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2023-05-25

売掛金年齢表とは?未回収を防ぐ分析方法や回収方法について解説

企業間で取引を行う際、一般的に「掛け」で物品を発注・購入するケースが多いです。この場合、支払いより前に物品が手元に届いたり、発送されたりします。

多くの企業と取引をしていると、入金や回収を忘れるリスクが高まります。売掛金を適切に管理しないと、最悪の場合は法的措置に出なければなりません

そこで本記事では、適切な売掛金の管理方法や、その際に多用される用語について解説します。

売掛金年齢表(エイジングレポート)とは

売掛金 年齢表

売掛金年齢表(エイジングレポート)とは、売掛金をどのくらいの期間回収していないか、日付順に表示した表です。この表を作成し、2ヶ月以上の滞留債権があることが発覚した場合は、早急に行動を起こしましょう

売掛金年齢表の仕組み

売掛金年齢表は、会計監査の際に必要な表です。3ヶ月以上の滞留債権がある場合は、不良債権となるおそれがあります

ここで、3社間取引を想定した売掛金年齢表の例を解説します。

【3社間取引の売掛金年齢表(2025年12月)】
売掛残高合計 0日〜30日 31日〜60日

61日〜90日

90日以上
A社 90,890 50,000 20,000 10,000 10,890
B社 89,040 40,000 30,000 5,000 14,040
C社 5,980 5,000 980 0 0

(千円)

0〜30日などと書いてある欄は、売掛をしてからどのくらいの期間が経ったのかを示す欄です。その下に書いてある金額が、その期間中の売掛金の額を示します。90日以上経過している売掛金は、不良債権になりかねません

C社は60日以上の滞留がなく、優良企業と見なせます。一方のA社・B社には、90日以上の売掛金があり、注意が必要です。

売掛金年齢表の作り方・読み方を把握して、リスクに備えましょう。

滞留債権とは

滞留債権とは、売掛先から期日内に回収できていない債権です。6ヶ月以上期日が遅れていると、一般的には長期滞留債権と見なされます。ただし、企業によって基準は異なります。

不良債権と滞留債権の違い

不良債権は、倒産や夜逃げなどにより、回収が著しく困難な債権です。回収が遅れている「滞留債権」とは、回収リスクが大きく異なります。

しかし、長期間にわたり滞留債権を回収できないと、時効が成立する場合があります。結果として、滞留債権が不良債権になる可能性もあるので、注意が必要です

売掛金残高一覧表との違い

売掛金残高一覧表とは、得意先で分類して、その売掛状況を把握できる表です。この表を作成すると、どの企業から売掛金を回収していないか、または回収済みであるかを一目で把握できます

売掛金残高一覧表で見られるのは、前月売掛金残高、当月売掛金発生額、当月売掛金回収額、当月売掛金残高です。

一方の売掛金年齢表には、売掛金がいつから、どのくらいの期間発生しているのかが記載されています。売掛金残高一覧表と売掛金年齢表は、どちらも売掛金の管理に使う会計資料です。しかし、その目的と示される情報には、大きな違いがあります。

売掛金年齢表のテンプレート

売掛金年齢表のテンプレートは、各サイトにて無料でダウンロードできます。自社で作りやすいように、手作業で年齢表を作成するのも一つの手です。しかし、ダウンロードして利用すると、作業の効率化を実現できます

売掛金・売上債権の基礎

売掛金 年齢表
売掛金の意味に不安がある方は、以下の基礎解説も参考にしてみてください。

<売掛金・売上債権の基礎>

それぞれを具体的に見ていきましょう。

売掛金とは

売掛金とは、「売上の対価として将来金銭を獲得できる権利」です。具体的には、商品やサービスなどを売却したものの、その対価である金銭が回収できていない状況を表します。

身近な例は、ZOZOTOWNの「ツケ払い」です。このような取引は、その企業を信頼により成立しており、リスク管理が重要です。もし大幅な期間で未入金・未回収の売掛金が存在すると、信用問題にもつながる可能性があります

売掛金の特性上「すべて現金で取引を行ったほうが、ミスは減るのではないか」と感じる方もいるでしょう。しかし、現金取引には煩雑な事務手続きが必要です。結果として、かえってミスが増える可能性があります。

そこで、一定期間分のお金を一括で後から請求する掛取引が多用されるのです。

売掛債権とは

売掛債権とは、企業が商品やサービスを販売した際に、その代金を後日受け取る権利です

売掛債権は、将来的に現金に替えられる権利であり、企業の流動資産として扱われます。一方、取引先の倒産や資金繰りの悪化といった問題が発生した場合、売掛金を回収できなくなる「貸倒れリスク」には注意しなければなりません

貸倒れリスクの予防には、売掛債権の適切な管理が求められます。

売掛金年齢表の分析方法

売掛金 年齢表

売掛債権の分析方法について、基礎的な日数ごとに見た注意度は、以下のとおりです。

<基礎的な日数ごとに見た注意度>

  • 〜30日:通常
  • 31〜60日:軽微な遅延の可能性あり
  • 61〜90日:滞留債権の可能性あり
  • 90日超:回収不能リスクが高い

先述したとおり、3ヶ月以上の滞留債権には要注意です。回収不能リスクが高まり、利益を確保できなくなるおそれがあります。

売掛金年齢表で古い売掛金を発見した場合の対処法5選

売掛金 年齢表

長期間回収できていない売掛金がある場合、早急に対処しなければ、時効などさまざまな要因によって不良債権となり、回収不能になるリスクがあります

売掛金回収のための手段を知って迅速に行動できるようにし、最悪の事態を防ぎましょう。

1.内容証明郵便を送付する

電話や手紙で連絡をしても応答がない場合は、内容証明郵便を送付してください。内容証明郵便を送付すれば、どの商品・サービスをいつ提供し、どのくらいの期間滞留しているのかを明示する証拠となり、売掛金の時効を防ぐ手立てにもなります。

