2023-05-25
ファクタリングの調達限度額はいくら?注意すべき3つのポイントを紹介!
ファクタリングを利用したいと考えている方の中には、限度額がどの程度で設定されているのか不安だという方もいらっしゃいます。
実は、ファクタリングには限度額はありませんが、業者ごとに買取可能額が設定されているため、売掛債権の金額をそのまま調達できるわけではありません。
この記事では、ファクタリングの調達限度額やその設定方法、ファクタリングの注意点を紹介します。
ファクタリングで資金調達をしようとしている方、どのような仕組みなのか知りたい方は、ぜひご参考ください。
ファクタリングに調達限度額は存在する?
結論、ファクタリングという制度自体に限度額は存在しません。
ファクタリングは、売掛債権を売却し、業者が買い取るシステムなので、その額のみ現金化されます。つまり、小規模な企業でも売掛債権の金額までなら資金調達をすることができます。
しかし、買取可能額については、ファクタリング業者ごとに設定されているので注意が必要です。業者の規模を確認してから見積もりを出し、ファクタリングを利用するのが良いでしょう。
調達限度額はどのように設定されているの?
ファクタリングという制度自体には限度額は存在しませんが、業者ごとで買取可能額は様々です。そこで、その金額がどのように設定されているか解説していきます。
まず、売掛債権から掛け目が引かれます。掛け目とは、「売掛債権のうちファクタリング業者が何%買い取るか」を示している数字です。
次に、その額から手数料が控除されます。
手数料は以下の数値が一般的な相場です。
- 2社間ファクタリング:10%から20%ほど
- 3社間ファクタリング:1%から5%ほど
まとめると、「売掛債権×掛け目−手数料」が調達可能額になります。
例えば、以下のケースをご覧ください。
- 売掛債権:100万円
- 掛け目:80%
- 手数料:10%
この場合、「100万×80%−10%」なので、調達可能額は「72万円」になります。
このように、調達可能額が売掛債権の満額になることはなく、掛け目や手数料が引かれ、その額が現金となって振り込まれるので、注意が必要です。
調達限度額において注意すべき3つのポイント
先に述べたように、ファクタリング調達可能額についてはいくつか注意点が存在します。この見出しではそれらを解説していきます。
1.手数料率は審査が通ってからでないとわからない
ファクタリング業者はホームページなどで手数料を掲載しています。しかし、それはあくまで目安であるため、注意が必要です。
見積もりを出すだけであれば、審査後でも契約するか否かは利用者が判断できます。
そのため、複数のファクタリング業者に見積もりを申し込み、手数料や掛け目を比較してからファクタリングを利用するのがおすすめです。
2.調達額によってファクタリング業者を選ぶ
ファクタリング業者にはそれぞれ特性があり、少額に強い業者や、高額に特化した業者が存在します。調達したい金額によって業者を選ぶことも大切です。
少額に特化した業者は、高額なものの審査よりスムーズな場合が多く、スピーディーに資金調達ができる可能性が高いです。
しかし、多くの業者で買取金額の下限額が設定されている場合もあり、相場は30万円ほどです。この価格帯だと、手数料を大きく取られる場合も少なく、売掛債権の満額近くを回収することも可能です。
一方、高額に特化した業者は、審査が慎重に行われる場合が多いため、スピーディーとは言えないことが多いです。
しかし、規模が大きい企業が厳格な審査を行うため、比較的安心してファクタリングを利用することができます。
また、300万円以上のファクタリングを利用する際は、各業者の売りである最安手数料で資金調達をできる可能性が高くなる傾向があります。これによって、かなりコストパフォーマンスが高いファクタリングを利用することが可能になります。
しかし、かなり高額であるため売掛債権を回収できなかった際に業者側の負担が大きくなります。そのため、審査がより慎重になる可能性が高いです。
3.売掛債権がないとファクタリングを利用できない
大前提ですが、ファクタリングは売掛債権を譲渡してお金を得るシステムであるため、売掛債権を持っていないとファクタリングを利用することができません。
しかし、売掛債権を持っていても、支払い期日を過ぎて回収できなかったものや、請求せずに期日を過ぎてしまったものは効力がないため不良債権となり、売掛債権としてファクタリング業者に譲渡することはできません。
ファクタリングの注意点
ファクタリングの調達限度額についての解説は以上になりますが、ここで、ファクタリング自体の注意点を解説していきます。
1.違法業者が横行している
