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2023-07-10

消費税の仕組みについてわかりやすく説明!納税対象や計算方法について解説

消費税 仕組み わかりやすく

消費税は商品やサービスの消費に関わる税金で、市民生活に直結する課税制度です。あるいは、事業者が取引で扱った資金に対しても課税されるものになっています。

しかし、税率や計算の仕組みはとても複雑なものです。その原因は、販売の過程で複数の事業者が関わることと、一つの物品が消費されるにあたって二度三度の税が課されてしまうおそれがあることです。

そのため、税金の発生や納税についてよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、消費税の納税の仕組みについて分かりやすく説明します。誰が納税を担当しているのか、消費税の課税対象、計算方法について理解を深めていただけます。

消費税の仕組みとは

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消費税とは、物品やサービスの取引の際に課税される税金のことです。消費に対して課されるもので、仕入れに関わる出費は課税の対象にならないという特徴を持っています。

まずは、消費税やその仕組みについて詳しく解説します。

そもそも消費税とは

消費税は、日本国内では1989年に初めて制定され、市民生活に直接関わる課税制度であることから、大きな批判や関心の対象になってきました。特に、たびたび起こる世界規模の経済不安の際には、是非を問う声が強く挙げられた歴史があります。

加えて、税の方式が複雑化してしまう懸念も指摘されてきました。製品や商品を販売するまでの過程において、材料の確保や流通など様々な中間業者に費用を支払わければいけません。

それらに関わる出費にすべて消費税を課してしまうと、一つの品物に対して二重、三重に税が掛かることになってしまいます。これは不当な徴税になり、事業者に大きな負担を与えてしまいます。

従って、課税対象は仕入れに限定されるよう規定されています。実際には製造業から卸業者、卸業者から小売業者、小売業者から消費者に至る流通の流れにおいて、課税分は順に転嫁されていくようになっており、税金を負担するのは消費者だけです。

消費税を納税するのは事業者

消費税は、負担する対象と納税する対象が異なっているため「間接税」に区分されます。消費税の納税を担当するのは、販売に関わる事業者です。

消費者が納税の義務を課せられると、日常的な買い物のすべてに掛かる税金をいちいち税務署に申告することになってしまいます。

一般消費者の買い物の頻度を考慮すれば、現実的な話ではありません。従って、商品価格に上乗せされた消費税分を、小売業者などの事業者が集積して納める仕組みが採用されました。

この方法によって、消費税を効率よく回収することが可能になったといえます。

消費と仕入れの違い

消費者や事業者の負担を軽減するためと、税の重複を避けるために、消費と仕入れが区別されています。

仕入れが物を売る目的で購入することであるのに対して、消費は自分で使う目的で購入することです。

これによって、材料の購入や卸売のために事業者が取引した物品に対して消費税が課税されなくなります。

つまり、製品一つあたりに掛けられる消費税が、販売の瞬間だけに限定されることになり、二度三度と税の対象にされることが避けられるようになりました。

消費税の課税対象

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消費税課税の対象になるのは、次の4つの取引です。

  • 国内の取引であること
  • 事業者が自社の事業として行う取引であること
  • 対価の発生する取引であること
  • 資産の譲渡、役務の提供、または貸付に係る取引であること

まとめると、日本国内の実益を発生させる取引に限定されているといえます。

これ以外に、消費税の対象にならない取引の部類が、非課税取引、免税、不課税の各取引に分けられています。ここからは、それぞれの違いを詳しく解説します。

消費税非課税の対象になるもの

消費税非課税とは、本来なら課税の対象になるものに対して、社会政策上の配慮から課税対象としない処置のことです。

社会政策上の配慮とは、現行の政府の方針に従って国民の金銭負担を軽減しようとする対策をいいます。2023年現在の日本では、医療費や出産に関わる消費、介護サービスに関わる消費などが政策的配慮の対象です。

この他、税の性格上課税対象にならないものと区分された取引があります。

  • 土地の譲渡、貸付
  • 有価証券の譲渡や支払手段の譲渡
  • 利子や保険料
  • 金券の譲渡
  • 住民票や戸籍の発行に関わる消費

税の性格上課税対象にならないという解釈は、本来国民に一定の負担を課すことで福祉の充実を図るという税金の仕組みにそぐわないため、税を徴収することが適切ではないと判断されたのだと考えておけばよいでしょう。

