北海道で資金調達をしたい時、どのような方法の利用が考えられるでしょうか。
都市銀行の支店や地方銀行に相談する、地域に根差した地方銀行や信用金庫や信用組合などに相談しに行くという事業者も多いかもしれません。
札幌市や函館市などの市街地なら相談もしやすいですが、郊外ほど相談に行くのも大変です。
北海道では農業や酪農業、水産業や加工業、観光業なども多く、忙しくて相談している暇もないケースも多いかもしれません。
そんな時の一つの選択肢として、ファクタリングもおすすめです。
ファクタリングってどうやって利用するのという北海道の事業者向けに、ファクタリングについてご紹介していきます。

■北海道でおすすめのファクタリングとは

ファクタリングは、売掛債権など支払期日が未到来の債権をファクタリング業者に買い取ってもらい、支払期日が到来する前に現金化することで資金を調達する方法です。
買取にあたっては審査があり、資金未回収のリスクに応じた手数料が控除されたうえで、買取代金が支払われるものです。
買取の方法は、民法で定められている債権譲渡という方式を利用します。
民法では、売掛先などの債務者への通知、承諾という条項がありますが、ファクタリングでは売掛先に通知を行う三者間ファクタリング方式と通知をせずに利用者とファクタリング業者だけで完結する二者間ファクタリング方式が用意されています。

■三者間ファクタリング

三者間ファクタリングは、債権譲渡について売掛先に通知するか、承諾を得て行う方法です。
ファクタリング利用者とファクタリング業者に加え、売掛先といった債務者の三者が関わるので三者間ファクタリングと呼ばれます。
支払期日が到来すると、ファクタリング業者は債務者に直接請求ができ、債務者は利用者ではなく、ファクタリング業者に代金を支払います。
そのため、利用者の資金繰りが悪化していても、債務者が優良企業や大手企業などの支払能力が高いと、審査に通りやすくスムーズに現金化できる可能性が高いです。
資金回収の可能性が高くなるほど、手数料が安くなり、手に入る現金の金額も多くなるのがメリットになります。
北海道は外国人観光客にも大人気で、インバウンド需要が豊富です。
ホテルの予約が取りにくく、宿泊料も高騰しています。
ホテルの清掃を請け負っている場合やホテルで利用する寝具のクリーニングを毎日請け負っているなど、ホテルに対する売掛金を有しているなら、三者間ファクタリングを活用するのがおすすめです。
人気が高く常に満室のホテルであれば、支払能力も安定しており、ファクタリングの手数料が安く抑えられる可能性があります。

■二者間ファクタリング

二者間ファクタリングは、ファクタリング業者と利用者で債権譲渡契約を行うだけで完結し、売掛先に通知を行わない方式です。
売掛先が直接関与せず、ファクタリング業者と利用者だけで完結するので二者間ファクタリングと呼ばれています。
では、三者間ファクタリングと異なり、ファクタリング業者はどのように資金回収を行うのでしょうか。
売掛先などの取引先は、支払期日が到来したら、ファクタリング利用者に代金を支払います。
ファクタリングの事実は知らないので、取引先との約束通り払うだけです。
ファクタリング利用者は受け取った代金をそのままファクタリング業者に送金します。
ファクタリング利用者の送金によって資金を回収するので、支払期日までに利用者が倒産すると困ることになります。
そのため、利用者の審査が三者間ファクタリングに比べると厳しくなり、利用者の経営状態が悪いなどリスクが高いほど手数料が高く設定されるのが一般的です。
売掛先への通知や承諾といった手続きが必要ないため、よりスピーディーに現金化できます。
最短即日対応している業者もあるため、とにかく早急に現金を得たい時におすすめです。
また、売掛先にファクタリングすることをバレたくないケースや売掛先がファクタリング業者に直接支払うことに抵抗を持つと予想されるケースには、二者間ファクタリングがおすすめです。
取引先が債権譲渡したと通知を受けた場合やまったく知らないファクタリング業者から請求をされると、不安になることは少なくありません。
利用者の経営状態が悪いのではと疑い、今後の取引継続に不安を持つケースもあります。
このまま取引を継続していると、商品や製品の納品が滞るのではと不安になることやいきなりサービスの提供が停止されるかもしれないと疑い、取引先の切り替えなどを行われ、取引が停止されるリスクもあります。
そのため、債権譲渡に不安を持つ取引先などの場合は、三者間ファクタリングより二者間ファクタリングにしておいたほうが安心です。

