2023-03-30
資金調達の方法としてクラウドファンディングを活用するメリット・デメリットを紹介

キャッシュフローの悪化や経営不振などが影響し、審査の厳しい金融機関からの融資を受けることが厳しく、資金調達が難航している方は多いのではないでしょうか。
しかし、新規事業の立ち上げや経営を円滑に行うためには、資金調達の確保は非常に重要です。
主な資金調達の方法として、金融機関からの借入や投資家からの出資、補助金・助成金などがありますが、近年注目を集めている方法として、クラウドファンディングが挙げられます。
本記事では、クラウドファンディングの概要や利用するメリット・デメリットなどを詳しく紹介します。
クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングは、インターネット上のサイトを利用し、多くの人から少しずつお金を集め、起業や新しいプロジェクトを実現する資金調達法です。
個人事業主だけでなく、多くの中小企業が起業や新しいプロジェクトを実現するために利用しています。特に、銀行からの資金調達が難しい場合に有効だといえるでしょう。
クラウドファンディングを利用すると、必要な資金が集まるだけでなく、自社のアイデアや商品を多くの人に知ってもらえる良い機会にもなります。その結果、新しいお客さんが増えたり、ブランドが広まったりすることもあり、事業成功のチャンスが広がります。有効な資金調達法として、ぜひ検討してはいかがでしょうか。
クラウドファンディングの種類は大きくわけて4種類

クラウドファンディングには、主に次の4種類があり、特徴や向いている企業がそれぞれ異なります。
| クラウドファンディングの種類 | 特徴 |
|---|---|
| 寄付型 | 支援の見返り(リターン)はなく、プロジェクトを純粋に応援したい気持ちでお金を寄付する |
| 報酬型 | 支援者へ商品やサービス、限定品などの特典をリターンとして提供し、資金を募る |
| 株式型 | 投資家が企業の株式を受け取ることで、将来の成長に応じたリターンを目指す |
| 貸付型 | 貸し手は借り手にお金を貸し、設定された利息とともに返済を受ける。 |
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
寄付型
クラウドファンディングの中で、もっとも一般的なタイプの一つが寄付型クラウドファンディングです。
寄付型では、プロジェクトの支援をすること自体がリターンとなる形式であるため、基本的に支援者が受け取るリターンはありません。
支援者は自由に金額を選ぶことが可能で、プロジェクトの目標金額に到達した場合は、その金額がオーガナイザーに渡されます。なお、目標金額に到達しなかった場合は支援者に請求がされることはありません。
社会貢献や地域活動、災害支援に取り組むNPOやボランティア団体に向いています。純粋な応援を集めるケースで有効です。
報酬型
報酬型のクラウドファンディングとは、プロジェクトを立ち上げる側が支援者にリターンとして特典を提供することで、資金を調達する方法です。
この方法で支援者が得られる主な特典としては、商品の割引・限定版商品・サービス提供・支援者の名前の提供などが挙げられます。
報酬型でプロジェクトが成功した場合、支援者に提供する特典がプロジェクトの魅力を高めるため、商品化やブランディングのためにも有効であるといえるでしょう。
報酬型は、商品やサービスのアイディアを持つ人や起業家にとって、有効な資金調達方法として注目されており、支援者にとっては商品やサービスの先行体験や限定版商品などを手に入れることができるため、魅力的な支援方法となっています。
報酬型クラウドファンディングは、新商品やオリジナルグッズを作りたい企業・クリエイターなど、アイデアを形にしたい会社や方向けだといえるでしょう。
株式型
株式型のクラウドファンディングは、プロジェクトを立ち上げる企業が一般の投資家に対して株式を発行し、資金調達を行う方法です。この方式では、投資家は資金提供の対価として株式を受け取ります。
企業側は、投資家からの資金をもとに事業を拡大し、投資家は株式を保有することで企業の成長に応じたリターンを得ることができます。
また、従来の株式投資に比べ少額でも参加することができるため、一般的な投資家にとっても身近な投資手段となっています。
株式型クラウドファンディングは、企業側にとっても株主との関係を築くことで、顧客のファンを増やすことができるなど、ブランディングにも有効です。特に、成長を目指すベンチャーやスタートアップ企業向きでしょう。自社の株を広く持ってもらい応援してもらいたい場合に合います。
貸付型
貸付型は、クラウドファンディングのプラットフォーム上で借り手と貸し手がマッチングされ、貸し手は借り手に資金を貸すことで利益を得ることができます。
貸付型は、個人や中小企業が資金調達を行う際に利用することが多く、従来の融資方法に比べて手続きが簡単であるため、注目されています。
貸し手は、借り手からの返済に対して一定の利率で利息を得ることができ、返済期間や返済額があらかじめ定められているため、投資した資金が一定期間で返済されることが見込めます。
貸付型クラウドファンディングは、銀行から借入が難しい中小企業や個人事業主に向いています。短期間でまとまった資金が必要な時に役立つでしょう。
クラウドファンディングを利用するメリット