郵便費などのコストは発生しますが、売掛先にもプレッシャーを与えられ、売掛金の早期回収につながる可能性が上がります

2.商品を回収する

売掛元が出荷した商品がまだ残っている場合、商品を回収すると売掛金を減らせます。しかし、売掛先の合意なしで商品を回収すると、窃盗罪や建造物侵入罪に当たり、刑事事件に発展してしまう可能性もあるので、十分な注意が必要です。

この手段を行使する際は、必ず売掛先に連絡をとり、合意を得たうえで行いましょう

3.相殺して回収する

売掛先に対する買掛金がある場合は、相殺を検討しましょう。例えば、売掛先に100万円の買掛金があり、150万円の売掛金が未回収の場合、相殺して未回収分の売掛金は50万円に減額できます。

この手段を利用する場合も内容証明郵便を送付して、相手の合意をとりましょう

4.訴訟を起こす

先述した手段を実行しても解決しない場合、最終手段として訴訟に踏み切りましょう。訴訟の種類はさまざまですが、ここでは5つ紹介します。

支払督促

支払督促とは、貸したり立て替えたりしたお金を相手方が支払わない場合に、申立人側の申立のみに基づいて、簡易裁判所の書記官が相手方に支払いを命じる略式の手続きです

手続きは書類審査のみで完了し、裁判所に行く必要はありません。手数料は、訴訟する場合の半分の額であり、場合によって異なります。

また、債務者が支払督促に対して異議を申し立てた場合、請求額に応じて簡易裁判所や地方裁判所の民事訴訟手続きに移行します

公正証書

公正証書とは、公証人が法律に基づいて作成する文書です。公証役場で作成できます。証拠として、取引先との契約書や内容証明郵便を提出しましょう。

公正証書があれば、裁判をせずに差し押さえができます。つまり、短期間で売掛金の回収が可能です。

民事調停

民事調停により、裁判所で客観的かつ中立的な第三者に判断してもらえます。売掛先から異議が唱えられた場合に、第三者から審判を下してもらえる民事調停は有効です。

この方法は抜本的な問題解決が期待でき、売掛先が敗訴した場合、強制的な手段を行使せずに済む可能性が高いです。

少額訴訟

少額訴訟とは、60万円以下の売掛金を請求する場合に利用できる、簡易的な裁判です。一回のみの審理が原則であり、最短1日で判決が下ります。

また、少額訴訟のうち3割が和解で解決しており、平和的解決を望める可能性があります。しかし、事前資料を完璧に準備しなければ、1日で審理が終わりません。必要な書類や証拠を揃えてから臨みましょう。

強制執行

少額訴訟などで判決が下されても、売掛金を支払わない企業も存在します。その場合、判決を根拠として、強制的に財産を回収しましょう。あらかじめ仮押さえしていた財産があれば、それも強制執行により回収できます。

5.売掛債権を売却する

ファクタリングを利用し、売掛債権を売却して現金を調達する方法です。ファクタリングとは、売掛金などのまだお金が入っていない請求書を、専門の業者に買い取ってもらい、支払い期日より前に現金を受け取る仕組みです。

手数料が1%から20%程かかりますが、最短即日で売掛債権を現金できます。しかし、長期間回収できていない債権を売却する場合、審査が通らない可能性もあるので、注意が必要です。

また、金融庁が注意勧告をしているとおり、法外な手数料を請求してくる悪徳業者が存在します。細心の注意を払って利用しましょう。

ファクタリングに関する注意喚起:金融庁

売掛金の管理を強化する方法


売掛金を一つひとつ覚えておいては、キリがありません。そこで、適切な管理方法として、以下の二つの方法が挙げられます。

エクセルを活用する

エクセルで売掛金管理表を作成し、売掛の詳細情報を手作業で入力する手段です。エクセルを使えば、関数を利用でき、煩雑な計算が発生しません。

また、文字の色・書体・文字の太さも変えられます。売掛金回収状況などで色分けなどをすれば、よりわかりやすい表を作成できるでしょう。フィルターを活用すると、スムーズな情報収集も可能です。

会計ソフトを活用する

エクセルよりも、効率的に売掛金を管理する手段として、会計ソフトの活用も挙げられます。出入金さえクラウドに記録すれば、その流れで売掛金が管理できることが特徴です。

しかし、利用には料金がかかり、売掛金管理をメインとしたソフトが少ない点も課題です。

まとめ

本記事では、売掛金年齢表、売掛金残高一覧表についてご紹介しました。売掛金の管理は、企業にとってウエイトの重いタスクです。管理には時間と手間がかかり、なおかつミスのリスクも生じます。効率的かつミスの少ない方法とり、企業の経営状況の優良化に努めましょう。

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  • 【監修者】鈴木 孝明(すずき たかあき)

  • 税理士 [登録番号:142076]/すずき会計事務所 代表

    20代で税理士試験に合格後、国内の税理士事務所に勤務。その後、独立し「すずき会計事務所」を開業。
    中小企業・個人事業主様を中心に、税務・会計支援を行っており、ファクタリングを含む資金繰り支援に関する実務経験も豊富。

  • すずき会計事務所のプロフィール