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2023-08-28

ファクタリングと延現金は資金運用の最適解?特徴とメリットを解説

企業経営における資金運用の手段である「ファクタリング」と「延現金(のべげんきん)」。どちらも売掛債権・売掛金にまつわる専門用語ですが、読者の皆さんはそれぞれがどのようなものかご存じでしょうか?

「言葉くらいなら聞いたことがあるけれど詳しくは・・・」という方もいらっしゃることでしょう。

そこで、今回の記事では、ファクタリングと延現金の基本や違いを解説しつつ、それぞれの特徴やメリット、上手な活用方法等について解説していきます。

ファクタリングと延現金の基礎知識

まずはじめに、ファクタリングと延現金の基礎を抑えていきましょう。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、売掛金をはじめとした売掛債権を金融機関やファクタリング事業者に売却することで、即座に現金を手に入れる資金調達方法です。

通常、売掛債権には支払期限が定められるため、その期限を迎えるまで手元に金銭が入ってきません。取引相手が代金を未払いしている場合ともなると、手に入るはずだった金銭が失われるため資金繰りに苦しむことにもなります。

そんな時、ファクタリングを活用すれば、取引先企業からの支払いを待たずに、未回収の債権を現金化できるため、次の事業取引や事業経営も円滑に運ぶことができるようになります。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングの仕組みですが、支払期限の到来していない債権をファクタリング事業者といった回収業者に売却し、その対価としてファクタリング事業者から金銭(現金)を手にするという流れになっています。

延現金とは?

延現金(のべげんきん)とは、企業間取引における形態の1種であり、通常の現金取引よりも支払いまでの期間が長く設定されている取引のことを意味しています。

延現金と同様の意味の言葉として、「期日現金」、「期日現金払い」「期日指定振り込み」などもあります。

企業間取引において売掛金が生じた場合、その支払期日は2ヵ月以内に設定しなければなりませんが、延現金は60日・90日・120日と2ヵ月以上の期間を設定することが可能となっています。

支払期日が長期に設定できる都合上、延現金のメリットは債務者(金銭を支払う側)の方に多くあることが特徴であり、債権者(金銭をもらう側)は支払期日の長期化に伴う貸倒れや資金繰り負担の増大といったリスクに備えることが求められます。

そして、社会的な情勢として日本政府は2026年までに手形取引の廃止を目指しており、今後、取引先から延現金への移行を提案される機会が増えるともいわれており、延現金による取引に備えておくことの重要性が益々増してきています。

ファクタリングと延現金の違い

これまでの解説で明らかですが、あらためてファクタリングと延現金の違いを確認しておきましょう。

最大の違いは取引の相手だといえるでしょう。どちらも売掛債権(売掛金)にまつわる取引ですが、ファクタリングそのものの取引の主体は「自社とファクタリング事業者」であり、延現金の場合は「自社と取引先企業」となります。

また、ファクタリングは売掛債権そのものが取引の対象物となるのに対し、延現金は取引によって生じた債権の期日の設定が対象となっている点も違いだといえます。

ファクタリングのメリット

ここでは、ファクタリングのメリットについて解説していきます。

円滑かつ迅速な資金調達の実現とキャッシュフローの改善を期待できる

従来からある資金調達手段として銀行融資などが挙げられますが、ファクタリングはそれら資金調達手段と比較して現金化までが迅速に行われる点が特徴です。

ファクタリングは債権の売買行為であるため、銀行が企業に融資するケースと比較して、債権を購入する側(ファクタリング事業者など)が抱えるリスクが小さく、結果的に審査も簡便であることが理由として挙げられます。

これにより、企業は急な資金ニーズにも迅速に対応し、経営の安定性を保つことができます。

融資リスクを回避することができる

企業が経営を持続させるうえで、金融機関からの融資を受けることは適切な策だといえますが、融資は金銭の貸し付けであるため、きちんと返済する義務(債務)を抱えることにもなります。

一方、ファクタリングは債権の売買行為であるため、資金の獲得に伴った特段のリスクを負うことがありません。つまり、売掛債権を現金化することで、企業自体が融資を受けるリスクを回避できることにもつながるのです。

また、ファクタリングは債権回収のリスクを金融機関に委託するため、売掛債権の支払い遅延や未収回収のリスクを回避することもできます。信頼性のある金融機関を選択すれば、取引先の信用力や支払いリスクを事前に把握し、安心して売掛債権を現金化することができるでしょう。

売掛債権管理の効率化が図れる

企業経営において売掛債権の管理は非常に重要な取り組みです。それぞれの債権の支払期日や支払額を正確に把握しておくことで、将来的な資金繰り計画の見通しも安定したものとなります。

ですが、売掛債権そのものにも貸倒れのリスクが潜んでおり、債権管理の見通しや資金繰り計画が理想通りに進展するとは限りません。資金繰り計画において最も確実性が高いのは、現金だといえるのです。

