• HOME
  • コラム
  • 売掛金は相殺できる!メリットやデメリットを詳しく解説!

2023-02-27

売掛金は相殺できる!メリットやデメリットを詳しく解説!

売掛金 相殺

その都度代金の支払いをする必要がないため、お互いにとってメリットの多い掛け取引ですが、相殺処理を行なうことでさらに仕事の効率が上がることがあります。

取引先同士で売掛金と買掛金をそれぞれ相殺することで、スムーズに取引を進めることが可能な一方で、正しく処理をしていないと何らかのトラブルに発展してしまう可能性もあります。

今回の記事では、売掛金は相殺できるのかという問題についてや、売掛金を相殺する際のメリットやデメリット、相殺領収書について詳しく解説します。

売掛金・買掛金それぞれの意味

売掛金 相殺

そもそも、売掛金とはいったいどのようなお金なのでしょうか。

相殺について解説する前に、まずは売掛金や買掛金の意味や仕組みについて紹介します。

売掛金とは

売掛金とは、商品やサービスを掛け取引にて行なう際に使われる勘定科目の1つです。

掛け取引とは通常とは異なり、商品やサービスを提供した際に代金の請求をするのではなく、後日まとめて代金の請求をするという仕組みの取引です。

その掛け取引において、商品やサービスを提供した側の企業には、納品した商品やサービスの代金を受け取る権利が発生します。

その権利を売掛債権と呼び、受け取ることのできるお金のことを売掛金と呼びます。

買掛金の意味

一方で買掛金とは、掛け取引において商品やサービスを仕入れする側の企業が扱う勘定科目です。

商品やサービスを仕入れる側の企業には、後日その代金を支払わなければいけない義務が発生します。

仕入れ先の企業に対して、後日支払わなければならないお金のことを買掛金と呼びます。

つまり、売掛金は商品を売る側の企業に発生するお金で、買掛金は商品を買う側の企業に発生するお金であるということになります。

売掛金は相殺できるのか?詳しく解説

売掛金 相殺

次に、売掛金は相殺できるのかについて詳しく解説します。

そもそも相殺とは

売掛金と買掛金のそれぞれの意味に関しては、上記で解説した通りとなります。

売掛金と買掛金は真逆の意味を持ち、売掛金は債権であり、買掛金は債務ということになります。

相殺とは、それらの債権と債務を合わせて消したり、減額したりする作業のことをいいます。

例えば、A社はB社と掛け取引を行ない、100万円の売掛金を保有していたとします。

つまり、B社には100万円分の買掛金が発生していることになります。

通常であれば、期限内にB社はA社に対して100万円の支払いをしなければならないのですが、A社とB社にはこれ以外にも他の取引があったとします。

上記以外に、今度はB社からA社100万円分の商品を提供していたとすると、B社には100万円の売掛金が、A社には100万円分の買掛金が発生します。

これらの異なる2つの取引ですが、それぞれお互いに100万円の売掛金と買掛金を保有していることになります。

この100万円のプラスとマイナスの取引を、初回の取引と2回目の取引を合算すれば支払いは帳消しにすることが可能です。

この帳消しにする作業と相殺と呼び、支払いの手間を省くことができるのです。

売掛金は相殺処理できる!

