2022-07-27
ファクタリングは個人事業主も利用できる?業者選びの3つのポイントを紹介
売掛債権を売却して資金を調達できるファクタリングは、自己資金や借入、出資や補助金などに代わる新しい資金調達の方法として高い注目を集めています。
現金化までのスピードが早く、売掛債権さえあれば自身の信用度に関わらず契約を締結できるため、多くの企業が利用しています。
新たな資金調達の方法として国も推奨するファクタリングですが、企業だけではなく個人事業主も利用することができるのでしょうか。
結論からいうと、個人事業主もファクタリングは利用することが可能です。
この記事では、個人事業主がファクタリングで資金調達をするメリットとデメリット、会社を選ぶ際に注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
個人事業主でもファクタリングは利用することができる!
冒頭でも説明した通り、個人事業主でもファクタリングは利用することができます。
ファクタリングは融資や投資ではなく売掛債権の売却で資金を調達する方法なので、売掛金がなければ利用することができません。
しかし、裏を返せば売掛金さえあれば利用できるということになりますので、企業だけではなく個人事業主の方でも気軽に利用することができるのです。
とはいえ、すべてのファクタリング会社が個人事業主の売掛債権を買い取ってくれるわけではありません。なかには、対象を企業だけにしている会社もあります。
そもそも個人事業主が資金調達をする際には、まずファクタリングではなく融資が頭に浮かぶ方が多いのではないでしょうか。
融資を受ける場合は、新たに事業を開始したことを申告するための開業届が必要で、確定申告と納税を滞りなく進めているなどの実績が必要になります。
その点、ファクタリングは売掛債権さえあれば利用できるため、個人の信用度に関係なく利用できるという大きなメリットがあります。
個人事業主がファクタリングを利用する5つのメリット
借入や補助金などのさまざまな資金調達が世の中にはありますが、個人事業主がファクタリングを利用するメリットは非常に多く、とくに下記の5点が挙げられます。
- 資金を自由に使える
- 入金までのスピードが早い
- 業績や信用度が問われない
- 柔軟な審査に対応してくれる
- 保証人や担保が必要ない
ここからは、個人事業主がファクタリングを利用するメリットを一つずつ解説します。
資金を自由に使える
一つ目のメリットは、調達した資金を自由に使える点です。
前述の通りファクタリングは借入ではなく売掛債権の売却なので、調達した資金をどのように使うかは自由です。極端な話、私的利用でも問題ありません。
一方で金融機関からの融資の場合は、基本的に借入した資金は事業資金として使わなければいけないという決まりがあります。
調達した資金の自由度が高いため、個人事業主の方は幅広い選択肢から使い道を検討できます。
入金までのスピードが早い
二つ目のメリットは、入金までのスピードが早いという点です。
ファクタリングは申し込みから入金までのスピードが非常に早く、すべてオンラインで完結できるサービスであれば、最短2時間~3時間で資金調達ができます。
たとえば、個人事業主の融資先として候補に挙がることが多い日本政策金融公庫では、申し込みから入金までは早くても2週間から長いと2ヶ月の期間を要します。
どうしても即日で資金を調達しなければ事業を回せないという場合は、入金までのスピードが早いファクタリングがおすすめです。
業績や信用度が問われない
三つ目のメリットは、仕事の業績や個人の信用度が審査に影響しない点です。
ファクタリングは売掛債権の売却なので、個人で税金を滞納していたり業績が悪くても、売掛債権の信用度が高ければ即日で契約を締結することが可能です。
たとえば、金融機関から資金を調達する融資の場合だと、個人の信用度と業績が審査に大きく影響するため、審査を気軽に通過できるとは限りません。
柔軟な審査に対応してくれる
四つ目のメリットは、柔軟な審査方法に対応してくれるという点です。
ファクタリングの審査は、大きくわけて「対面型」と「オンライン型」の2種類があります。オンライン型のサービスを選べば、一度も対面せずどこにいても審査を受けることが可能です。
一方で融資は、オンライン型に対応していませんので必ず対面で審査が行われます。
申し込みも出向かなければいけませんので、手間と時間がかかるという点では大きくファクタリングに軍配が上がります。
保証人や担保が必要ない
五つ目のメリットは、保証人や担保がなくても利用できる点です。
ファクタリングは融資ではありませんので、保証人や担保を設定する必要がありません。信用度の高い売掛債権があれば売却し、現金を受け取ることができます。
一方で融資の場合は、保証人や担保が設定できなければ、まず借入は難しいでしょう。個人事業主の方で用意できる資産がない方は、ファクタリングの利用をおすすめします。