■金融機関で借りるよりスピーディーで手間がかからない

北海道は広く、札幌市や函館市などの市街地にオフィスなどを構えているケースを除けば、金融機関に融資の相談を行くのも大変なケースが多いのではないでしょうか。
早朝から夜間まで酪農や水産業、農業などの仕事をしている場合や乳製品の加工や水産加工などの工場を稼働させていると、融資の相談に行く時間もないかもしれません。
いざ相談すると事業計画書や返済計画などの提出が求められるなど、手間や時間がかかります。
計画書の作成に手間取り、申請までに1ヶ月以上の時間を要するケースも多いです。
さらに、審査が通るとは限らず、希望した融資額より少額しか借りられない場合や金利が思った以上に高く設定されるケースもあります。
ようやく融資が実行されてもその後が大変です。
毎月、元利金の返済をしていかなくてはならないからです。
酪農や畜産業、農業、水産業などは不安定な業種で、牛に病気が蔓延したり、地球温暖化の影響で北海道でも猛暑が続いたり、梅雨が長引いて日照時間が不足して乳量の低下や収量の低下などが起こることもあります。
不安定なうえに、設備投資も必要で、夏場の扇風機代や冬場の暖房費用などの光熱費や牛や豚の出荷や野菜などの移送に燃料代も不可欠です。
石油価格の高騰や為替変動により、エネルギー代や飼料の高騰が続いていて、資金繰りがひっ迫している事業者は少なくありません。
そのため、融資を受けられても、返済が難しくなり倒産や廃業を余儀なくされるケースもあります。
融資は設備投資をする際などに役立つ反面、手間がかかり、返済リスクという不安も抱えるのがデメリットです。
ファクタリングは審査の手間や時間が抑えられ、返済という負担も発生しません。
そのため、ファクタリングできる債権があるなら、ファクタリングを利用したほうが、キャッシュフローの改善につながり、経営の安定につながりやすいです。

■補助金や助成金を得るには手間と時間、コストがかかる

少し前に対策が行われたコロナに伴う緊急支援金や大規模な自然災害などが起きた際の緊急支援金などの場合には、簡単な手続きで早期に補助金や助成金が交付されることもあります。
一方で、IT化やDX化、省エネ対策などの補助金や助成金、人手不足を解消するための人材採用や人材育成、賃上げや子育て対策などに役立つ補助金や助成金の場合、交付条件も複雑で、交付を受けるまでに手間や時間がかかり、コストもかかります。
補助金や助成金には募集期間が定められているうえ、予算に達すると募集期間内であっても締め切られてしまうので、タイミングを逃すと翌年度以降に募集が開始されるまで待たなくてはなりません。
そのうえ、補助事業や助成事業に応じた事業計画書の作成が求められ、条件に合わせて補助事業や助成事業に取り組まないといけません。
近年の補助金や助成金の交付には、補助事業や助成事業に取り組むことに加え、目標の達成や成果を出すことも求められるので注意が必要です。
設備投資をした場合や人件費などを支出して事業に取り組んでも、求められる成果が出せないと補助金や助成金が交付されない場合も少なくありません。
補助金や助成金の申請しても、審査結果が出るまでに1ヶ月から2ヶ月の時間がかかるうえ、審査に通ってもすぐに交付されるわけではありません。
補助事業や助成事業によっては、取り組みに半年から1年、数年の時間を掛けなくてはならないケースもあり、その完了報告を行い、成果が出ているかの審査を受けることが必要です。
審査の結果、交付が認められても、交付申請を行う必要があり、実際に交付されるまでに1ヶ月以上かかるのが一般的です。
補助金や助成金を得るまでの道のりはとても長く、手間もコストもかかります。
そのため、すぐに現金が欲しい、現金が不足して困っているという時には不向きな方法です。
これに対して、ファクタリングの場合、売掛債権など支払期日未到来の債権があれば、短期間で現金化が実現できます。
手間もコストの負担も最小限で済みスムーズです。

