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2024-01-26

ファクタリングの手数料の決まり方とは?

ファクタリングは支払期日が未到来の売掛債権を買い取ってもらい、手数料を控除のうえで現金を受け取れる仕組みです。
そのため、より手取りを大きくしたいなら、手数料がより安いほうが得られる資金を大きくできます。
では、ファクタリングの手数料はどのように決まるのでしょうか。
この記事では、ファクタリングの手数料を決める基本的な要素や決まり方などについてご紹介します。

■手数料がどんな位置づけなのか理解しよう

資金繰り

「手数料が高い・安い」を考える前に、そもそも、ファクタリングがどんな仕組みなのかをよく理解する必要があります。
仕組みを理解すれば、手数料をとられる理由や、どのような要素で決められているのかを理解しやすくなるためです。
まず、ファクタリングは、ファクタリング業者が支払期日未到来の売掛債権を買い取ってくれ、その買取代金を売掛債権を売却した事業者に支払ってくれる資金調達の一手段です。
大きく分けると2つの方法があります。
1つは二者間ファクタリングで、ファクタリング業者と売掛債権を持つ事業者だけで債権譲渡をおこないます。
債権の買取手続きが完了次第、買取代金が振り込まれるのでスピーディーです。
実際に支払期日が到来すると、売掛先は売主に代金を払います。
受け取った代金をファクタリング業者に支払うことで、ファクタリングが完結する方式です。
もう1つの方法は三者間ファクタリングで、売掛先も関わってきます。
ファクタリング業者と売掛債権を持つ事業者が債権譲渡をおこなうことを、売掛先に通知するか、承諾を受けなくてはなりません。
これによってファクタリングを利用する売主は、この取引からは完全に抜けます。
支払期日が来た際は、ファクタリング業者が直接、売掛先に請求をして代金を回収する流れです。
ファクタリング業者は、本来なら支払期日まで待たないと得られない代金を、支払期日到来前に現金として支払ってくれます。
将来の支払いを早期に払う割引手数料とともに、将来代金回収ができるか、そのリスクを踏まえて手数料を設定することになります。

■手数料はファクタリング業者によって異なる

手数料がいくらかは、ファクタリング業者によっても異なります。
各ファクタリング業者のサイトを見ると、手数料の下限や上限が案内されているのが一般的です。
中には下限のみを提示し、上限は明らかにしていないケースやその逆もあります。
また、手数料率は公開していないケースもあります。
つまり、どのファクタリング業者を利用しても同じではなく、手数料に差があることを理解しておきましょう。
同じ売掛債権で申し込んでも、手数料が低いほど手取りは多くなるので、クチコミをチェックしたり、相見積もりをとったりするなどもひとつの方法です。
一般的な傾向として、資金力が旺盛で、売掛債権が未回収となって損失が出ても、その負担が小さく抑えられるファクタリング業者ほど、手数料は低めに設定できます。
また、ファクタリング事業を推進しており事業拡大をしたい業者も、利用者を増やしたいので、手数料を低く設定して手数料の安さをアピールしているケースもあります。
知名度が低いファクタリング業者や小規模なファクタリング業者で、手数料の安さをアピールしている場合には、買い取る売掛債権の上限が低いなど、少額の売掛債権を中心に買い取っているケースが少なくありません。

■手数料はファクタリング業者の審査で決まる

手数料は売掛債権の額などによって一律ではなく、1つひとつの案件ごとにファクタリング業者が審査をして決定するのが基本です。
同じファクタリング業者を利用して、同じ金額の売掛債権で申し込んだとしても、同じ手数料になるとは限りません。
審査基準は各ファクタリング業者によって決められており、通常、非公開です。
もっとも、およその審査項目はあるので、その項目を理解しておくと、手数料に納得感が出ます。
以下で、ファクタリングの手数料はどのように決まるのか、判断基準を詳しく見ていきましょう。

■ファクタリングの手数料を決める判断基準

売上債権回転期間

ファクタリングの手数料がどのように決まるかはファクタリング業者による審査基準によります。
重要なカギとなってくるのは、売掛債権の支払期日が実際に到来した際に代金を回収できる可能性がどれくらいあるのかです。
未回収になるリスクが高いと判断されるほど手数料は高くなり、代金回収の確実性が高いほど手数料は低くなります。
そのための判断基準となる代表的な要素が、以下の点です。

・二者間ファクタリングか三者間ファクタリングか

二者間ファクタリングの場合、売掛先は無関係にファクタリング業者と売掛債権を持つ事業者だけで債権譲渡がおこなわれます。
その代わり、実際に支払期日が到来したら、ファクタリング利用者が売掛先から受け取った代金をファクタリング業者に支払わなくてはなりません。
これに対して、三者間ファクタリングは売掛先に債権譲渡の通知、承諾が必要となり、支払期日が到来すると、ファクタリング業者が直接、売掛先から代金を請求して回収をおこないます。
二者間ファクタリングか三者間ファクタリングかで、手数料率が大きく異なります。
基本的には二者間ファクタリングのほうが手数料率は高く、三者間ファクタリングのほうが手数料率は低く設定されがちです。
その理由は二者間ファクタリングの場合、支払期日到来時に売掛先が支払えなくなるリスクだけでなく、ファクタリング利用者も倒産したり、不誠実な行為により、代金をファクタリング業者に払わなくなったりするリスクがあるためです。
これに対して、三者間ファクタリングの場合は、売掛先の支払い不能リスクだけをファクタリング業者が負います。
つまり、二者間ファクタリングは売掛先とファクタリング利用者の2つの支払いできなくなるリスクがあるため、三者間ファクタリングに比べて手数料が高くなります。