資金調達の際にクラウドファンディングを利用するメリットは、以下の通りです。
- 資金調達方法の多様化
- 資金調達にかかるコストの低減
- マーケティングの効果
- ブランドの向上
クラウドファンディングを利用する一番のメリットは、資金調達の方法が増えることです。例えば、銀行からお金を借りるのが難しい小さなお店や、まだ実績がない新しい会社でも、クラウドファンディングならアイデアや情熱を直接支援者に伝えて資金を集めることができます。
ある雑貨屋さんは銀行融資を断られてしまいましたが、自分のお店のこだわりや企画内容をインターネットで発信し、共感した人たちから約100万円を集めて無事に開業資金を調達できたといった事例もあります。
さらに、クラウドファンディングを利用すれば、宣伝や集客の面でも効果があります。キャンペーンページを見た人が、お店や商品の存在を知り、応援してくれることも多いからです。ある手作りお菓子店は、新商品の資金をクラウドファンディングで募ったところ、多くの人がSNSで拡散してくれて、新しいファンも増えた、といった例もあります。このように、資金調達と同時に自社の宣伝やファンの獲得が期待できるのです。
また、支援者からのコメントやアドバイスをもらえる点も魅力です。応援してくれる人たちから商品やサービスへの感想をもらうことで、次の商品開発やサービス改善のヒントになります。このように、クラウドファンディングは単なる「お金集め」だけでなく、さまざまな良い効果が得られる方法なのです。
クラウドファンディングを利用するデメリット

資金調達の際に、クラウドファンディングを利用することで考えられるデメリットは、以下の通りです。
- 目標金額達成の不確定性
- 手数料や返礼品にかかる費用負担
- 競合他社の存在
- 情報漏洩のリスク
一番大きなデメリットは、目標金額まで資金が集まらないと、1円も受け取れないことがある点です。例えば、絵本作家を目指すAさんが、製作費50万円を目標にクラウドファンディングを始めましたが、結果は35万円しか集まりませんでした。この場合、全ての支援はキャンセルとなり、Aさんは必要な資金を手に入れられませんでした。
また報酬型の場合には、支援してくれる人には「返礼品」(お礼の品)を用意する必要があります。人気が出てたくさんの支援が集まった場合、返礼品を用意・発送する手間や費用が予想以上にかかることがあります。お菓子店が資金調達に成功したものの、返礼のお菓子作りで忙しくなり、普段の営業に支障が出た、という事例もあります。
さらに、クラウドファンディングは多くのプロジェクトが同時に立ち上がっているため、似たような商品やサービスがある場合、他の会社やお店との差別化が難しいこともあります。また、プロジェクトの計画や新商品の情報を公開することで、アイデアが他社に真似されるリスクもあるでしょう。情報漏洩を防ぐためには、プロジェクト内容を慎重に考え、必要に応じて秘密保持契約などで対策する必要があります。
魅力的なリターンを設定
クラウドファンディングで支援者に提供するリターンは、支援者が資金を出す際のモチベーションにつながります。そのため、リターンは支援者が求める価値を提供する必要があるでしょう。リターンの提供は、プロジェクトの成否を左右する要素の重要な一つであるといえます。
クリエイティブで魅力的なページの作成
クリエイティブ且つ魅力的なページを作成することは、プロジェクトを成功に導くための重要な要素の一つであるといえます。
支援したくなるページを作成するためには、以下の点に注意が必要です。
- タイトルやサブタイトルを魅力的にする
- 写真やムービーを多用
- プロジェクトの詳細の記載
- リターン内容をわかりやすく説明
- プロジェクトの魅力をアピール
プロジェクトページのタイトルは、支援者が最初に目にする部分です。
タイトルやサブタイトルが魅力的且つ、プロジェクトの内容を簡潔に表現していることが大切であるため、どのような価値を提供するのかをわかりやすく伝えられるようにしましょう。
また、写真やムービーは、プロジェクトの魅力を伝えるために重要なツールです。とくにムービーを作成することで、プロジェクトの内容やアピールポイントをわかりやすく伝えることができます。
SNSやメディアを活用したプロモーション
SNSやメディアを活用することで、プロジェクトの知名度を高め、支援者を獲得できる可能性が高まります。
とくに、プロジェクトの発信源であるクリエイターが積極的に情報を発信することが重要です。
また、プロジェクトに共感してくれる影響力を持った人材に協力を依頼し、拡散力を高めることも有効な手段となります。
支援者とのコミュニケーションを大切にする
クラウドファンディングは、支援者とのコミュニケーションを大切にすることで、プロジェクトの成功につながる可能性が高まります。
コミュニケーションの内容としては、支援者が自社のプロジェクトに興味を持ってくれたことに対して感謝を伝えることが大切です。
ページ内にQ&Aコーナを設けたり、メールやSNSを通じて質問に答えることができるように、支援者とのコミュニケーション手段を用意しましょう。
また、支援者に対してプロジェクトの進捗状況を定期的に報告することで、自分が支援しているプロジェクトが進んでいることを実感してもらうことができます。
さらに、コミュニケーションの場を通じて、支援者からフィードバックをもらうことで、プロジェクトの改善点を発見することが可能になり、新しいアイディアを得ることができるというメリットも生まれます。
まとめ
本記事では、資金調達の方法としてのクラウドファンディングについて、主な種類や利用するメリット・デメリット、プロジェクトを成功に導くためのポイントなどを詳しく紹介しました。
資金調達の方法として、従来では金融機関からの融資が主に挙げられていましたが、審査内容が厳しい機関の場合には、融資を受けられない企業も少なくなかったでしょう。
しかし、近年ではインターネット上のプラットフォームを利用して、企業が抱えるプロジェクト次第で容易に資金調達が可能となりました。
クラウドファンディングにはさまざまな種類が存在するため、自社のニーズに合った方法を調べて選択することをおすすめします。
また、クラウドファンディング以外で、資金調達の際に利用されることが多くなった方法の一つに、ファクタリングが挙げられます。
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【監修者】鈴木 孝明(すずき たかあき)
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税理士 [登録番号:142076]/すずき会計事務所 代表
20代で税理士試験に合格後、国内の税理士事務所に勤務。その後、独立し「すずき会計事務所」を開業。
中小企業・個人事業主様を中心に、税務・会計支援を行っており、ファクタリングを含む資金繰り支援に関する実務経験も豊富。 - すずき会計事務所のプロフィール