■北海道でファクタリングを活用しよう

北海道でどのようなケースでファクタリングが活用できるか、考えられるケースを見ていきましょう。

・第一次産業や加工業など

毎日、搾乳した牛乳を加工業者に納品している場合や卸売業者に牛肉や豚肉を納めている、チーズやヨーグルトなどの加工食品や北海道銘菓などを大手小売店などに継続的に納品している場合やホテルや土産物店物産店などに継続的に販売している場合、売掛債権をファクタリングすることが可能です。
インバウンド需要の大きなホテルや人気の観光施設をはじめ、大手の流通業者や大手小売業者などであれば支払能力も高く、倒産するリスクも低いので、手数料を抑えて早期にファクタリングできる可能性が高いです。

・サービス業など

ホテルの清掃サービスを請け負っていたり、ホテルで使用する寝具のクリーニングを請け負っていたり、人気の観光施設の清掃やフードサービスを請け負っているなど、サービス系の売掛債権もファクタリングができます。
継続的にサービスを提供し、毎月の料金をまとめて請求して翌月払いや翌々月払いにしている売掛債権があれば、ファクタリングを活用しましょう。
大手のホテルや経営状態が良い観光施設などであれば、手数料を抑えて早期のファクタリングの実現が期待できます。

・建設系

北海道では、店舗やホテル、観光施設などが多く、インバウンド需要も高いことから、新たな施設も続々と誕生しています。
新築工事をはじめ、店舗の改装やリニューアル工事などの請負をした場合の工事代金債権をファクタリングすることも可能です。
工事代金は工事が完了しないと支払いが受けられない一方で、工事期間中も建材や資材の仕入代金の支払いや重機のリース料や車両費やガソリン代の支払い、作業員への給料の支払いや外注費などの支払いなど多額の出費が必要となります。
出費がかさむ一方で、工事代金の受け取りまでタイムラグがあるため、早期に現金を手に入れたい場合にはファクタリングがおすすめです。

・運送系

北海道は広く、トラック輸送などのニーズも高いです。
2024年問題の影響をはじめ、北海道は少子高齢化や人口減少が激しい地域も多く、ドライバー不足や人件費の高騰に悩まされる運送会社も増えています。
急騰する人件費や高騰するガソリン代を賄うためにも、継続的に取引している取引先への運送費の売掛債権をファクタリングするのがおすすめです。

・医療系や介護系

北海道は高齢化が進んでおり、医療や介護のニーズも増えています。
病院やクリニック、老人ホームやデイサービス施設、訪問介護などの介護事業所、調剤薬局などの報酬債権もファクタリングが可能です。
医療保険や介護保険を適用した料金のレセプト請求を、審査支払機関に行っても、支払われるのは請求から1ヶ月から2ヶ月先とタイムラグが生じます。
北海道では、少子高齢化に伴い、医師や看護師や介護職員、薬剤師が不足しており、人材確保のための費用の捻出や業務効率化のための設備投資も不可欠です。
離職防止のための賃上げ費用をはじめ、本州からの転職を支援することも必要となっており、面接費用や移住費用、社宅の費用など現金が必要になっているケースも少なくありません。
人材確保のための費用捻出のためにも、報酬債権のファクタリングを検討してみましょう。

■まとめ

北海道で金融機関からの融資の敷居が高くお困りの場合や補助金や助成金の交付を受けられずに悩んでいる時に、売掛債権などの支払期限未到来の債権があれば、ファクタリングがおすすめです。
必要なタイミングで早期の現金化が可能です。
返済の必要もなく、利払いの必要もないので、返済に苦しめられる心配もありません。
優良な取引先の債権であれば、資金繰りが悪化していても資金調達できる可能性も広がります。