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2023-07-31

売掛金の支払いサイト(回収サイト)とは?一般的な長さや考え方、長期化した場合の資金繰り改善策を解説

「売掛金がなかなか入ってこない」「資金繰りが常に心配」といった悩みを抱えている事業者の方は多いかもしれません。実は、売掛金の「支払いサイト(回収サイト)」は資金繰りに大きな影響を与えており、この期間が長引くと資金ショートのリスクに直面することもあります

この記事では、支払いサイトの基本から、資金繰り改善のための具体策、ファクタリングの活用まで詳しく解説します。事業の資金繰りを安定させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

支払いサイト(回収サイト)とは?

「支払いサイト(回収サイト)」は、会社の資金繰りに大きく影響するため、経営を安定させるうえで重要な指標とされています。ここでは、その具体的な意味や語源について解説します。

支払いサイト(回収サイト)の意味

支払いサイト(回収サイト)とは、商品やサービスを提供した後に、その代金を受け取るまでの猶予期間を指す言葉です。商品やサービスを先に提供しても、代金がすぐに入金されるわけではありません。例えば、月末締め翌月末払いなら、最大約2ヶ月間は代金が手元に入らない期間が生じます。

なお、売る側からは「回収サイト」、買う側からは「支払いサイト」と呼ばれます。取引の立場による呼び方の違いにも、注意が必要です。

支払いサイト(回収サイト)の語源

「支払いサイト」の「サイト」という言葉は、英語の「sight(視覚、一見)」に由来し、「一覧払い」を意味する「at sight」が語源と考えられています。

もともとは国際貿易の決済用語で、輸出入書類を提示した時点で支払う「at sight(一覧払い)」や、提示後一定期間後に支払う「after sight(一覧後〇日払い)」があります。これが転じて、支払期日までの期間を指す言葉として一般のビジネスでも広く使われるようになりました。

支払いサイト(回収サイト)の一般的な長さ


支払いサイト(回収サイト)には、30日、60日、さらには90日から120日といった長さがあり、それぞれの取引形態や業界によって異なります。では、それぞれの特徴を見ていきましょう。

30日(月末締め・翌月末払い)

30日サイトは中小企業に最も多く、現金回収が早いのが特徴です。資金繰りへの影響が小さく、経営の安定につながるため、多くの企業で採用されています。

例えば、9月に売上が発生した場合、その月の最終日(9月30日)で締め切り、その翌月末日(10月31日)に代金が全額支払われます。

【月末前日時点の未回収売上と月末に回収される売上】
月末前日時点の未回収売上 月末に回収される売上
9月 8、9月分の売上(未回収) 8月分の売上(回収)
10月 9、10月分の売上(未回収) 9月分の売上(回収)

60日(月末締め・翌々月末払い)

60日サイトは、特に製造業や建設業など、プロジェクト期間が長く費用がかさむ業種でよく見られます。売上代金の回収まで約2ヶ月かかり、売り手企業は現金化が遅れるため、資金繰りに注意が必要です。場合によっては、一時的なつなぎ資金が必要になることもあります。

例えば、9月に発生した売上は9月末で締め切られ、代金が支払われるのは翌月末の11月30日です。

【月末前日時点の未回収売上と月末に回収される売上】
月末前日時点の未回収売上 月末に回収される売上
9月 7、8、9月分の売上(未回収) 7月分の売上(回収)
10月 8、9、10月分の売上(未回収) 8月分の売上(回収)
11月 9、10、11月分の売上(未回収) 9月分の売上(回収)

90~120日(手形サイト)

90日から120日といった長い支払いサイトは、特に建設業や大手企業との手形取引で多く見られます。手形は指定期日に支払う約束証書で、現金回収まで時間がかかるためです。近年は手形サイトの短縮化が進み、下請法で60日超の手形支払いは行政指導の対象となっています

