消費者金融や消費者向けローンと変わらないといえます。

利息制限法がファクタリングに適用された判例


平成29年3月3日の大阪地方裁判所にて、利息制限法がファクタリングに適用された判例があります。適用された要因は、主に以下の2つです。

<適用された要因>

  • 売掛先の不払いリスクをファクタリング業者がほとんど負っていない
  • ファクタリングとは無関係な金銭の授受があった

原則として、ファクタリングは償還請求権なしの契約なので、売掛金の未回収リスクはファクタリング業者が負います。しかし、上記のケースでは、未回収リスクの負担が利用者に発生していたため、実質的な「金銭消費貸借契約(借りた金銭の同額を返済する契約)」とみなされ、利息制限法が適用されました。

ファクタリングの手数料はどのように決まるのか

ファクタリングの手数料は利息制限法の対象外なので、業者側で自由に決められます。悪質な業者を見極め、利用者として不利益を被らないためにも、手数料が決まる要素についても頭に入れておきましょう。

ここでは、手数料が決まる5つの要素について解説します。

<5つの要素>

それぞれを具体的に見ていきましょう。

売掛先の信用力

売掛先の信用力は、回収見込みの高さにつながるため、ファクタリングの手数料を決める判断材料として活用されます。売掛先の信用力が低く、売掛金の未回収リスクが高い場合、ファクタリング業者は手数料を高額に設定し、リスクヘッジを図るのが特徴です。

たとえば「赤字経営が続いている」「事業規模が小さい」といった売掛先であれば、売掛金の未回収リスクが高まります。このような場合、ファクタリングの手数料は高額に設定されるでしょう。

ファクタリング利用時は、売掛金の額だけでなく、売掛先の信用力も考慮したうえで申し込んでください。

利用者の信用力

2者間ファクタリングの場合、利用者の信用力も手数料に影響する可能性があります。2者間ファクタリングでは、売掛金を利用者から回収します。

ファクタリング業者には、架空債権や二重譲渡などのリスクがあるため、利用者への信用・信頼が欠かせません。「提出書類に不備がある」「過去に未回収となった履歴がある」などの場合、手数料は高額に設定される可能性があります。

支払い期日までの日数

売掛金の支払い期日が長いほど、手数料は高額に設定される傾向にあります。

支払い期日が長い場合、売掛先の倒産や経営悪化などが原因で未回収リスクが高まります。ファクタリング業者は損失を防ぐため、手数料を高額に設定せざるを得ません

手数料を抑えたい場合は、支払い期日の短い売掛債権で申し込みましょう。

契約形態

2者間・3者間ファクタリング、それぞれの契約形態によっても手数料に差があります。

<手数料の相場>

  • 2者間ファクタリング:8~18%
  • 3者間ファクタリング:2~9%

3者間ファクタリングでは、売掛先の承諾を得たうえで契約を結び、入金も売掛先から直接行われます。架空債権や二重譲渡のリスクが抑えられるため、3者間ファクタリングの方が手数料は安い傾向にあります。

手数料の負担を抑えたい場合は、3者間ファクタリングも検討しましょう。

利用実績

ファクタリングの利用実績が多いほど、手数料は安く設定される可能性があります。ファクタリング業者が手数料を高額化する大きな理由は、未回収リスクに備えるためです。

利用実績が多い場合、利用者に対する信用度が高まるため、手数料の見直しを検討してもらえる可能性があります。ファクタリングを複数回利用する見込みがある場合は、同じ業者への申し込みも検討しましょう。

悪質なファクタリング業者を見極めるポイント

見極めるポイント
ファクタリング業者のなかには、利用者に過剰な負担を強いる悪質な業者もあります。悪質なファクタリング業者を見極めるポイントは、以下のとおりです。

<悪質なファクタリング業者を見極めるポイント>

それぞれを具体的に見ていきましょう。

相場とかけ離れた手数料を請求する

相場とかけ離れた高額な手数料が請求される場合、悪質なファクタリング業者である可能性があります。手数料の相場は、2者間で8~18%、3社間で2~9%です。

高額すぎる手数料は、資金繰りをさらに悪化させかねません。初めてファクタリングを利用する際は、複数社へ見積もりをとり、リアルな相場を確認することが大切です。

契約書に償還請求権が明記されている

契約書に償還請求権が明記されている場合、ファクタリング業者を装う貸金業者である可能性があります。具体的には、以下の内容が契約書に記されているケースです。

<償還請求権ありの具体例>

  • 未回収の場合、売主が債権を買い戻す
  • 売主の資金から未回収分の売掛金を支払う

通常、ファクタリングでは、償還請求権なし(ノンリコース)の契約を行います。売掛先の倒産を理由に売掛金が支払えない場合でも、ファクタリング利用者に返済の義務がない契約です。

しかし、上記の契約内容が記されている場合、貸金業に該当するおそれがあります。利用者側の負担が大きいため、怪しい点があれば専門家(弁護士など)への相談も検討しましょう

貸金業登録の有無が分からない

貸金業登録の有無が分からない貸金業者が、ファクタリング業者を装うケースもあります。このようなケースでは「給与ファクタリング」や「審査なしのファクタリング」などの謳い文句で勧誘が行われます。

貸金業登録していない場合、ヤミ金業者である可能性もあるため、安易に契約しないよう注意してください。後に高額な手数料を請求され、資金繰りが悪化するリスクもあります。

まとめ

利息制限法は、消費者を多重債務や高金利から守るために、借入の利息を制限する法律です。ファクタリングには利息制限法が適用されないため、業者選びは慎重に行う必要があります。

なかには、法外な手数料を請求する悪質な業者も存在するので、ファクタリング利用時は必ず複数社から見積もりをとって判断しましょう。

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  • 【監修者】鈴木 孝明(すずき たかあき)

  • 税理士 [登録番号:142076]/すずき会計事務所 代表

    20代で税理士試験に合格後、国内の税理士事務所に勤務。その後、独立し「すずき会計事務所」を開業。
    中小企業・個人事業主様を中心に、税務・会計支援を行っており、ファクタリングを含む資金繰り支援に関する実務経験も豊富。

  • すずき会計事務所のプロフィール