ファクタリングはお金を貸す「貸金業」ではなく、貸金業登録をする必要がないため、悪徳業者が横行しやすい環境にあるのも事実です。
実際に金融庁もそれに対する注意勧告をしています。
違法業者の特徴として、大きく3点が挙げられます。
1.極端に手数料が高額である
安全なファクタリング業者も、手数料が比較的高額な場合があります。しかしそれは返済されないリスクを業者が負っている場合が多く、十分に妥当な理由があります。
悪徳業者は、返済されないリスクが低い(償還請求権などを持っている)のにもかかわらず、高額な手数料を請求してくることが多いです。償還請求権とは、支出した費用分の返済を求めることができる法律上の権利で、「リコースファクタリング」とも言います。
償還請求権を行使できるのは、貸金業者のみであるため、貸金業者登録が必要です。
手数料に関しては、数社から見積もりを請求し、適切なファクタリング業者を選ぶことが重要です。
2.契約書が存在しない
ファクタリングを行う際は、必ず契約書が存在します。違法業者は、契約書を提示せず、口約束のみで済ませてくる場合もあります。
そのような場合、様々な証拠書類が存在しないことになり、トラブルに発展しかねません。最悪の場合、勤務先や自宅に取り立てにくることもあるので、契約書を請求し、隅々まで慎重に契約内容を確認することが大切です。
3.分割返済が可能である。
分割払いと聞くと、一見親切なシステムであると思ってしまう方も多いでしょう。しかし、分割払いをすると利息が発生し、その時点で「貸金業」であるとみなされます。
よって、貸金業登録をしておらず、分割返済サービスを行っているファクタリング業者は、違法であるとみなされます。
正規のファクタリング業者は返済方法は基本的に一括払いなので、注意が必要です。
また、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」を利用すれば、企業名や登録番号、所在地などを入力するだけで、金融庁から許可を受けているかどうか一目で知ることができます。参考までにご利用ください。
2.売掛先に知られてしまう場合がある
ファクタリングを利用する際、「債権譲渡登記」をする場合があります。この登記によって売掛先にファクタリングを利用した事実が伝わってしまう可能性があります。
「債権譲渡登記」とは、債権や動産を担保・証券化・流動化目的で譲渡し、譲渡代金として資金を受け取る時に債権保全の手段として利用される登記のことです。
その結果、銀行や売掛先などに債権を譲渡した記録が残るため、様々な書類を交付する際にその事実が伝わり、経営状況に対する懸念を抱かせてしまう可能性があります。
また、支払い期限を守らない場合も、売掛先に通知が行き届いてしまいファクタリングを利用した事実が伝わってしまいます。
3.ファクタリングの形態を理解する
ファクタリングを利用する際、売掛債権やその置かれている状況に応じて適切なシステムや業者をしっかりと選ぶことが大切です。
ファクタリングには、以下の2種類が存在します。
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング業社の2社で行うファクタリングです。この形態は、売掛先にファクタリングを利用した事実が伝わらず、信用を維持できる可能性が高いです。
また、3社間ファクタリングより関係者が少なく、手続きが単純であることから手続きが比較的スムーズで、より早く現金を調達できます。
しかし、売掛先にファクタリングを利用したことが伝わることがなく、債務を回収できないリスクも比較的高いため、手数料が高くなる傾向にあります。
3社間ファクタリングは、利用者、売掛先、ファクタリング業社の3社間で行うファクタリングです。この形態は、3社間で合意や承諾を得てからファクタリングをするため、債務が返済されないリスクが比較的少なくなります。
そのため、審査が柔軟になり手数料が2社間ファクタリングより安くなる傾向があります。
詳しくは以下のコラムをご覧ください。
【関連記事】
2社間ファクタリングとは?法的根拠を基に仕組みやメリット・デメリットを解説!
まとめ
本コラムでは、ファクタリングの調達限度額について解説しました。
調達可能額の設定に関しては、少し複雑なので、売掛債権の満額近くを現金化するためには十分に理解しておくことが大切です。
また、先に述べた通りファクタリングは違法業者が多数横行しているため、十分にご注意ください。
さらに、中小企業は売り上げや資金繰りなどの懸念から、銀行融資を受けづらいという現状にあります。そのため、中小企業庁はファクタリングを奨励しています。
中小企業庁が発表している内容については、こちらをご覧ください。
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