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2023-07-10

粗利とは何かわかりやすく解説!他の利益との違いと計算方法をとは

粗利とは わかりやすく

企業の売上の項目の中で、もっとも金額の大きな利益項目が粗利です。粗利の中から人件費などの諸経費や税金を引いていくことで、最終的な収益である純利益が残ります。

この記事では、粗利について分かりやすく解説するとともに他の利益との関係や、粗利や純利益を上げるために必要なことについて説明します。

粗利とは

粗利とは わかりやすく

粗利の損益計算書における意味は「売上総利益」です。売上総利益とは、商品やサービスを販売して得られた金額から、商品やサービスを構築するためにかかった費用(原価)を差し引いたものになります。

粗利、または粗利益ともいわれることがあり、企業の売上を大まかに捉えるために重要な項目です。

粗利を観察することで、同業他社に対する当該企業の競争力を測ることも可能になります。

なぜなら、粗利の率の違いはいかに各社が原価率を制御しているかの判断材料になり、少ない元手で大きな利益を生み出しているという、経営の健全性を推測することができるからです。

粗利の注意点

粗利=売上総利益がそのまま手元に残るお金ではないことに注意が必要です。例えば、100万円かけて製造した商品を売って200万円の利益を得た時、粗利は100万円になります。

しかし、実際には輸送費や販売に関わる人件費をそこから差し引く必要があるので、企業の手元に残る金額は100万円以下になることが当然だからです。

したがって、粗利とはそのほかの利益とは異なる要素なのだということを常に意識しておかなくてはいけません。

理想的な粗利率

粗利率は、売上に対する粗利の割合です。業種によって理想的な粗利率は異なりますが、利益の総体ともいえる項目なので、ある程度の割合を維持しなくてはいけません。

一般的に、いずれの業界においても粗利率が最低20%以上あることが理想です。

  • 粗利率=売上総利益/売上高×100=売上高利益率

業種に置ける粗利率の理想は以下のようになっています。

  • 卸売業…約16%
  • 建設業界…約20%
  • 製造業界…約22%
  • 小売業界…約30%
  • 通信業界…約45%
  • 不動産業界…約47%
  • 宿泊および飲食業界…約65%

粗利率と粗利伸び率

粗利率が高くなっていることが確認できると、当該企業が順調に業績を伸ばしていることの指標となり、融資を受けやすくなるため粗利の増え方を観察することは重要です。

粗利の成長率のことを、粗利伸び率といいます。粗利伸び率の計算方法は以下の通りです。

  • 粗利伸び率=(当期における粗利-前年度の粗利)/前年度の粗利(前期の売上総利益)×100=売上総利益伸び率

粗利伸び率の計算によって分かることは、年度ごと、あるいは月ごとに会社自体の利益を上げる力=儲けがどのように変化しているかです。

粗利伸び率がマイナスならば当然儲けが減っていて、プラスならば売上が増加していると考えられます。

ただし、儲けの減少は即企業の低迷を意味するものではありません。会社によっては一時的に経済的な成長が止まっているだけで、その後また粗利率が伸びる余地を残している場合もあるからです。

また、粗利伸び率は従業員1人あたりで計算する方法もあります。従業員一人あたりの粗利伸び率が成長し続けており、会社の粗利率も伸びていることが理想です。

もし、企業の売上と儲けがアンバランスになっているとしたら、従業員の粗利伸び率が悪い、人件費をかけ過ぎているなどの理由が考えられます。粗利伸び率は、企業と従業員それぞれの状態を常に観察し、営業に反映することが重要です。

粗利が重要な理由・着目する意味

売上高が伸びていても、原価率が上がっていれば粗利は成長しません。あるいは、粗利が伸びたとしても人件費や経費が増加すれば企業が充分な利益を得られていないことになります。

本当に企業が成長しているかを確認するためには、粗利だけでなく経営利益や純利益の伸び率を知らなくてはいけません。

したがって、売上高と粗利伸び率は企業の利益を知るうえで重要ではありますが、そのほかの利益がどう変動しているのかも併せて監視し続けることが必須となります。

粗利とその他の利益

粗利とは わかりやすく

粗利は売上の中から原価に掛かった金額を差し引いたものなので、売上を考える上での根本的な部分であると考えられます。

しかし、粗利の金額はそのまま企業の手元に残るお金ではありません。さまざまな経費や損失分を差し引いたうえで純利益が算出されます。

そこで、粗利から純利益を計算するまでに関わる利益の項目について説明しましょう。

営業利益と経営利益

営業利益とは、企業が主力としている商品やサービスの販売によって得た売上のことです。経営利益とは、本業以外の事業によって得られた売上をいいます。あるいは、営業利益から借入返済のための利息を引いたものとされることもあります。

