• HOME
  • コラム
  • ファクタリングと手形割引の違いは?それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説

2023-07-31

ファクタリングと手形割引の違いは?それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説

ファクタリング 手形 違い

資金調達の方法に、ファクタリングと手形割引があります。

両者は資金繰りの安定化を可能な限り早く達成する手段の1つで、どちらも売上債権を流動化して支払い期日よりも早く現金化することを意味します。

売上債権はファクタリングでは売掛金、手形割引では受取手形と呼ばれ、どちらもその性質は似ているのが特徴です。

売掛金も受取手形も「将来受け取る予定の売上債権」を意味し、その権利を現金化することで資金調達するのがファクタリング及び手形割引となります。しかし、両者には違いもあるため、混合して考えるのは避けたいです。

そこで、今回の記事ではファクタリングと手形割引の違いについて解説します。それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説するので、ぜひ参考にしてください。

ファクタリングと手形割引の違い

ファクタリング 手形 違い

まずは、ファクタリングと手形割引の違いを解説します。

現金化する対象が違う

ファクタリングと手形割引の違いで、最もポイントとなるのが現金化する対象です。基本的に、ファクタリングでは売掛金を現金化します。一方で、手形割引では受取手形を現金化します。

一見すると、どちらも売上債権の一部を現金化しているように思えるかもしれません。しかし、ファクタリングは帳簿上の売掛金、手形割引は現物の有価証券である受取手形を現金化するわけです。その点が両者の大きな違いとなります。

賃金業法の適用範囲が違う

ファクタリングと手形割引は、賃金業法の適用範囲も違います。賃金業法は、金銭の貸付に対して、賃金業者が遵守すべき規則を定めた法律です。

この賃金業法において、ファクタリングは貸付行為ではなく、売上債権の売買行為とみなされます。そのため、賃金業法が適用されず、手数料の上限もありません。当然、ファクタリング業務を行うための登録も必要ありません。対して、手形割引は賃金業法が適用され、金利も20%までと上限が決められています。利用者に対して無理な貸付を行えないよう制限されており、手形割引業務を行うための登録も必要とされます。

償還請求権の有無が違う

ファクタリングと手形割引は、償還請求権の有無も違います。償還請求権は取引先の倒産などで売上債権が回収不能となった場合に、売上債権を売却した人に支払いを請求できる権利を意味します。

ファクタリングは売上債権をファクタリング会社に譲渡するので、取引先が支払い不能に陥っても利用者がその分を弁済する義務はありません。未回収リスクをファクタリング会社が負うのが特徴です。対して、手形割引は元の依頼人が債権義務を負い、手形を振り出した取引先が満期になっても何らかの事情で支払いができなくなった場合、依頼人が受取手形を割引業者に支払わねばなりません。これは取引先の支払い能力が不足すると償還請求権を行使され、未回収リスクを自社が負わねばならないことを意味します。

手数料・割引料が違う

ファクタリングと手形割引は、手数料・割引料も違います

ファクタリングは手数料、手形割引は割引料が発生します。ファクタリングでは3社間ファクタリングで1%〜20%、2社間ファクタリングで10%〜30%の手数料が相場です。対して、手形割引では銀行利用で年利1%〜5%、賃金業者利用で年利5%〜20%の割引料が相場となります。

審査の基準が違う

ファクタリングも手形割引も審査がありますが、金融機関の融資などと比べるとそこまで厳しくはありません。しかし、審査の基準がそれぞれ違います

例えば、ファクタリングは依頼人の信用力よりも取引先の信用力が重視されるのに対して、手形割引は依頼人・取引先双方の信用力が重視されます。

つまり、ファクタリングは依頼人が赤字を計上していたり、債務超過に困窮していたりしても利用できる可能性があるのに対し、手形割引は利用できない可能性があるということです。

現金化の早さが違う

ファクタリングと手形割引は、売上債権を現金化できる早さも違います

ファクタリングの場合、3社間ファクタリングで最短2日前後、2社間ファクタリングで最短即日から利用可能です。対して、手形割引の場合、銀行で最短1週間前後、手形割引業者で最短即日から利用可能です。

どちらも利用方法によっては最短から現金化できるものの、手形割引よりファクタリングの方がスムーズに現金化できます。手続きもスムーズなので、直近で現金が必要となった場合にも利用可能と言えるでしょう。

