2022-12-12
ファクタリングは2種類を使い分ける!買取型と保証型のメリット・デメリットを徹底解説
ファクタリングには、売掛金を売却する買取型の他に、売掛金の貸倒れを補償してもらう保証型ファクタリングがあります。
この記事では、2種類のファクタリングの基本的な仕組みや特徴を解説しています。
それぞれのサービスのメリット・デメリット、具体的な利用方法についても載せていますので、ファクタリングの選び方にお困りの方はぜひご一読ください。
ファクタリングの主な2つの種類
ファクタリングは、大きく分けて買取型と保証型の2種類があります。
まず買取型とは、売掛金の資金繰りを迅速に行うためのサービスです。買取型サービスには、買取ファクタリング、診療報酬ファクタリング、一括ファクタリング、注文書ファクタリングの4種類が含まれています。
日本では一般的に買取型ファクタリングが利用されているため、ファクタリングといえば、買取型ファクタリングのことを指すのが一般的です。
それに対して、保証型とは保証ファクタリングと国際ファクタリングのことを指します。買取型のようにすぐに資金調達する目的では利用されないのが特徴です。
ファクタリングには多くの種類があり、それぞれに異なる特徴があることを覚えておきましょう。
買取型ファクタリングの仕組み
まずは、買取型ファクタリングの仕組みを見ていきましょう。
支払期日前に現金化
買取型では、ユーザーが保有する売掛金をファクタリング会社が買い取り、請求金額が入金される前に現金化します。
売掛金とは、商品やサービスを販売した際に発生する請求可能な権利のことです。
一般的に国内企業では、商品の販売から報酬の受け取りまで最低でも1カ月、遅い場合は3カ月以上かかるといわれています。
支払期日前に現金化できるファクタリングサービスは、資金繰りなど、さまざまな目的で利用されています。
買取型の契約形態は2種類
買取型ファクタリングの契約形態は、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類があります。
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社で取引が完結するため、取引先に知られることなく資金調達ができるサービスとなります。
3社間ファクタリングは、取引先も契約に参加するサービスです。
手数料が安く済むのがメリットですが、取引先に利用が通知されるため、信用問題に発展する可能性があるため注意が必要です。
説明の段階で売掛先がファクタリングによる資金調達に理解を示さないと、資金繰りに問題のある企業というレッテルを貼られ、その後の取引に影響を与える可能性が出てくるでしょう。
そのため、中小企業の資金調達では、2社間ファクタリングを利用することがほとんどです。
買取型ファクタリングを利用する4つのメリット
ここからは、買取型ファクタリングを利用するメリットを紹介します。
キャッシュフローが改善できる
売掛金をファクタリング会社に譲渡することで、取引先と取り決めた支払期日までに現金化することが可能です。これにより、企業のキャッシュフローが改善される効果があります。
そもそも、企業の間では現金取引ではなく後日支払いを行う「掛け取引」が主流ですが、売掛金を現金化できるまでのタイムラグが長引くと、必然的に資金繰りが悪くなります。
つまり、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、キャッシュフローの改善を図ることができ、資金不足に対応できるのです。
取引先の信用力を活用できる
買取型ファクタリングを行うことで、取引先の信用力を活用することができます。買取型では、売掛金の信用力が極めて重要です。
極端にいえば、利用者が税金未納などで信用情報が悪くても、取引先の信用力が高ければファクタリングは行えます。
自身の信用力が低くても資金調達ができる点は、大きなメリットだといえるでしょう。
スピーティーな資金調達ができる
買取型ファクタリングは、資金調達スピードに優れています。
銀行融資の場合、優良企業でも最短で2週間、多くの中小企業では通常1ヶ月程度かかります。最短即日融資を謳っているサービスでも、実際に即日で資金調達できるケースはほんの一握りです。
これに対し、買取ファクタリングはスピーディーな資金調達が可能です。そのため、資金調達を急いでいる場合は、買取型ファクタリングがおすすめです。
自社の借入金に計上されない
買取型ファクタリングは、自社の借入金に含まれない点もメリットです。
ファクタリングは銀行等の融資と異なり、売却した売掛金に対して資産が減少し、受け取ったお金の分資産は増えることになります。
そのため、ファクタリングを利用しても貸借対照表上の負債が変わらないという利点があり、負債比率を上げたくない場合の資金繰りに適した方法です。
買取型ファクタリングのデメリット
買取型ファクタリングのデメリットは、手数料の高さです。
銀行やノンバンクから融資を受ける際の調達コストは金利であり、借入額に対する年利で計算されます。
これに対し、買取型ファクタリングの手数料は、ファクタリングの対象となる売掛金の額面金額で計算されます。そのため、できるだけ手数料が安いファクタリング会社を選ぶことが大切です。
また、買取型ファクタリングを行っている会社の中には、悪質な会社が紛れていることもあります。
そもそも買取型ファクタリングは取引の一種として債権譲渡取引に含まれるものであり、融資とは根本的に異なるものです。