・売掛先の支払い能力・信用力

ファクタリング業者にとって重要となるのは、ファクタリング利用者の信用力よりも、売掛先の支払い能力の高さや信用力です。
売掛先の支払い能力が高ければ、ファクタリング利用者が赤字経営であったり、銀行融資などが受けられない状況にあったりしても、売掛債権を買い取ってくれることが少なくありません。
売掛先の支払い能力が高いほど手数料は安くなり、支払い能力が低いほど手数料は高くなるのが基本です。
たとえば、売掛先が大手企業や資金力が旺盛な成長企業などであると、支払期日に支払ってくれる可能性が高く、手数料は安くなります。
一方で、売掛先が中小零細企業であり、経営が不安定、もしくは赤字決算の企業であることがわかったり、これまでに売掛金の不払いや支払期日に遅延したりといったことがあると、支払い能力が低くリスクが高いと判断されてしまうのです。
支払い能力が低く、リスクが高いほど手数料は高くなります。

・支払期日までのサイト

売掛債権は代金の支払いが先延ばしされ、後払いとなっている債権のことです。
ファクタリングをする時点で、売掛債権の支払期日までの日数がどのくらい残されているかでも手数料に差が生じるのが一般的です。
支払期日までのサイトが長いほど、経済環境の変化や売掛先、ファクタリング利用者の支払い能力の変動リスクが高くなります。
つまり、支払期日までの日数が長くなるほど、もしかしたら売掛先が倒産したり、二者間ファクタリングの場合にはファクタリング利用者も倒産したりするなど、資金繰りが悪化するかもしれません。
そうなると、ファクタリング業者は代金が回収できなくなるリスクが高まります。
支払期日までが長くなるほど、さまざまなリスク要因が顕在化しやすく、手数料は高く設定されます。
これに対して、支払期日までの日数が少ない場合、売掛先やファクタリング利用者のリスクも見えやすいので判断が容易です。
「すぐに倒産するリスクは少ない」「今の時点では経営は悪化していない」「資金繰りに困っていない」など判断がしやすくなります。
支払いサイトが短ければ、その分さまざまな要因の変動リスクが小さく抑えられるので、手数料を低く抑えられます。

・売掛債権の金額

売掛債権の金額が高額になるほど、売掛先の倒産やファクタリング利用者から返金されない場合の未回収リスクが高くなります。
ファクタリング業者が支払期日未到来の際に、利用者に立て替えた代金の回収ができなくなる金額が大きくなるほど、ファクタリング業者の損失が大きくなります。
そのため、売掛債権の金額が高額になるほど手数料は高くなるのが一般的です。
一方、売掛債権の金額が少額であれば、万が一未回収になっても損失額は小さく抑えられます。
そのため、手数料もその損失を見越した金額に抑えられ、売掛債権の金額が大きい場合に比べると低めに設定されます。

■ファクタリング利用者によっても異なる場合もある

ファクタリング利用者が同じファクタリング業者をリピート利用する場合、初回に比べると手数料が低くなる場合も少なくありません。
ファクタリングを利用する事業者は、資金繰りに困っていたり、売掛先の将来の支払いに不安を持って利用したりする企業が多いので、ファクタリング業者としても、代金回収ができるか不安を持ちます。
とくにはじめて利用する場合は、代金回収ができるか不安です。
この点、はじめての利用で、問題なく代金回収ができれば、ファクタリングを利用した事業者の信頼も高まり、売掛先も優良で、良好な取引をしている事業者であると判断できるようになります。
売掛債権の金額が高額であったのに、しっかり回収できれば、信用力も高まるでしょう。
さらにファクタリング利用のリピート回数が多くなり、すべて問題なく売掛債権の回収ができれば、さらに信頼は厚くなります。
そのため、ファクタリングを何度も利用する場合、その都度別のファクタリング業者を利用するよりかは、同じファクタリング業者を利用したほうがおすすめなのです。
手数料率も下がり、売掛債権の買取代金が振り込まれるまでのスピードも速くなることが期待できます。

■まとめ

ファクタリングの手数料はどのように決まるかといえば、売掛債権の支払期日が実際に到来した際に、代金を回収できる可能性がどれくらいあるのかによります。
未回収になるリスクが高いと判断されるほど、手数料は高くなります。
手数料を決める判断要素として、二者間ファクタリングか三者間ファクタリングか、売掛先の支払い能力・信用力、支払期日までのサイト、売掛金の金額が主なポイントです。
二者間ファクタリングは売掛先だけでなく、ファクタリング利用者の倒産リスクも背負うため、三者間ファクタリングに比べて手数料が高く設定されます。
売掛先の支払い能力が高いほど手数料は安く、支払い能力が低いほど手数料は高くなります。
支払期日までのサイトが長いほど、経済環境の変化や売掛先、ファクタリング利用者の支払い能力の変動リスクが高くなるので、手数料は高く設定されるのが基本です。
売掛債権の金額が高額になるほど、未回収リスクが高くなるので手数料は高くなります。