そして、ファクタリングは売掛債権を現金化する行為であるため、債権管理の負担を減らすことはもちろん、資金繰り計画等の将来的リスクを軽減することにもつながるのです。

延現金のメリット

次に、延現金のメリットに関して解説していきます。

支払い期限に猶予があり資金繰りの改善を図りやすい

延現金による取引の最大のメリットは支払い期限に猶予が設けられることです。

先の説明で明らかなように、通常の掛取引では支払期限が2ヵ月以内に定められますが、延現金の場合には、それ以上の期間で支払期限を定めることができます。

支払いまでに猶予があることで、延現金における債務者(金銭を支払う側)は自社の資金繰りの改善を図りやすくなります。

手数料コストを削減できる

一般的な取引で用いられる手形決済の場合、印紙税や発行手数料といった費用が追加的に発生します。

延現金を活用することで、それら手数料コストを削減することができ、手形の発行や郵送手続等の事務的な負担も削減することが期待できます。

上記のメリットは債務者側が享受することに注意!

延現金のメリットを2つ取り上げましたが、どちらも債務者側にとってのメリットであることを重々理解しておきましょう。

先の説明でも触れたように、延現金は債務者側ばかりにメリットがあるような仕組みであり、債権者側は注意を払わなければならない取引形態です。

例えば、支払期限が長く設定されてしまうため資金繰りの目処が立ちにくくなる、手形と異なり裏書譲渡や手形割引等での支払期日前での現金化が不可能などが挙げられます。

さらに、手形よりも未回収リスクが高いのも欠点として挙げられます。金融機関を介さない延現金は、債務者側にとって不渡りによる金融機関からの取引停止処分といったリスクを抱えることがないため、支払いの優先度を低く見積りがちになると考えられています。

ファクタリングと延現金の上手な活用方法

ここでは、ファクタリングと延現金の上手な活用方法について解説していきます。

資金運用における長期・短期を適切に管理する

延現金を扱う場合、長期に亘って売掛債権を管理することになります。そして、債権を長期で保有し続けるのは、貸倒れリスク等も併せて抱え続けることを意味しています。

そのため、資金運用における資金の流入・流出の見立てを短期から長期に亘って適切に把握・管理することが必要となります。

管理におけるポイントは以下の通りです。

長期と短期の資金ニーズを把握する

企業の長期的な資金ニーズと短期的なキャッシュフローの改善が必要なタイミングを把握することが重要です。

長期的な資金ニーズには新規事業の拡大や設備投資、事業再編などが含まれます。一方、短期的な資金ニーズには資金繰りの調整や取引先との支払い期日の調整などが挙げられます。

長期のリスクをファクタリングで解消するのも効果的な策!

資金ニーズの見通しを把握することと併せて、どのようなリスクをいつまで抱えなければいけないのかも把握しておきましょう。その代表例が延現金取引による売掛債権です。

リスクを抱え続けることが不安である場合には、ファクタリング等を活用して迅速な現金化を図り、リスクを移転することも検討するようにしましょう。

自社の成長段階や将来展望を適宜振り返る

ファクタリングや延現金をはじめとした各種取引を行いながら、自社が計画通りの成長を果たせているのか、将来的にどのような戦略で成長を図っていきたいのかを定期的に振り返ることも重要です。

振り返りや戦略の立案にあたってのポイントは以下の通りです。

将来の売上予測・キャッシュフローの見通しを立てる

将来の売上予測やキャッシュフローの見通しを立てることで、どの程度の資金が必要なのかを把握することができます。

将来の資金ニーズを予測し、適切なファクタリングや延現金の利用を計画することで、経営の安定性を確保し、成長に向けた戦略的な資金調達が可能になります。

柔軟な資金調達戦略の構築

積極的に資金の運用を図りたい場合には、即時に現金化できるファクタリングのメリットが最大限に発揮できるでしょう。

また、取引における交渉が必要となりますが、自社が取引における債務者となる場合には、延現金による取引を行えないか検討することも効果的です。

リスク管理の徹底

ファクタリングと延現金を上手に活用するためには、リスク管理を徹底することも大切です。

提携先の社会的信用を厳重に精査し、契約内容を慎重に検討することで、不測の事態に備えることができます。また、長期的な資金ニーズに対応するためには、資金調達の多様化やバックアップの計画を立てることも重要だといえます。

まとめ

この記事では、ファクタリングと延現金の概要、2つの違い、それぞれのメリット、企業経営で上手に活用する方法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

ファクタリングと延現金の違いを十分に理解していなかったという人の手助けとなれば幸いです。また、支払期限が長期に亘り貸倒れリスクを抱えやすい延現金は、ファクタリングを通じた現金化によって解消することも可能で、両者はある意味、相性が良いもの同士でもあります。

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