取引先への通知が違う

ファクタリングも手形割引も、取引先に知られることはありません。

ファクタリングは依頼者とファクタリング業者、手形割引は依頼者と手形割引業者の間で売買が完結するため、売上債権の譲渡が取引先に知られることはありません。

ただし、2社間ファクタリングは問題ないものの、3社間ファクタリングは取引先に了承を得なくてはなりません。そのため、売上債権の譲渡が通知されてしまいます。

ファクタリングを利用する場合は取引先に「資金繰りが苦しいのか」と疑念を抱かれ、信頼を損なう可能性があります。その点は手形割引よりも注意して行動しなければなりません。

ファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリング 手形 違い

次に、ファクタリングのメリット・デメリットを解説します。

ファクタリングのメリット

ファクタリングには主に3つのメリットがあります。

  • 現金化がスムーズ
  • 返金リスクがない
  • 信用情報に影響を与えない

ファクタリングは現金化までがスムーズであるため、すぐにでも現金化が必要な時に便利です

金融機関からの融資は煩雑な書類の提出が求められ、長時間待たされることもあります。しかし、ファクタリングは最短即日から利用できるため、現金化がスムーズです。

また、未回収リスクはファクタリング業者が負うので、返金リスクもありません。それでいて、ファクタリングは融資ではないため、信用情報にも影響がありません

これらがファクタリングの主なメリットとなります。

ファクタリングのデメリット

ファクタリングには主に2つのデメリットがあります。

  • 手数料が比較的高い
  • 利用範囲が限られる

ファクタリングは前述のように手数料がかかります

基本手数料の他に振込手数料や事務手数料がかかり、他にも債権譲渡登記費用などもかかります。こうしたが手数料は他の資金調達方法と比べても高額なので、慎重に判断しなければなりません。

また、ファクタリングは売上債権を現金化するものなので、その金額を超えることは出来ません。これは利用範囲が限られることを意味します

これらがファクタリングの主なデメリットとなります。

手形割引のメリット・デメリット

ファクタリング 手形 違い

次に、手形割引のメリット・デメリットを解説します。

手形割引のメリット

手形割引には主に3つのメリットがあります。

  • 期日を待たずに現金化できる
  • 手数料が比較的安い
  • 審査に通りやすい

手形割引は期日を待たずに現金化できるため、早期の現金調達に便利です

約束手形などは数ヶ月かかるものもありますが、手形割引の場合はどれほど時間がかかっても1週間ほどで現金化可能です。

また、金利の上限が20%まで制限されているため、手数料も比較的かかりません。それでいて審査にも通りやすいので、依頼人や取引先の財政状況に左右されることも避けられるでしょう

これらが手形割引の主なメリットとなります。

手形割引のデメリット

手形割引には主に3つのデメリットがあります。

  • 手数料がかかってしまう
  • 不渡りのリスクがある
  • 額面を分割しにくい

手形割引はファクタリングと同様に手数料がかかってしまいます。

本来、支払い期日まで待てば、受取手形を満額で受け取れます。しかし、途中で現金化する場合、手数料を差し引かれた金額しか受け取れません。

手数料は他の資金調達方法と比べて低めに設定されているものの、金額が大きくなればその分、手数料も高くなってしまいます。それでいて、手形割引が不渡りとなった場合、依頼者が買い戻さねばなりません。そういった不渡りリスクも考えておかねばならないのは、相応の負担となるでしょう。

その他、手形割引は額面を分割しにくいという特性も持っています。例えば、100万円の手形を持っている状況で50万円ほど必要となった場合、分割して50万円分だけ現金化するということはできません。100万円全額現金化しなければならないため、余分に手数料も取られることとなります。

ただし、手形の分割は振出人の同意を得れば、可能となる場合もあります。その点は振出人に確認しながら進めたいところです。

これらが手形割引の主なデメリットとなります。

まとめ

ファクタリングも手形割引も資金調達方法の一種となります。

どちらも売上債権を使用して現金化する資金調達方法です。通常、金融機関に融資を申し込むと担保や保証人を要求されますが、ファクタリングや手形割引は担保も保証人も必要ありません。それゆえ、中小企業でも利用しやすい資金調達方法となるでしょう。

ただし、ファクタリングは弁済義務がないのに対し、手形割引は弁済義務があるという違いには気を付けておきたいです。支払い期日にも注意しなければなりません。

その一方「売上債権の回収日がまだ先」という時期に請求書を受け取った場合、資金繰りに苦しむこともあるかもしれません。その際は最短2時間で入金でき、面倒な書類や審査も不要、担保も保証人も必要ないQuQuMo(ククモ)のご利用をおすすめします。

QuQuMo(ククモ)であれば必要情報と請求書をオンライン申請していただくだけで、簡単にお申込いただけます。