【未回収売上のイメージと回収内容】
未回収売上のイメージ 回収内容
9月 9月分の売上(手形受取) 5月分の手形現金化
10月 10月分の売上(手形受取) 6月分の手形現金化

支払いサイト(回収サイト)を設定する際の考え方

支払いサイト(回収サイト)は、売り手・買い手それぞれの資金繰りを意識して設定することが重要です。双方の立場を考慮し、バランスの取れた期間を決めましょう。

売り手の場合は短期のほうが便利

売掛金の回収サイトを短く設定しておくと、長めに設定した場合より、各種の支払いをスムーズに済ませることが可能です。回収サイトが短期であれば、回収した分を資金に充てられるため、わざわざ資金を調達する必要を減らせます

拡大戦略により売上が順調に伸びている場合、売上の増加に伴い支払いも増えますが、回収が遅いと手元資金が不足しやすく、黒字倒産の危険が高まります。したがって、短期での回収設定が経営の安定につながります。

買い手の場合は長期のほうが便利

買い手側は、支払いサイトを長く設定することで資金繰りに余裕が生まれます。支払いまでの期間が長いほど、手元資金を仕入れや急な出費、投資などに柔軟に活用でき、資金不足リスクの軽減や計画的な経営がしやすくなります。予期せぬトラブルにも対応しやすくなるため、経営の安定性向上にもつながるでしょう。

ただし、長期の支払いサイトは、取引先との信頼関係やバランス、交渉も大切です

売り手側が回収サイトを短縮する方法


売り手側が資金繰りを安定させるためには、売上代金の回収サイクル、いわゆる「支払いサイト(回収サイト)」を短縮する工夫が必要です。ここでは、売り手側が実践しやすい3つの方法を紹介します。

契約条件を見直す

売り手側が回収サイトを短縮するには、契約条件の見直しが不可欠です。支払いサイト(支払いまでの期間)を短くすることで、売上が早く現金として手元に戻るからです。

例えば「60日(月末締め翌々月末払い)」という契約を「30日(月末締め翌月末日払い)」に変更できないか、取引開始時に交渉してみましょう。少しの変更でも、資金繰りに与える影響は大きいです。

支払期日を事前に共有する

売掛金回収の遅延を防ぐうえで、支払期日の明確な事前共有は重要です。支払う側が期日を忘れてしまったり、認識にズレがあったりすると支払いが遅れる原因となります。

請求書を送るだけでなく、契約時や納品時にも支払期日を口頭や書面で念押しし、リマインダーメールを送るのも効果的でしょう。買い手側も期日を強く意識し、忘れにくくなります。

手形取引を現金取引に変える

回収サイト短縮のためには、手形取引を現金取引に変更するのも有効です。現金取引なら即時入金となり、タイムラグが生じません。

例えば、約束手形は発行から支払期日までが長く、売り手側はその期日まで現金を手にできません。これを銀行振込などの現金払いに切り替えることで、売上代金がすぐに利用可能になり、資金繰りが大きく改善されます

買い手側が支払いサイトを長くする方法


物品を購入した際に回収サイトが短いと、支払いが重く感じる事業者もいるでしょう。この場合、買い手ができる回収サイトの引き延ばし方法には以下の3つがあります。

交渉を行う

買い手側が支払いサイトを長くしたい場合、まずは取引先に直接交渉するのが基本的な方法です。多くの販売者は、顧客との関係を大切に思っており、要望に応えてくれることがあります。

継続的な取引実績や良好な関係性を背景に、支払い能力や今後の取引見込みを具体的に伝え、互いに納得できる条件を探りましょう。事前にメリットを提示できると、有利に進む可能性もあります。

クレジットカードで支払う

企業間取引でクレジットカード払いが可能な場合、利用日から1〜2ヶ月後の引き落としとなるため、現金払いよりも実質的に支払いサイトを伸ばせます。買い手側にはポイント還元などのメリットもありますが、使い方を誤ると逆に負担が増えることもあるので、利用のしすぎには注意が必要です