個人事業主がファクタリングを利用する3つのデメリット
前述の通りファクタリングには多くのメリットがありますが、少なからず気を付けなければいけないデメリットもあります。
- 初回の手数料が高額になる場合がある
- 3社間の場合は売掛先との関係が悪くなるリスクがある
- 信頼度の高いファクタリング会社が少ない
個人事業主でファクタリングを考えている方は、下記のデメリットに注意してください。
初回の手数料が高くなる場合がある
一つ目のデメリットは、初回の手数料が高額になる可能性がある点です。
一般的にファクタリングの手数料は、2社間で10~30%、3社間で1~9%です。個人事業主の手数料が高くなる理由は、企業よりも信用度が低いからです。
売掛債権の信用度が高ければファクタリングは行えますが、それが捏造ではないという保証はありません。その点に関しては、個人事業主よりも企業の方が信用度は高いです。
これはファクタリングだけではなく金融機関からの融資でもいえますが、開業して間もないなどの理由で信用度が足りず、資金を調達できないケースは珍しくありません。
3社間の場合は売掛先との関係が悪くなるリスクがある
二つ目のデメリットは、3社間で契約すると売掛先との関係が悪化するリスクがある点です。
詳しくは後述しますが、ファクタリングの契約形態には「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類があります。
3社間ファクタリングの場合、利用者・ファクタリング会社・売掛先の3社で契約を締結するため、売掛先に売掛債権を売却することを知られます。
そうすると、資金繰りに困窮しているということがバレてしまうため、今後の取引が減らされたりするなど、悪影響を及ぼさない可能性が0とは断言できません。
信頼度の高いファクタリング会社が少ない
三つ目のデメリットは、信頼度の高いファクタリング会社が少ない点です。
ファクタリングを提供している会社の多くは、企業のみ対応の場合が少なくありません。個人事業主では最初から利用できないのです。
さらに、個人事業主にもサービスを提供している会社の中には怪しい業者も多いため、安心して利用できる会社が少ないというデメリットが挙げられます。
個人事業主が安心して使えるファクタリング会社を見つけるには、下記で詳しく紹介する3つのポイントを必ず押さえるようにしてください。
個人事業主がファクタリング会社を選ぶ時の3つのポイント
個人事業主にもファクタリングを提供する会社はさまざまありますが、何も考えずに選んでしまっては後で損をする可能性があります。
ファクタリングを検討している個人事業主の方は、会社を選ぶ際に下記のポイントを必ずチェックするようにしてください。
必ず手数料を比較する
一つ目のチェックポイントは手数料です。
ファクタリングは融資ではありませんので、手数料は各サービス会社の裁量で決めます。つまり、ファクタリング会社はいくらでも手数料を設定することができるのです。
悪質なファクタリング会社の場合、資金の調達に悩んでいる個人事業主の方の足元を見て、明らかに法外な手数料を設定することがあります。
さらに、個人事業主は企業に比べて信用度が低いため手数料は高くなりがち。そのため、必ず複数業者に見積もりを依頼し、手数料を比較してから決めるようにしましょう。
契約形態をチェックする
二つ目のチェックポイントは契約形態です。
ファクタリングは、大きくわけると「2社間」と「3社間」の契約形態があります。それぞれの違いは下記を参照してください。
- 2社間⇒利用者とファクタリング会社の2社間で契約を締結する
- 3社間⇒利用者、ファクタリング会社、売掛先の3社間で契約を締結する
2社間と3社間の最大の違いは、売掛先を巻き込むかどうかです。3社間の場合は売掛先へ通知してファクタリングの存在を知らせるため、契約には少なくないリスクがあります。
その点、2社間ファクタリングであれば売掛先へ通知はいきませんので、誰にも知られることなく安心のファクタリングが行えます。
償還請求権の有無
三つ目のチェックポイントは償還請求権の有無です。
償還請求権の有無とは、もしもファクタリングの契約締結後に売掛先が倒産などで支払いができなくなった時に、利用者がその補填をするかどうかです。
償還請求権なしは「ノンリコース」と呼ばれています。優良のファクタリング会社は多くが償還請求権なしなので、必ず契約締結前にチェックするようにしてください。
まとめ
個人事業主がファクタリングを利用するメリットとデメリット、会社を選ぶ時のポイントを詳しく紹介していきましたが、参考になりましたか?
企業だけではなく個人事業主もファクタリングは利用することができますが、手数料が高くなる可能性が高く、信頼度の高い会社を選ぶのが困難だというデメリットがあります。
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