上記で説明した通り、お互いのプラスとマイナスを合算することで支払いを帳消しにできる相殺の作業ですが、売掛金は相殺処理をすることが可能です。

上記のように、お互いに100万円の売掛金と買掛金を保有していた場合、双方合意の元であれば売掛金を相殺することが可能です。

相殺をすることで、お互いの企業は銀行にお金を振り込みに行く必要がなくなり、また入金確認をする必要もありません。

売掛金の相殺処理のメリット

売掛金 相殺

次に、売掛金の相殺処理のメリットについて解説します。

売掛金を相殺処理することによって、以下のようなメリットが得られます。

お互いの手間が省ける

売掛金を相殺することで得られるメリットとして挙げられるのが、お互いの手間が省けるという点です。

売掛金を相殺することによって、お金を振り込みに行く手間、入金確認をする手間が省けます。

ひとつひとつの作業が効率化することで作業がスリム化し、計算ミスなども減らすことが可能なため、非常におすすめの作業だといえます。

手数料や印紙代の節約になる

売掛金を相殺することで得られるメリットとして挙げられるのが、手数料や印紙代の節約になるという点です。

売掛金や買掛金は、振り込みをするのにも手数料がかかります。

企業や取引内容によっても異なりますが、振り込み手数料をどちらの企業が負担するかは決まっておりませんん。

売掛金を相殺することができれば、振り込みの必要もなく、当然入金確認の必要もありません。

つまり、どちらの企業にも手数料を支払う必要はなくなるため、金銭面でもメリットが生まれることになります。

何度も取引を繰り返していると、手数料も高額な支出になってしまうため、相殺によって手数料が必要なくなるという点は、企業にとってとても嬉しいポイントでしょう。

貸し倒れのリスクを減らすことが可能

売掛金を相殺することで得られるメリットとして挙げられるのが、貸し倒れのリスクを減らすことが可能だという点です。

便利でお手軽な掛け取引ですが、未回収のリスクという問題点が必ずつきまとうことになります。

売掛金を回収できないままいると、企業にとっては大きな打撃となってしまうため、絶対に避けたい問題です。

相殺処理を行なうことで、売掛金の回収リスクを減らすことが可能となり、同時に買掛金も帳消しにできるためおすすめです。

売掛金の相殺処理のデメリット

売掛金 相殺

次に、売掛金を相殺することによるデメリットを解説します。

売掛金を相殺処理することによって、以下のようなデメリットが発生してしまいます。

複雑な処理が必要

売掛金を相殺することによるデメリットとして挙げられるのが、複雑な処理が必要だという点です。

さまざまな手間が省けるというメリットのある相殺ですが、企業の経理担当者の負担は増えてしまうことになります。

相殺処理を行なう際は、相殺領収書という書類を作成する必要があり、一般的にその作業を行なうのは企業の経理担当者です。

結果としてメリットの多い相殺ですが、負担がかかるということも覚えておかなくてはなりません。

管理をしなくて良いわけではない

売掛金を相殺することによるデメリットとして挙げられるのが、相殺したからといって売掛金の管理をしなくても良いというわけではないという点です。

売掛金や買掛金の相殺を行なうと、自社と取引先が行なう作業の手間を省くことができます。

しかし、相殺の処理をしたからといって、売掛金の管理をしなくても良いというわけではありません。

相殺処理が複数発生している場合など、帳簿からそれぞれ相殺処理をした売掛金と買掛金を確認したり、領収書を作成したりしなければなりません。

相殺の処理をすると作業がなくなって楽になる、と思っている方が多いため、しっかりと管理しなければいけないということを覚えておきましょう。

相殺領収書とは?詳しく解説

売掛金 相殺

次に、相殺領収書について詳しく解説します。

売掛金の相殺処理をする上でよく聞かれる相殺領収書ですが、いったい通常の領収書とどのような違いがあるのでしょうか。

相殺領収書について詳しく知りたいという方は、ぜひチェックしてみてください。

相殺領収書とは

相殺領収書は、売掛金や買掛金の相殺を行なった際に作成する領収書のことをいいます。

通常の領収書と違い、相殺領収書は金銭の授受をただ証明するための書類ではなく、お互いの債権債務(売掛金と買掛金)を消し合ったということを証明するための書類です。

後々にトラブルに発展してしまった時のことも考え、なるべく相殺領収書は発行し保管しておくべきでしょう。

印紙は必要ない

相殺領収書は、金銭の授受を証明するためのものではないため、収入印紙は必要ありません。

しかし、通常の領収書に相殺された金額を含め記載のある場合は、相殺された金額を除いて計算し、印紙が必要な金額であった場合は印紙が必要になります。

一般的な領収書であれば、5万円を超える取引の場合は印紙が必要になりますが、相殺領収書の場合は5万円を超えていたとしても印紙を必要としないため、覚えておくと良いでしょう。

相殺領収書の書き方

売掛金 相殺

次に、相殺領収書の書き方について詳しく解説します。

金額

相殺領収書に金額を記入する場合は、以下の2種類があります。

  • 相殺のみの場合
  • 一部だけ相殺した場合

相殺のみが行なわれた場合、記入するのは金額のみとなります。

両者同じ金額の売掛金・買掛金がある場合や、取引先から相殺領収書が先に届いた場合は、それと同じ金額を記入しましょう。

売掛金・買掛金の一部のみを相殺する場合、相殺金額のほかに領収金額を記入する必要があるため注意が必要です。

また、一部のみを相殺した場合は、まとめて記入するパターンの他に、相殺領収書と通常の領収書の2つを別々に発行するケースもあるため覚えておきましょう。

日付

相殺領収書に日付を記入する場合、特に明確なルールは設けられていません。

しかし、取引先と同じ日付を記入しておくと、後々トラブルなどにならずに済むでしょう。

但し書き

相殺領収書において、但し書きは最も重要な項目となります。

相殺領収書であることをしっかりと記入しておかないと、通常の領収書として処理されてしまい、場合によっては印紙が必要になってしまうケースも出てきます。

そのため、相殺を証明する文書であることをわかりやすく記入するということを絶対に忘れないようにしておきましょう。

まとめ

自社にも取引先にもメリットのある便利な掛け取引ですが、相殺の処理を行なうことによってさらに仕事の効率がアップします。

売掛金の相殺は、作業の手間はが省けるといったメリットがありますが、売掛金の未回収のリスクを減らすといったメリットもあります。

売掛金取引において未回収のリスクは必ずつきまとう問題であり、多くの経営者を悩ませています。

未回収のリスクを減らす対策として挙げられるのが、ファクタリングです。

『QuQuMo』で提供しているファクタリングを利用すれば、完全オンライン完結型のため、対面することなく資金調達をすることが可能です。

また、最短2時間程度で現金を受け取ることができるため、とにかく急いでいる、といった方にはおすすめです。

ファクタリングについて少しでも興味があるという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。