しかし、悪質な業者は、実質的に貸金業と変わらない条件で契約を結んでいます。そのため、会社選びは慎重に行わなければいけません。
保証型ファクタリングの仕組み
保証型ファクタリングはその名の通り、売掛金を保証する、いわば保険のような形で利用するファクタリングです。ここからは、保証型の特徴を紹介します。
売掛先の信用調査を実施
保証ファクタリングを依頼すると、ファクタリング会社は売掛先(保証先)の信用調査を行い、保証の可否や保証条件を決定します。この時点で売掛先の経営に問題がある場合は、保証を断られる可能性が高くなります。
保証を引き受けた場合は、ファクタリング会社は保証額の上限を設定します。取引先の倒産などで売掛債権が不良債権化した場合、売掛金の保証が履行されることになります。
そのため、保証型ファクタリングは資金調達のために利用するのではなく、貸倒れリスクを回避するために利用します。不良債権対策として資金繰りを安定させることができるのです。
銀行系ファクタリング会社の利用が一般的
一般的にファクタリング会社は銀行系と独立系に分かれますが、保証型ファクタリングを利用する場合は、基本的には銀行系でサービスを受けられます。
売掛金の保証には、高度な調査・審査能力が求められます。調査・審査能力が不十分な場合、リスクの高い保証を引き受ける可能性が高くなり、事業として成り立たなくなる可能性があります。
その点、銀行は融資が本業です。売掛金保証の能力を十分備えているといえるでしょう。
海外企業との取引にも対応
売掛保証は銀行系ファクタリング会社の得意分野であるため、海外との取引を含め、幅広い売掛金に対応することができます。
国際取引を対象としたファクタリングは国際ファクタリングと呼ばれ、売掛保証の一種です。
国内企業が海外企業に輸出し、海外企業が債務者である場合に、売掛金を担保してもらえます。
海外企業との取引では、言語や文化の違いから与信審査が難しく、国内取引よりもリスクが高くなります。そこで、国際ファクタリングを利用することで、このリスクに備えることができます。
国際的な取引となるため、売掛金を保証するファクタリング会社は、海外(現地)のファクタリング会社と連携するために高いスキルが必要となります。
また、銀行系の売掛保証専門のファクタリング会社でも、国際取引に対応できるノウハウと人材がなければ、対応できないでしょう。
実際、海外取引の売掛金保証を扱っているのはメガバンク系のファクタリング会社だけです。これも保証ファクタリングの明確な特徴です。
保証型ファクタリングを利用する3つのメリット
ここからは、保証型ファクタリングを利用する具体的なメリットを紹介します。
売掛金未回収のリスクを排除できる
最大のメリットは、未回収の売掛金が全て保証されることです。取引先の倒産リスクに備えることで、自社の資金繰りを悪化させることなく、安定した経営ができるようになります。
与信審査はアウトソーシングできる
通常、信用取引を行う際には自社で与信審査を行う必要がありますが、個人事業主や中小企業の場合、与信に必要な情報を入手することが困難な場合があります。
その点、保証ファクタリングを利用すれば、売掛金保証契約を締結する前に専門業者による与信審査を実施することができます。
これにより、取引先の信頼性を再確認することができ、今後取引を継続するかどうかの判断材料のひとつとすることが可能です。
取引先に知られることなく契約できる
取引先にこのようなサービスの利用を検討していることが知られると、取引状況を疑われていると誤解されたり、信頼関係が築けなくなったりするのではないかと不信感を抱く人もいます。
とはいえ、保証型ファクタリングは企業と保証会社の契約であるため、取引先に利用を知られる心配がありません。
保証型ファクタリングのデメリットは?
そこまで高額ではないとはいえ、保証型ファクタリングには当然保証料がかかります。
ファクタリング会社はそもそも取引先を厳しく審査し、貸し倒れリスクが低いと判断した場合にのみ保証を引き受けています。
つまり、保証付きファクタリングの審査を通過した取引先の売掛金というのは、貸倒れリスクが極めて低いということです。それにも関わらず、保証料を支払うのは損と考える企業も少なくありません。
また、保証を付けずに手元に売掛金を残しておけば、資金不足に陥った際に買取ファクタリングを利用して資金を調達することも可能です。
さらに、保証型ファクタリングは審査が通らないことが多いといわれています。不良債権のリスクを精査し、問題があると判断された場合は保証を引き受けてもらえません。
こうしたデメリットも考慮した上で、保証型を選ぶかどうかを判断しましょう。
まとめ
取引先が倒産し、売掛金の回収ができなくなると、資金繰りが悪化するだけでなく、最悪の場合、連鎖的に倒産するリスクが高まります。
そのため、取引先候補の支払能力を確認したい場合や、取引額を調整するために信用調査を行いたい場合は、保証ファクタリングを利用することで、不測の事態に備えることができます。
とはいえ、保証型には保証費用や審査落ちの可能性などのデメリットがあります。また、主に銀行や消費者金融のファクタリング会社が提供しているサービスなので、相談しづらいと感じることもあるかもしれません。
そのような場合は、買取ファクタリングを中心にサービスを提供している、地元に密着した独立系のファクタリング会社に相談するとよいでしょう。
『QuQuMo』は多くの方に利用されている実績があり、インターネットでの申し込み完了システムも備えています。
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