2022-12-12
売掛金はなぜ資産なの?売掛金の意味や分類を詳しく解説!
売掛金の仕訳は、勘定科目などの基礎知識が必要な作業となります。
掛け取引において扱う売掛金や買掛金は、仕訳の際に使う重要な勘定科目ですが、それぞれ分類が異なります。
また、売掛金とよく似た意味を持つ勘定科目もあるため、それぞれの意味をしっかりと理解しておかなくてはなりません。
そこで本記事では、仕訳の勘定科目についてや、売掛金の基礎知識について詳しく解説します。
仕訳の勘定科目について解説
売掛金の意味や使い方を解説する前に、経理の仕訳処理の基礎知識を詳しく解説します。
仕訳の考え方
企業の経理で行われる仕訳ですが、取引を大きく分けて5つのグループに分けられます。
- 資産
- 負債
- 資本
- 費用
- 収益
本記事のテーマである売掛金はこの中の資産に分類され、売掛金と類似している買掛金は負債の科目に分類されます。
取引が発生したタイミングで、その取引において発生したお金がどのグループに分類されるのかをチェックし、どのグループに分類されるのかがわかったら、その中のどの勘定科目を使うのかを確かめ、金額の計算を行います。
それぞれの勘定科目
以下の表は、5つのグループそれぞれの勘定科目の例です。
グループ | 勘定科目 |
資産 | 現金・預金・売掛金・建物など |
負債 | 買掛金・未払金・預かり金・借入金など |
資本 | 資本金 |
収益 | 売上高・雑収入など |
費用 | 商品仕入高・給料・旅費交通費・消耗品費など |
なぜ売掛金は『資産』のグループなのか
売掛債権と呼ばれることもある売掛金ですが、これは掛け取引において扱う勘定科目の1つです。
資産とは、企業が所有する財産の中で利益を生む価値があるもののことを指します。
つまり、売掛金は後日お金を受け取ることができる権利なため、企業にとっては将来利益を生む価値を持った財産という分類になります。
他にも、現金、預金、建物など、どれも利益を生む価値を持っているものが資産として分類されています。
売掛金の基礎知識
以下では、売掛金の意味や類似した単語について解説します。
売掛金とは
資産の勘定科目として分類されている売掛金ですが、売掛金は掛け取引において登場する単語です。
通常の取引では、商品やサービスを販売した際、その場で料金の支払いが行われます。
しかし、一度に大量の商品を提供したため支払いが高額になる場合や、複数回に渡って商品の提供を行い、何度も支払いをしないといけない場合などでは、その場で支払いが行われないケースがあります。
これらのケースでは、期日を決め、後日まとめて支払いが行われるのですが、この取引のことを掛け取引といいます。
掛け取引で、商品を仕入れた側には商品の代金を支払う義務が発生し、これが買掛金です。
一方、商品を納品した側の企業には、商品の代金を請求することのできる権利が発生し、これを売掛金、または売掛債権といいます。
つまり、売掛金があれば取引にて発生した代金を請求することが可能なため、資産の勘定科目に分類されます。
売掛金と買掛金の違い
『売掛金』と『買掛金』は文字が似ていることから混同されがちな単語ですが、明確な相違点があります。上記でも紹介した通り、両者とも掛け取引において登場する勘定科目です。
掛け取引において、買い手側に発生するのが『買掛金』であり、売り手側に発生するのが『売掛金』となります。
所有者 | 意味 | |
売掛金 | 商品提供をした企業 | 代金を請求できる権利 |
買掛金 | 商品を仕入れた企業 | 代金を支払わなければいけない義務 |
このように、売掛金と買掛金には真逆の意味があるので注意が必要です。
売掛金と売上の違い
売掛金と売上も、言葉と意味が似ていることからよく間違われやすい単語です。
売上とは、掛け取引等で商品やサービスを提供した際、その見返りとして支払われるお金を計上する時に行う仕訳処理のことを指します。
一方で、売掛金は売上を計上したとしても、肝心な代金は未回収の状態です。
つまり、売上と売掛金の違いは代金が回収されているか、回収されていないかの違いがあります。
売掛金取引の際の注意点
次に、売掛金取引の際の注意点を解説します。
手間が省けるなどの利点がある売掛金取引ですが、しっかりと理解し対策しておかなければいけない注意点もあるため、売掛金取引を検討している方はぜひチェックしてみてください。
未回収のリスクがある
掛け取引ではその場で支払いを行わず、後日まとめて支払いが行われます。
商品を納品した側としては、商品を販売・提供したのにも関わらず、一定期間お金を受け取ることができません。
そのまま日にちが過ぎ、自社と取引先がともに支払いがあることを忘れてしまっていた場合、商品を提供したのにも関わらず、代金を回収できないという事態に陥ってしまいます。
また、取引先の企業の経営が悪化し、仕入れた分の代金の支払いができなくなってしまったと申し出をしてくる可能性も0ではありません。
取引先の企業が倒産してしまい、連絡すら取れなくなってしまうという事も起こり得ます。
掛け取引を行う際は、上記のような事態が起こることを想定し、売掛金を回収できなくなってしまう可能性があるということを覚えておかなくてはなりません。
もちろん、掛け取引を行なった時点で取引先には代金を支払う義務が、自社には代金を受け取る権利が発生します。
しかし、その場で代金の支払いをしていない以上、このような代金の未回収のリスクがあるということを覚えておきましょう。
資金繰りが難しい
商品の提供だけを行い、支払いは後日まとめて行う掛け取引では、企業の資金繰りを安定させることが難しいという点が挙げられます。
