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2024-04-08

ファクタリング詐欺とは?違法となるケースや裁判例、悪徳業者の見極め方について解説

ファクタリングは、売掛債権などを譲渡して、支払期日前に現金化する資金調達方法です。資金繰りの改善に役立つ便利なサービスですが、インターネット上には「ファクタリング詐欺」といった言葉も見つかります。これが原因で、ファクタリングに興味があるものの、利用を避けている方が多いかもしれません。

ファクタリングを巡る詐欺には、利用者によるファクタリング詐欺と、悪徳業者によるファクタリング詐欺の2種類があります。この記事では、それぞれの詐欺の詳細を解説したうえで、詐欺行為を見極めて安全にファクタリングを行うポイントをご紹介します。

ファクタリングによる詐欺逮捕とは


ファクタリングは、支払期日が到来していない売掛債権などをファクタリング業者が買い取り、手数料を控除したうえで支払期日前に現金化するサービスです。近年は、幅広い業種の経営者や個人事業主がファクタリングを利用していますが、サービスの仕組みを利用した詐欺事案も増えています

金銭トラブルとして民事的に解決したケースがある一方で、詐欺罪で経営者が逮捕された悪徳業者も存在するほどです。どのようなケースがファクタリング詐欺にあたるのかを知り、詐欺をするファクタリング業者を騙った悪質な業者の利用を避けなければなりません。

反対に、利用者側がファクタリング業者を騙す詐欺事案も見られます。詐欺罪が成立した場合の法定刑は10年以下の懲役で、罰金刑はありません。複数人が共謀した場合は刑が加重され、1年以上20年未満の有期懲役刑に処されます。

ファクタリング詐欺の加害者になり、人生を棒に振らないようにしましょう。

利用者によるファクタリング詐欺

利用者によるファクタリング詐欺は、次のような方法で行われます。意図せず罪を犯さぬように、どのような行為が詐欺に該当するのかを確認しましょう。

<利用者によるファクタリング詐欺>

それぞれを具体的に見ていきましょう。

二重譲渡

二重譲渡とは、1つの売掛債権を2つのファクタリング会社に譲渡する詐欺です。売掛債権は目に見えません。あたかも売掛債権が存在するかのように見せかけ、いくつものファクタリング会社を騙して代金を詐取する詐欺が多発しています。

たとえば、100万円の売掛債権をA社に80万円、B社に90万円、C社に85万円で売却したとしましょう。この場合、実在する売掛債権は100万円だけですが、三重譲渡で255万円もの現金を詐取できる計算です。

特に2社間ファクタリングは、債務者に債権譲渡の事実が通知されないため、二重譲渡が起こりやすく、詐欺罪に問われやすいです。この問題を避けるために、債権譲渡の事実を公に証明する「債権譲渡登記」を求めるファクタリング会社も存在します。

架空請求書

架空請求書とは、実際には売掛債権が存在しないにもかかわらず、架空の売掛債権を作り、ファクタリング会社に買い取らせる詐欺です。偽造した契約書や注文書をファクタリング会社に提出して詐欺に及ぶケースが多く、なかには取引先もグルになって、架空請求書を発行する例もあります。

ただし、架空請求書の詐欺は、時間の問題で発覚します。ファクタリング会社は、申し込みを受け付けた際に売掛先の信用調査を行い、書類の整合性を徹底して確認するためです。私文書偽造を伴う詐欺は悪質性が高いと判断されやすく、厳罰に処される可能性があります

請求書の偽造

請求書の偽造により、実態よりも高額な取引があったと見せかけて、高額な金銭を詐取しようと企てる詐欺も見られます。たとえば、本来は50万円の請求書を150万に偽造して、差額の100万円を余分に騙しとる詐欺行為です。

金額だけでなく、日付などの軽い改ざんも犯罪と見なされます。請求書の偽造も私文書偽造を伴うため、悪質性が高いと判断されやすく、詐欺罪や私文書偽造罪で刑事責任を問われる可能性が高いです。

不良債権の譲渡

不良債権とわかっていながら譲渡する行為も、詐欺と見なされる場合があります。

不良債権とは、取引先から代金を回収できない可能性が高い売掛債権です。取引先の倒産や経営不振により、売掛債権の回収が難しいと知りながらもファクタリングを利用した場合は、詐欺罪に問われる可能性があります。ファクタリングを利用できるのは、原則として回収可能な売掛債権だけです。

