2022-09-21
ファクタリングは中小企業の経営改善に役立つ?活用するケースや得られる効果について解説

中小企業は、大手企業と比較して潤沢な資金源を有しているケースは少なく、日々の資金繰りで頭を悩ませている経営者の方も多いでしょう。
そして、資金調達手段として利用される機会が増えてきたのが、ファクタリングです。
そこで今回の記事では、ファクタリングが中小企業の経営改善に役立つ策となるのか、中小企業だからこそ利用すべき5つの特徴にフォーカスして解説します。
大手とは違う、中小企業ならではの5つの事情

事業経営においては、大手や中小に関係なく共通する問題がありますが、中小企業は特に資金繰りに悩みやすいのが実情です。
大手企業であれば豊富な資金で対応できますが、中小企業となると難しい場合も多いでしょう。
資金調達方法には、従来の銀行融資や新たな選択肢であるファクタリングがあります。
まずは、中小企業の資金繰り問題の実態を確認し、どちらの調達手段が適しているのかを確認していきましょう。
中小企業の資金繰り問題には、以下5つの事情があります。
<中小企業ならではの5つの事情>
それぞれに関して詳しく解説していきます。
銀行融資が難しい
資金調達手段としての銀行融資は、中小企業にとって難しい場合が多いです。
大手企業と比較すると、事業歴や事業実績が少ないため、融資を断られてしまうケースもあります。
特に、スタートアップや赤字決算があるような中小企業は、まず銀行融資の審査を通過できないでしょう。
資金調達をしたいのに、融資を受けられない悩みを抱えている中小企業、経営者は非常に多いです。
黒字倒産する企業も多い
大手企業が何かと目に付きやすいかも知れませんが、日本の企業の約8割は中小企業であり、中小企業が日本経済を支える基盤となっています。
また、毎年多くの企業が設立されて中小企業に分類される一方、利益が出ていても資金繰りの悪化で倒産する「黒字倒産」も少なくありません。
中小企業は先に挙げたように、銀行融資を受けられないことも多いため、手元の必要資金が枯渇しやすいです。
そのため、売上や売掛金があるものの、支払いのための資金が準備できず、倒産を余儀なくされる中小企業も多くあります。
買掛金の未払い・遅延は事業継続を危うくする
銀行融資の難しさを含め、十分な手元資金がない状況であっても、買掛先への支払いや固定費などの支払いは発生します。
日本における商取引のほとんどは「信用取引」であるため、買掛金の支払いが遅れたり、払えなかったりする場合、取引先企業との信頼は失われてしまいます。
一度の支払い遅れであれば、企業によっては大目に見てもらうこともあるかもしれません。
しかし、それが何度も続くとなると、関係の悪化は避けられないでしょう。
特に中小企業の場合、事業を継続するためには、取引先企業との信頼関係が必要不可欠です。
信頼のない企業とは取引できないため、取引解消、取引縮小へとつながってしまうでしょう。
資金プールが不足しているケースが多い
会社設立のための条件として、2006年までは1,000万円以上の資本金が必要でしたが、2007年以降から資本金1円でも起業が可能となりました。近年では、平均資本金は300万円ほどとなっています。
資本金に関する規定が緩和されて起業しやすくなった一方、十分な資金のプールがないまま始められるため、手元の資金繰りに苦労してしまうことも多いようです。
タイムリーな資金調達が必要な場面が多い
中小企業は潤沢な資金プールを用意できるケースが少なく、銀行融資などで新たな資金を確保することも容易ではありません。
さらに、買掛金の未払い、支払い遅れは取引悪化の引き金になり、事業が破綻してしまう可能性もあります。
また、売上を十分に上げていても、黒字倒産に陥る可能性があります。
したがって、中小企業は、緊急性の高い資金調達に直面する可能性が高いことが特徴です。
中小企業がファクタリングを活用するケース

中小企業において、特に急な支払いなどで現金が必要なときに、ファクタリングは迅速で柔軟な資金調達方法として注目されています。
従来の融資以外の選択肢として、ファクタリングはどのような場面で活用できるかを見ていきましょう。
資金繰りが厳しいとき
資金繰りが厳しい状況では、すぐにキャッシュが必要です。
たとえば、急な支払いが発生した場合や、売上の入金が遅れているときに、ファクタリングを利用することで迅速に資金を確保できます。
ファクタリングは、売掛金を売却することで現金を得る仕組みであり、通常の融資よりも手続きが簡便であり、最短で即日入金が可能です。
このため、資金繰りが厳しいときにこそ、ファクタリングは強力な助けとなります。
取引先の信用リスクを回避したいとき
取引先の信用リスクを回避したい場合も、ファクタリングは非常に有効です。
特に、取引先が経営不振に陥った場合、売掛金の回収が困難になるリスクがあります。
ファクタリングを利用することで、売掛金を早期に現金化し、取引先の信用リスクを軽減できます。
これにより、資金繰りの安定性を保ちながら、経営のリスクを分散させることが可能です。
審査が通らず融資が下りないとき
銀行融資の審査に通らない場合も、ファクタリングは代替手段として役立ちます。
銀行融資は、企業の財務状況や信用情報が厳しく審査されるため、特に新興企業や赤字企業にとってはハードルが高いです。
一方、ファクタリングは売掛先の信用力が重視されるため、企業自身の財務状況が不利でも利用しやすいのが特徴です。
これにより、資金調達の選択肢が広がり、経営の継続性を確保できます。
ファクタリングの活用で中小企業が得られる効果