分割払いにする

買い手側が大口の支払いなどで一括が難しい場合、取引先に直接分割払いを交渉するのも有効な手段の1つです。毎月一定額を支払う取り決めにすることで、一度に大きな資金が流出するのを防ぎながら、安定した資金繰りが可能となります。

支払回数や月々の支払い額を明確にし、金利や手数料の有無も確認しましょう。

支払いサイト(回収サイト)に関する法律・ルール


ビジネスを行ううえで、支払いが遅れると経営に大きな影響を与えます。特に「下請法」は、親事業者による不当な行為を防止し、公正な取引を保証するために重要な法律です。ここでは、下請法の基礎と支払いサイト(回収サイト)における影響を解説します。

下請法が適用されるケース

下請法は、大企業と中小企業間の特定の下請取引に適用される法律です。大企業が優越的地位を濫用し、中小企業を不当に扱うことを防ぐ目的があります。

対象は、製品やサービスの委託契約や価格設定などです。例えば、発注後の一方的な値引きや支払い減額は、下請法違反とされます

下請法による支払いサイトの制限

下請法が適用される取引では、親事業者は下請事業者へ代金を速やかに支払う義務があります。具体的には、製品の受領やサービス完了日から60日以内で、できる限り短い期間内に支払う必要があります。

60日を超えると下請法違反となるので、正しく法律を守り、取引リスクを減らしましょう。

回収サイトが長期化した場合の資金繰り改善策

売掛金の回収が遅れる場合、ファクタリングを利用して早期に資金を確保する方法があります。

ファクタリングとは、企業が売掛金(顧客からの未収金)を早期に現金化するための方法です。通常、企業は商品やサービスを提供した後、顧客からの支払いを待つ必要があります。しかし、その支払いまでに時間がかかることがあり、企業の現金フローに影響を与える場合があります。

ファクタリングでは、企業はファクタリング会社と契約を結び、売掛金の一部または全部を売却します。ファクタリング会社は、売掛金の一定割合(通常は70〜90%)を即座に現金で支払い、代わりに売掛金の回収を受け持ちます。顧客は通常、ファクタリング会社に直接支払いを行います。

ファクタリングのメリット

ファクタリングの最大の利点は、早く現金を得られることです。売掛金の入金を待たず、即座に資金を手にできるため、資金繰りが楽になります。また、回収業務をファクタリング会社に任せることで、手間とリスクを減らせます。リスク分散にも役立ち、安定した経営をサポートします。

ファクタリング活用のポイント

ファクタリングを活用するには、信頼できる会社選びが大切です。条件や手数料、サービス内容をしっかり比較しましょう。契約内容も隅々まで確認し、不明点は解消してから契約することが重要です。また、取引先の支払い能力も、ファクタリング会社に任せきりにせず、自社でもしっかり調べておくことでより安全な活用が可能です。

まとめ

売掛金の支払いサイト(回収サイト)の設定は、企業経営の健全化に不可欠です。取引先との信頼関係を維持しつつ、両者が納得できる適切な回収サイトを設けることが重要です。

また、回収サイトが長期化した場合の資金繰り改善策としては、ファクタリングの導入も有効な選択肢の1つです。オンライン型ファクタリング提供会社のQuQuMoでは、ファクタリング依頼に必要な書類が2種類だけで、手続きが簡単です。手数料も1%からと、業界トップ水準のコストパフォーマンスを実現しています。

安定して利益を上げるための対策の1つとして利用を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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  • 【監修者】鈴木 孝明(すずき たかあき)

  • 税理士 [登録番号:142076]/すずき会計事務所 代表

    20代で税理士試験に合格後、国内の税理士事務所に勤務。その後、独立し「すずき会計事務所」を開業。
    中小企業・個人事業主様を中心に、税務・会計支援を行っており、ファクタリングを含む資金繰り支援に関する実務経験も豊富。

  • すずき会計事務所のプロフィール