ファクタリング詐欺をした場合に問われる罪


ファクタリング詐欺により問われる罪は、詐欺罪だけではありません。その他の重罪に問われるリスクもあるので、犯罪が成立する条件や法定刑も確認しましょう。

<ファクタリング詐欺で問題となる刑事責任の内容>

一つずつ解説します。

詐欺罪

詐欺罪とは、相手を騙して不当に金品や物品を取得する行為です。ファクタリングにおいては、架空債権や偽造請求書・契約書、二重譲渡などを行うと、詐欺罪に問われる可能性があります。

詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑です。また、直接的に不法行為を実行しなくても、何らかの形で詐欺に関与すると詐欺罪に問われます。たとえば、なじみの会社から依頼され、些細な手続きに協力しただけでも、詐欺行為に加担したと見なされる可能性が高いです。

横領罪

横領罪(業務上横領罪)とは、委託を受けて占有している他人の金品や物品を、不正に自分の物にする行為です。ファクタリングにおいては、利用者が回収した売掛金をファクタリング会社に弁済せず、自分の物にすると横領罪に問われる可能性があります。

ファクタリングでは、契約を締結した時点で売掛債権は業者の物と見なされます。したがって、売掛先から入金された売掛金を使い込み、支払いできなくなった段階で横領罪が成立する可能性が高いです。業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役刑であり、罰金刑は選べません。

私文書偽造罪

私文書偽造罪とは、契約書や履歴書、証明書などの書類を偽造する行為です。紙の文書だけでなく、電子データの偽造も私文書偽造罪の対象になります。

ファクタリングでは、請求書の水増しや決算書の改ざんなどにより、ファクタリング会社を欺く行為が私文書偽造罪にあたる可能性があります。私文書偽造罪の法定刑は、3ヶ月以上5年以内の懲役刑です。金銭を受け取っていなくても、私文書を改ざんした時点で罪が成立します。

悪徳業者によるファクタリングの詐欺行為を見極める方法

<悪徳業者によるファクタリングの詐欺行為を見極める方法>

それぞれを具体的に見ていきましょう。

買取代金が著しく低い

買取を依頼した債権額に対して買取代金が著しく低い場合、実質的に高金利の偽装ファクタリング(闇金まがい)の可能性が高いです。

一般的な相場では、3社間ファクタリングの手数料率は1~10%、2社間ファクタリングは10~20%程度です。この手数料率を超える場合は注意しましょう。たとえば、100万円の売掛債権の譲渡で60万円しか得られなければ、手数料率は40%に相当します。

こうした業者はファクタリングを装って、高額手数料で実質的な高利貸しを行い、利用者の資金繰りをさらに悪化させ、多重債務に陥らせるリスクがあります。手数料が相場を大幅に上回る業者には手を出さず、複数社の見積もりをとったうえで、信頼できる業者の選定を徹底しましょう。

利用者が買い戻しできるとされている

ファクタリングは、償還請求権なしのノンリコース契約が原則です。たとえ売掛先が倒産し、ファクタリング会社が売掛金を回収できなくても、利用者がファクタリング会社に売掛金を弁済する必要はありません。

ところが、ノンリコース契約を謳いながらも「回収が利用者に委託され、売掛先から回収できなければ債権を買い戻す」契約を持ちかけられるケースがあります。これは、実質的に償還請求権つきの取引であり、ファクタリングではなく、貸付行為に該当する危険な取引です。

このような取引を行う業者は貸金業登録が必要であり、貸金業登録なしで貸付を行う業者は、違法な闇金です。ファクタリング利用時は、契約書に「ノンリコース」「償還請求権なし」と記載されているかを必ず確認しましょう。

ファクタリングを装った給与ファクタリングに注意

不渡り手形
給与ファクタリングとは、一般個人が勤務先に対して有する貸金債権を買い取り、高額な手数料を差し引いたうえで、給料日前に資金提供するサービスです。利用者は、勤務先から受け取った給与を弁済するよう迫られます。