売上が上がっていたとしても、借入返済額が増えれば手元に残る金額は少なくなります。利息の支払金額が増えるということは、経営利益が小さくなるということです。

したがって、経営利益の変化を見ることが、企業の営業成績を図るためにもっとも直接的な方策といえます。

純利益

純利益とは、粗利や営業利益の中からイレギュラーな収入や税金、人件費などの必要な出費を差し引いて残る金額のことです。年間、あるいは月間に行った取引によって、最終的に企業の収入となった金額になります。

純利益こそが企業の能力を図る指標となるため、投資家は常に各企業の純利益の変動に注目しています。つまり、会社の株価に影響を与える利益の項目となるため、会社経営の最終目的は純利益を上げることといえるでしょう。

粗利の計算方法

粗利とは わかりやすく

売上総利益の計算は、売上高から売上原価を差し引くことで求められます。売上高とは、事業を運営することで得られたお金の総額であり、原価とは仕入れと製造に関わる金額の総額になります。

売上総利益から販管費を差し引いた金額が営業利益であり、営業利益から営業費用や特別損失などさまざまな費用が差し引かれることで、ようやく当期の純利益が計上されます。

販管費とは販売に関わる経費であり、人件費や営業費が含まれます。あるいは、経営途中で突発的に発生する損失にも対応しなくてはならないので、売上高に対する純利益の率はかなり低くなってしまうのが現実です。

粗利を伸ばすための3つの要因

粗利とは わかりやすく

粗利は企業の直接的な収入ではありませんが、粗利が成長しないことには企業の最終的な収益も増加することはありません。

そこで、経営を安定化させるために、まず粗利を伸ばす取り組みをしなくてはいけません。当該年間の粗利を伸ばすためにどのような取り組みが不可欠なのか、3つの要因について解説します。

過剰に廉売をしないこと

原材料の仕入れにおいて、取引先を失わないためや同業他社にシェアを奪われないために、ある程度相手方の言い値で購入しなくてはいけない場合があります。

または、競争相手に勝つために商品の販売価格を下げることも時には必要です。しかしながら、材料費が高騰しているのに販売価格を下げ続けると、いくら売っても直接的な利益に繋がらず粗利が成長しません。

加えて、一度単価を下げてしまってからもう一度商品を値上げするのは簡単なことではありません。むしろ、過剰な値下げはさらなる値下げを招き、結果としていくら商品を作っても利益が生まれない最悪の状況を招きます。

こうした状態を防ぐには、経営利益、営業利益、粗利、売上高と逆算していって、最終的な販売価格の限界を算定しておくことが重要です。

値下げの限界値を決めておくことで、収益の安定化につなげられるからです。そのほかの方法としては、消費者が短いサイクルで買いなおすような消耗品を取り扱い、儲けの仕組みを作り出すことや、アフターケアをしっかりすることで商品のファンを増やし、リピーターによる売上アップを図るという施策も検討しなくてはいけません。

コストカットに取り組む

売上高を上げるために欠かせないのが、コストカットです。売上高に対する原価率が低くなれば、当然粗利は大きくなるので、原材料の仕入れ価格を安くすることはあらゆる産業で必須の取り組みといえます。

とはいえ、コストカットは必然的に低品質な材料を使わなくてはならないリスクを招きます。そして商品の品質低下に繋がり、ファンが離れて売上そのものが低下し、さらにコストカットをしなくてはならないという悪循環に陥ります。

売値の限界値を定めると同時に、コストのボーダーラインの見極めも大変重要です。

不良在庫を抱え込まない

不良在庫があるということは、そのまま会社の損失に繋がります。材料を仕入れ、製造に掛かった手間賃を加味して価格設定し、販売することで初めて売上が発生するからです。

商品が売れることなく在庫として保管されていることは、製造にかけた分の資金が回収されず赤字を生み出していることに他なりません。

不良在庫の見直し、本当にその製品が必要だったのかの見極めを通して、自社のどこに投資をするべきなのか消費者が求めているモノは何なのかを知り、損失を回避する必要があります。

まとめ

粗利とは、売上全体のなかからまず材料費などの原価を差し引いた金額のことです。粗利の中からさらに人件費や税金も差し引かなくてはならず、最終的な収益ではないことに注意が必要です。

つまり、粗利とは会社の一定期間における「大まかな儲け」ということができます。対して最終的な会社の収入のことを純利益といい、会社の成長率や経営手腕を見極めるために重要な項目として注目されています。

株価を上げたり、投資の額を増やすためには純利益を上げることが不可欠です。しかし、そもそも粗利が上がらなくては純利益も上昇しません。

純利益を上げるための一つの対策として、資金調達の改善が挙げられます。借入や融資を増やすと返済の負担が大きくなります。そこでファクタリングをおすすめします。

現在会社が持っている債権を売却することで一時的に資金を確保することができるからです。借入のように利息が発生しないので、経営に与える負担が少なく済みます。

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