掛け取引の取引先の数は1社だけとは限らず、また同じ取引先であっても短期間で複数の商品提供を行うケースもあるでしょう。
商品を提供するには、以下のようなコストが必要です。
- 従業員の給与
- 光熱費等
- 商品の製造にかかる費用
上記以外にも、企業を運営していく上ではランニングコストが必ずかかります。
提供をしているだけで一向に代金の支払いがされないままでは、企業は倒産してしまいます。
支払いはされたとしても、期限が前後する場合もあるでしょう。
そのため、掛け取引にて商品を提供する場合は、資金繰りが難しくなることを想定し、余裕を持った資金繰りができる準備を整えておくと良いでしょう。
売掛金の未回収リスクに備えた対策を紹介
掛け取引をする上で、商品の提供をする側の企業としては、未回収のリスクというのはほとんどの企業が抱える悩みです。
しかし、ファクタリングを利用することで、未回収のリスクを0にすることができるのです。
以下では、ファクタリングの意味や仕組みについて詳しく解説します。
ファクタリングとは
ファクタリングとは、掛け取引において、商品を提供する側の企業が利用することのできる便利なサービスです。
ファクタリングは、企業が保有している売掛債権をファクタリング会社へ売却することによって、あらかじめ取引先との間で決められていた支払い期限を前倒しし、ファクタリング会社が売掛金の支払いをしてくれるというサービスです。
早期に資金調達をすることが可能
ファクタリングが他の金融サービスよりも優れている点として挙げられるのが、調達までに要する期間です。
銀行による融資や借入などのサービスを利用した場合、実際にお金を受け取るまでに数週間〜1ヶ月程度かかってしまいます。
しかし、ファクタリングであれば最短で申し込みをした当日、遅くても1週間程度で資金調達ができてしまうため、現状どのサービスよりも早期に資金調達ができるサービスとなっています。
また、申込みに関する手続きも簡単で、審査も比較的通過しやすくなっているため利用に対するハードルも高くありません。
2社間・3社間の2種類の契約方法がある
早期に資金調達が可能なファクタリングですが、実は2種類の契約方法があります。
- 2社間取引(利用者⇄ファクタリング会社)
- 3社間取引(利用者⇄ファクタリング会社⇄取引先企業)
利用者とファクタリング会社のみで行われる2社間取引では、取引先にファクタリングの利用を知られることなくサービスを利用することができるというメリットがあります。
一方で、利用者とファクタリング会社に加えて取引先の企業も取引に介入する3社間ファクタリングでは、取引先にファクタリングの利用を通知しなければいけないという懸念点がありますが、2社間に比べて手数料が安いというメリットがあります。
ファクタリングがおすすめな理由
次に、売掛金回収のリスクに備えた対策としておすすめなファクタリングの、具体的にどのような点がおすすめなのかについて詳しく解説します。
ノンリコース契約を結ぶことができる
掛け取引をする上で、商品を提供する側の企業の方にファクタリングをおすすめする理由として1番に挙げられるのが、ノンリコース契約を結ぶことができるからだという点です。
ファクタリング会社の多くは償還請求権のないノンリコース契約となっており、万が一取引先の企業が倒産したり経営難になり支払いが困難になった場合でも、利用者に売掛金の請求が来ることはありません。
掛け取引は便利だけど、未回収のリスクは怖いと感じている方は、ノンリコース契約のファクタリングを利用すれば、悩みは全て解決します。
しかし、全てのファクタリング会社がノンリコース契約に対応しているわけではないため、未回収のリスクに備えたいと考えている方は、必ず事前にチェックをしておきましょう。
作業効率が上がる
掛け取引を行う場合、通常の取引に比べて代金の支払いの手間などは省くことができます。
しかし、取引先が複数ある場合や、同じ取引先と何度も掛け取引を行うことになれば、掛け取引とはいえ面倒な作業となってしまいます。
ファクタリングを利用すれば、ファクタリング会社へ売掛債権を売却するだけで簡単に現金を振込してくれるため、手続きが非常に簡単です。
複数行わなくてはいけない作業をファクタリング会社への申込みに一本化することによって、自社の作業効率を上げることにつながるため、おすすめです。
いつどんな時でも利用が可能
早期に資金調達が可能なファクタリングは、気軽に利用ができるというメリットも存在しています。
オンラインで全ての契約を完結することができるファクタリングのサービスも流行しているため、わざわざ対面して契約書を記入したり押印したりする必要がありません。
売掛債権さえ持っていればいつどんな時でも利用が可能なため、取引先の都合により支払いが遅れてしまった場合や、急に現金が必要になった時におすすめです。
まとめ
掛け取引において、商品を提供する側がお金を請求することのできる権利のことを売掛金といい、資産の勘定科目に分類されます。
企業にとって売掛金は重要な財産であり、利益を生む価値を持つものとして捉えられています。
しかし、あくまで権利であり、お金ではありません。
取引先の都合により支払いが滞ったり、取引先が倒産してしまっては最悪のケース、売掛債権が水の泡となってしまいます。
完全オンライン完結型のファクタリングを提供している『QuQuMo』では、償還請求権のないノンリコース契約となっているため、万が一のリスクにも備えることができます。
対面不要で全てオンラインにて手続きが完了するため、最短2時間で売掛債権を現金化する事も可能です。
売掛金の未回収リスクに備えたいと考えている方は、ぜひお気軽にお問合せください。