消費税免除の対象になるもの

消費税の免除のことを、免税といいます。免税対象になるのは、特定の商取引に対して消費税が課せられないようにする処理のことです。海外への輸出、国境を超えて行う輸送、海外の事業者に対するサービスの提供に対して適用されます。

消費税の対象は国内で行われる消費という前提に従って、海外で行われた商取引には課税されないようになっています。輸出を例にすると、商品を消費するのが日本人以外となるため、課税の対象になりえないという考え方が採用されています。

消費税不課税の対象になるもの

消費税不課税とは、先の4つの取引に該当しないものに対して適用されます。具体的には、

以下のような消費です。

  • 海外で行った消費や飲食
  • 海外で使用した宿泊費
  • 寄付や贈与(返礼を得ない場合)
  • 出資

これらの取引のことを、不課税取引といい、消費税以外にも課税の対象にならない取引がいくつか存在します。

不課税取引と認められる条件は、金銭や物品のやり取りが当該の人物や事業者にとっての利益にならないこと、対価を得る目的ではないことです。つまり、儲けを意図した取引ではないということです。

加えて、海外で使用した飲食や宿泊に関わる金銭も、国内の取引に該当しないことから不課税の対象とされています。

消費税の計算方法

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事業者が取引に係る消費税を納める場合、会計処理が必要です。この場合、消費税の納付税額は以下の計算式で求められます。

(課税期間中の課税売上高×0.078)-(課税仕入高×7.8/110)=納付税額

軽減税率が適用される場合は、課税仕入高×0.064に対して軽減税率対象取引の6.4/100を差し引いた額が納税額です。

軽減税率とは

軽減税率とは、2019年10月1日に消費税が10%に引き上げられたときに導入された対策です。税額を計算する場合、売上別の税率の処理が煩雑になる業者の救済のために考案されました。

一部の取引に係る売上高に対して、従来通りの8%の税率を維持するとしたものになります。

対象となるのは以下の取引です。

  • 酒類や外食に関わる出費
  • 定期購買契約が結ばれ週2回以上発行されている新聞

軽減税率の採用には、消費税が10%に引き上げられた折、事業者や一般消費者の負担をある程度和らげる目的で設置された経緯もあります。

2023年現在の税法では、軽減税率の施行期限が明記されていません。従って、期限について制定されるまでは上記の取引の消費税は8%が維持されると考えられます。

ファクタリングは非課税取引

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手形を支払い期日以前に売却して現金を得るファクタリングは、非課税取引となり消費税の対象にはなりません。

中小企業にとって、早急に現金を得られるメリットのあるファクタリングですが、手形の売買が消費税の対象になるのなら着手できないのでは、と迷っている方も多いかもしれません。

基本的に非課税対象のファクタリング取引ですが、債権譲渡登記が必要な取引の場合には課税対象となるため注意が必要です。債権譲渡登記とは、法人が債権を譲渡することを公示する目的で、取引を帳簿に記録する事務手続きをいいます。

ファクタリングを行う場合、手形の二重譲渡や売買を法的に記録する目的で締結されることもあります。

全ての取引に該当するわけではありませんが、売却目的の債権が登記の対象になるかどうかは予め確認しておきましょう。

消費税の会計処理

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事業者が納める消費税の会計処理には、税込経理方式と税抜経理方式の2種類があります。いずれの方法を採っても納税額は変わらないので、企業が任意に選択することが可能です。

税込経理方式とは、売上金に掛けられる消費税を決算期末に一括して計上するものです。

税抜経理方式では、一度の売上高ごとに本体価格と消費税額を分離して処理するという点が異なっています。

税抜経理方式だと計算処理は複雑になりますが、取引の度に純利益の推移を把握しやすいことがメリットです。

一方で、税込経理方式の方が処理が簡単な分、一度に決済するために異なる税率の計算が正確に行われているか確認しづらく、監査が煩雑になることがデメリットです。

まとめ

消費税の仕組みは、仕入れと消費を分けて考えることにポイントがあります。事業者が売買目的で行う取引を課税の対象にしないことで、税が重複することを防いでいます。

非課税や免税になる取引も存在しているので、事業者によっては負担軽減に繋げられます。節税のためにも、取引の方式を見直すことは重要です。

中でも、手形の売買に関わるファクタリングは非課税対象になるので、中小企業の資金繰りに回しやすいメリットがあります。

とはいえ、ファクタリング業者によっては手数料が多く実利益に直結しないこともあるでしょう。

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