2022-09-07
ファクタリングにおける割引料とは?内訳や抑えるポイントも解説

ファクタリングは売掛債権を売却して早期に資金調達をする仕組みですが、利用には「割引料」の支払いが必要です。
この割引料の仕組みや相場、具体的な金額について知らない方も多いでしょう。
本記事では、ファクタリングにおける割引料がどのようなものか、相場はどの程度か、そして手数料を抑えるためのポイントを詳しく解説します。
ファクタリングの割引料とは?

さっそく、ファクタリングの割引料について説明します。
割引料がどのような仕組みなのか、内訳や税金などの概要をチェックしましょう。
ファクタリング会社に支払う手数料
ファクタリングを利用する際によく出てくる『割引手数料』とは、サービスを利用する際にファクタリング会社に支払う手数料のことを指します。
売掛金の額面の金額-割引料が、実際に受け取れる金額です。例えば1億円の売掛債権をファクタリングする場合、1億円の中から、割引手数料が差し引かれた金額のみ受け取れる仕組みとなっています。
売掛債権の金額を満額受け取れると勘違いしている人は、注意しておきましょう。
割引料の内訳
ファクタリングにおける割引料の内訳は、次の4つです。
- 債権譲渡登記費用
- 審査・事務手数料
- 印紙代
- 出張費用
債権譲渡登記費用は登記免許税として支払うもので、相場は7,500円程度です。
司法書士に依頼する場合は、別途報酬が発生するため注意しましょう。
また、債権譲渡登記ができるのは法人のみとなります。
診査・事務手数料は、審査や経費にかかった諸費用です。
印紙代は、債権譲渡契約を締結する場合に張る印紙税で、1万円未満の場合は非課税、2万円以上の場合は200円です。
電子契約の場合、印紙代を支払う必要はありません。
出張費用は、交通費や出張費用であり、ファクタリング会社の規定に基づいて請求されます。
注意が必要なのは、手数料に割引料を含んでおらず、別途請求される可能性があることです。
悪質な業者の場合、不必要な手数料や高額な出張費用が請求される場合もあるため、細かく内訳を確認しましょう。
割引料は基本的に非課税
ファクタリングにおいて、割引料などの手数料は、基本的に非課税です。
ただし、債権譲渡登記が必要な場合は、消費税の課税対象となるため注意しましょう。
司法書士に手続きを依頼する場合に発生する報酬や交通費なども、課税対象となります。
そもそもファクタリングとは?

ファクタリングとは、本来の期日前に売掛債権をファクタリング会社に売却することにより、早期に現金化を可能にする金融サービスです。ファクタリングは、お金の貸し借りではなく売買契約にあたるため、銀行融資や借入とは異なり、負債を増やさず資金調達ができるというメリットがあります。
これにより、企業は資金繰りを改善できるため、急な資金需要や黒字倒産のリスクを防ぎやすくなるでしょう。
注意点は、売掛金の額面から「割引料」が差し引かれた金額を受け取る仕組みとなっていることです。
契約方法は2種類
ファクタリングの契約方法は「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類です。
2社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社で取引を行い、売掛先にはファクタリングの利用を知られることなく取引が完了するという特徴を持っています。
3社間ファクタリング

一方の三社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社に加えて、売掛先も取引に関わることが特徴です。
ファクタリングの割引料を抑える6つのポイント

ファクタリングを有利な条件で進めるためには、割引料を抑えることが大切です。
ここでは、ファクタリングの割引料を抑えるポイントを6つの項目に分けて、割引料の相場もあわせて解説します。
①3社間ファクタリングを利用する
ファクタリングには「2社間」と「3社間」の2種類がありますが、次の表で解説するように、種類によって割引料の相場が大きく変わります。
| 契約方法 | 割引料の相場 |
|---|---|
| 2社間ファクタリング | 10~20% |
| 3社間ファクタリング | 1~10% |
2社間の割引料が高くなる理由は、ファクタリングの構造に違いがあるためです。
3社間の場合、利用者とファクタリング会社の他に売掛先の企業も取引に関わり、売掛先からファクタリング会社に売掛金が直接支払われます。一方の2社間は、利用者がファクタリング会社への支払いを代行する形となるため、利用者が勝手に資金を流用するリスクを考慮して、割引料を高めに設定しているのです。
②信用度が高い売掛先を選ぶ
信用度が高い売掛先を選ぶことも、ファクタリングの割引料を抑えるうえで有効なポイントです。
ファクタリング会社に『売掛先はキチッと支払いをしてくれる相手だ』と安心してもらうと、割引手数料は低めに設定される傾向があります。倒産寸前など、経営状態が悪い売掛先の場合、ファクタリング会社がリスクを感じるため、割引料が上がる可能性が高いです。
③自社の信用度を上げる
売掛先だけでなく、自社の信用度を上げることも重要なポイントです。ファクタリング会社に提出する書類に不備がないか細かく確認したり、担当者との連絡を密に取ったりすることにより、自社の信用度が上がり、割引料を抑えやすくなります。
また、繰り返し同じファクタリング会社を利用すると信頼度が上がるため、複数回ファクタリングを利用する場合は、前回と同じファクタリング会社を利用しましょう。
なお、他社でファクタリングの利用実績がある場合も、割引料が下がるケースがあります。
④高額な売掛先を選ぶ
ファクタリングの割引手数料は、売掛債権の買取金額に対する割引率で決まります。そのため、高額な取引を依頼すると、ファクタリング会社側の利益が増えるため、割引率の引き下げ交渉に応じてもらいやすくなる傾向があります。
手数料を抑えたい場合は、可能な限り高額の取引を依頼しましょう。
⑤支払い日数を短くする
支払い日数が長すぎると、その間に倒産したり、資金がこげついたりするリスクがあり、ファクタリング会社が警戒しがちです。反対に、支払い日数が短いと、ファクタリング会社にとってのリスクが少なくなります。
無理のない範囲に調整する必要がありますが、割引料を抑えたい場合は、できるだけ支払い日数を短くしましょう。
⑥一括割引方式を利用する
ファクタリングには、支払い方法によって割引料の相場が異なるという特徴があります。
| 支払い方法 | 割引料の相場 |
|---|---|
| 一括割引方式 | 10%前後 |
| 個別割引方式 | 15%前後 |
一括割引方式は、売却した売掛債権の売却金額を1度でまとめて受け取れる方法で、ファクタリング会社の手間を省けるため手数料を抑えやすくなります。一方の個別割引方式は、売掛債権の売却金額を複数回に分けて受け取る方式であり、手間がかかる分だけ割引料が高くなるのです。
割引料をできるだけ安く抑えたい場合は、迷わずに一括割引方式を選びましょう。
まとめ
ファクタリングの割引料は、利用する会社や契約内容によって大きく異なります。
しかし、ファクタリングの仕組みと割引料を抑えるためのポイントを理解していれば、より安価にサービスを利用することが可能です。
できるだけコストを抑えてファクタリングを利用したい方は、ぜひ本記事で紹介したポイントを参考にしてください。