仕組みは売掛債権のファクタリングと同様ですが、給与ファクタリングは法律上の貸付行為に該当します。そのうえ、利息制限法の上限金利を超える、法外な利息がとられるケースがほとんどです。

給与ファクタリングについては、実質的に貸付行為にあたるとして違法と判断された裁判例や行政指導の事例もあります。さらに、恐喝まがいの取り立てや、ネット掲示板などへの晒し行為が行われるケースも多いです。

通常のファクタリングとは似て非なるものなので、給与ファクタリングに手を出してはいけません。

ファクタリングを装った貸金業と判断された裁判例

裁判

実際の裁判で、ファクタリングを装った貸金業と認定された事案はいくつもあります。

たとえば、ファクタリング会社が譲渡対象債権に関する債務者の不払いリスクをほとんど追わず、債権の額面とは無関係に金銭の授受が行われた事例です。利用者が期日までに譲渡債権を買い戻そうとしており、それをファクタリング会社側が認識していた事例も、譲渡債権を担保とした貸付行為と認定されました。

その他にも、債務者が弁済しなかった場合に、利用者が債権額以上の金額をファクタリング会社に支払う旨の公正証書を作成させた事案も、金銭貸付と判断されています。

ファクタリングを安全に利用する方法

メリット

ここまでの内容を見て、ファクタリングは危険とのイメージを持った方がいるかもしれません。しかし、いくつかのポイントを守れば、ファクタリングを安全に利用できます。

ファクタリングを安全に利用する方法は、以下の4つです。

<ファクタリングを安全に利用する方法>

それぞれを具体的に見ていきましょう。

正当な売掛債権を譲渡する

必ず正当な売掛債権を譲渡しましょう。正当な売掛債権とは、実際に存在しており、なおかつ回収できる見込みが高い売掛債権です。

架空の債権を譲渡したり、回収できる見込みがないと知りながら不良債権を譲渡したりすると、利用者が詐欺罪に問われる可能性があります。一部の悪徳業者は、手数料を徴収する目的で、架空債権を譲渡するよう持ちかけるケースがあります。しかし、これは違法行為にあたるため、絶対に応じてはいけません。

仕組みやルールを理解する

ファクタリングの仕組みやルールを事前に理解しておくと、犯罪などのトラブルに巻き込まれるリスクが下がります。

特に知っておくべきなのは、一度譲渡した売掛債権は別の会社に譲渡できない点です。二重譲渡や三重譲渡は違法行為にあたり、詐欺罪に問われるリスクがあります。ファクタリングの仕組みを把握すると、意図せず違法行為に手を染める心配がなくなるでしょう。

手数料相場を把握する

手数料の相場を把握すると、法外な利用料を請求する悪徳業者を見極めやすくなります。

ファクタリングの手数料は、2社間で10~20%、3社間で1~10%が相場です。これを大幅に上回る手数料が請求されたり、利用料や利息など別名目の費用が請求されたりする場合は注意しましょう。実質的な貸金行為をする、闇金に騙されるリスクがあります。

契約内容を確認する

申し込み時に作成される契約書の中身をよく確認しましょう。

特に注目すべきなのは、償還請求権の有無です。優良業者が行うファクタリングは、原則として償還請求権のないノンリコース契約です。償還請求権が付帯する場合、その取引は実質的な融資に該当します。融資ではなく、確実にファクタリングが行われる契約内容かどうか、契約締結前に確認してください。

まとめ

ファクタリングに関する詐欺には、業者だけでなく、利用者側も手を染める可能性があります。たとえば二重譲渡は詐欺に該当し、最悪の場合は刑事事件として扱われ、警察に逮捕される可能性もあります。詐欺罪は重い刑罰が定められており、悪質な場合には執行猶予が付かず、実刑となるケースもあるでしょう。

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  • 【監修者】鈴木 孝明(すずき たかあき)

  • 税理士 [登録番号:142076]/すずき会計事務所 代表

    20代で税理士試験に合格後、国内の税理士事務所に勤務。その後、独立し「すずき会計事務所」を開業。
    中小企業・個人事業主様を中心に、税務・会計支援を行っており、ファクタリングを含む資金繰り支援に関する実務経験も豊富。

  • すずき会計事務所のプロフィール