ここでは、中小企業の経営者の方が、ファクタリングを活用することで得られる効果を3つご紹介します。
即日で資金を調達できる
ファクタリングの最大の魅力は、最短即日で資金を調達できる点です。
通常、売掛金の回収には1〜2ヶ月かかることが多いですが、ファクタリングを利用すれば、契約後すぐに現金を手にできます。
急な支払いが発生した際や、運転資金が不足した場合でも迅速に対応できるため、経営の流動性が保たれます。
特に銀行融資では長い審査期間が必要なため、ファクタリングは中小企業にとって有効な資金調達手段となるでしょう。
売掛金回収のリスクを回避できる
ファクタリングを利用することで、売掛金の未回収リスクを大幅に軽減できます。
ファクタリング契約には償還請求権がない場合が多く、取引先が倒産しても、自社が売掛金を回収できないリスクを負うことがありません。
そのため、経営者は売掛金の回収に関する不安を軽減し、安心してビジネスを進められます。
また、ファクタリングは、取引先に対しても影響を与えないため、関係性を維持しながら資金調達が可能です。
経営状況に関係なく利用できる
ファクタリングは、企業の経営状況にかかわらず利用できる点も、大きな利点です。
銀行融資では、企業の財務状況や信用力が重視されますが、ファクタリングでは売掛先の信用力が主な審査基準となります。
そのため、赤字経営や創業間もない企業でも、安定した取引先があれば、ファクタリングを利用できます。
結果として資金調達の選択肢が広がり、経営の安定化にもつながるでしょう。
ファクタリングが向いている中小企業

ファクタリングは、特に以下のような資金繰りの課題を抱えやすい中小企業に向いています。
<ファクタリングが向いている中小企業>
- 製造業
- 建設業
- システム開発業
- 医療機関
たとえば、製造業や建設業では、納品後の支払いまでに時間がかかるため、資金繰りが厳しくなりやすいです。
システム開発業も、プロジェクト完了後の入金が遅れることが多く、ファクタリングが有効です。
医療機関では、診療報酬の支払いが遅れるため、ファクタリングを利用することでキャッシュフローを改善できます。
これらの業種は売掛金の発生が定期的で、資金調達のニーズが高いため、ファクタリングとの相性が良いといえるでしょう。
ファクタリングを利用する場合の注意点

ファクタリングは便利な手段ですが、利用する際はいくつかの注意点があります。
特に、信頼できる業者の選定や契約内容の確認が重要です。
これらを怠ると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるので、ぜひ押さえておきましょう。
信頼できる業者か確認する
ファクタリング業者を選ぶ際には、信頼性を確認することが不可欠です。
優良な業者の特徴としては、以下の点が挙げられます。
| 優良な業者の特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 透明性のある情報開示 | 会社名、代表者名、所在地、連絡先などの基本情報が明確に公開されていること。 |
| 契約書の整備 | 契約書がしっかりと作成され、内容が明確であること。特に、償還請求権の有無についての記載が重要。 |
| 口コミや評判の高さ | インターネット上での評判や口コミをチェックし、過去の利用者の体験を参考にする。 |
悪徳業者は、手数料が異常に高かったり、契約内容が不明瞭であったりすることが多いです。
特に、償還請求権がある契約を結ぼうとする業者には、注意しましょう。
償還請求権について確認する
一般的に、ファクタリングはノンリコース契約(償還請求権なし)が望ましいとされています。
償還請求権とは、売掛先が支払いを行わなかった場合に、ファクタリング会社が利用者に対してその金額を請求できる権利のことです。
この権利があると実質的には融資契約となり、売掛金が回収できなかった場合には、利用者が返済責任を負うことになります。
一方でこの権利がない場合、利用者は返済義務を負いません。
契約書をしっかりと確認し、償還請求権がないことを確認することが重要です。
手数料が相場の範囲内か確認する
ファクタリングの手数料は業者によって異なりますが、相場を把握しておくことが大切です。
一般的な手数料の目安は、以下のとおりです。
| 契約方式 | 手数料率 |
|---|---|
| 2社間ファクタリング | 10%~30% |
| 3社間ファクタリング | 5%~10% |
手数料が相場から大きく外れている場合は、悪徳業者の可能性があります。
特に、手数料が異常に低い場合は、実質的な融資契約である可能性が高く、注意が必要です。
適正な手数料を確認するためにも、複数の業者から見積もりを取り、相場を比較することをおすすめします。
ファクタリングに関するよくある質問

ここでは、ファクタリングでよくある質問を解説します。
ファクタリングのデメリットは?
手数料が高く、資金調達コストが増えることがあります。
ファクタリングは早期に資金を得られる魅力がありますが、手数料がかかります。
特に、短期間で多額の資金を必要とする場合、手数料の負担が大きくなることがデメリットだといえるでしょう。
ファクタリングはどの業種でも利用できる?
基本的には多くの業種で利用可能ですが、条件が異なる場合があります。
売掛債権が発生する事業であれば、基本的に利用可能です。
ただし、売掛先の信用状況や債権の性質によっては、審査で断られる場合があります。
ファクタリング会社に売掛金の支払いが遅れたらどうなる?
支払い遅延が続くと、契約違反としてペナルティが生じることがあります。
売掛金の支払いが遅れると、ファクタリング会社はリスクを負うことになります。
そのため、ペナルティや追加の手数料が発生することがあり、信用にも影響を与える可能性があるので、注意しましょう。
まとめ
ファクタリングが中小企業の経営改善にとって役立つ策となるのか、中小企業の資金繰りの事情や、資金調達手法の条件に触れて解説してきました。
中小企業はさまざまな事情から、銀行融資を受けることが難しいケースが多いです。
その一方で、ファクタリングは中小企業であっても、利用できる可能性が高いです。
しかし、ファクタリングにもデメリットがあり、悪徳業者が存在するなどの危険性もあります。
利用しやすいからとすぐに判断せず、安全なファクタリング業者であるかどうかを確認するようにしましょう。
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